輸入車唯一のフルハイブリッドシステムにして、輸入車ナンバーワンの燃費性能を誇るというルノーのE-TECH FULL HYBRID。その燃費の良さを体験してもらおうとルノー・ジャポンは報道機関およびモータージャーナリストを対象した企画「#アルカナ燃費チャレンジ」を実施しました。名だたる業界関係者がチャレンジする本企画に、ASCII.jp自動車部も参戦! 果たしてツメ跡を残すことができたでしょうか……。
ただでさえ燃費がいいアルカナで
どれだけ伸ばせるかを業界関係者が競う!
CセグメントSUVの「アルカナ」は、そのスタイリングや走りの良さだけでなく、WLTCモード燃料消費率で輸入車トップという22.8km/Lを誇るのがウリ。確かにCセグSUVでこの数字は驚異的なのですが「そんなわけない」と疑問に思うのが、常識的な業界人です。ルノー・ジャポンはそれを逆手にとって「ホントですから体験してみてくださいよ! どうせだったら業界関係者対抗レースにしましょう」というラテンのノリで企画した模様。そのノリ、好きですヨ!
ルールは簡単。スタート地点である「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」からアクアラインを通って千葉「かづさアカデミアパーク」の近くにある「かづさ4号公園」に行き、証拠写真を撮って、再びスタート地点に帰ってくるというもの。その間のルートは自由ですが、一般的なルートを選択すると片道45km程度、往復90km程度。道路が空いていれば1.5時間あれば余裕でクリアできるのだとか。
当日は、ほかのルノー車種の試乗会も実施。ASCII.jp自動車部は朝11時頃から2台分の取材を敢行し、このチャレンジが始まる3時過ぎは、すでに疲れがピークに達してグロッキー状態。その中で「#アルカナ燃費チャレンジ」の話を聞いた部員Sは「かづさアカデミアパークまで往復するんですか? めっちゃ遠いじゃないですか!」とテンションダダ下がり。ゆみちぃ部長も「これ、参加しないとダメなんですか? キャンセルして(試乗会場から近い)コストコに行きませんか?」と、勝手に「#アルカナ燃費チャレンジ」企画を申し込んだ部員Kに対して非難轟々。いうて部員Kも当初は「プチ燃費チャレンジ」と聞いていたわけで、フタを開けたら90km近く走るとは思ってもおらず……。
このようにテンションがダダ下がっているASCII.jp自動車部の面々。ですが、ルノー・ジャポンの担当者から「優勝したら、アルカナのホームページで顔写真とコメントを掲載する」と聞いた途端、部員Sは「ASCII.jp自動車部の名を世界に広めることができる!」と目をギラつかせての本気モードに。さらに2位と、F1英国GPのアルピーヌチームと同じ順位だったチームには、フランスの名パティスリー「ピエール・エルメ」のお菓子詰め合わせを進呈! それを聞いた我らがスイーツ部長の目は、本気と書いてマジと読むギラつかせっぷりではありませんか。こうしてルノー・ジャポンに名誉と胃袋を掌握され、参加することになりました。
自動車専門誌じゃないけど
負けられない戦いがある!
【1日目】#ルノーアルカナ燃費チャレンジ
— ルノー・ジャポン (@Renault_Japon) July 4, 2023
天気は晴れ、最高気温30度の暑い日です。
7月3日最高燃費記録をたたき出したのは、GENROQ 永田様の31.6㎞/Lです。 この日は8組のメディアとジャーナリスト方々に挑戦していただき、みなさまWLTC燃費を大きく上回る結果でゴールしています! pic.twitter.com/C3zelxbGZk
ルノー・ジャポンのSNSによると、初日に高級車専門誌で知られるGENROQさんがリッター30km超を達成しているのだとか。普段は燃費とは無縁のハイパーカーを取り上げていながら、燃費関連もキチンとフォローできるあたり、さすが自動車メディア業界最大手の三栄書房さんであります。一方、我々はPCやスマホ、アニメやゲームなどにはめっぽう強いのですが、自動車関係に関しては弱小オブ弱小。そのうえクルマに乗ったら、まずはスポーツモードに切り替えてアクセルを踏み込む燃費無縁集団。無策で臨んでは名だたる自動車業界関係者に勝てるわけがありません。
ここは長年のレース取材で培ったノウハウと、ASCII.jpらしく理系の頭脳で挑むことに。作戦名はズバリ「ジェットストリームアタック」。これはアルカナを撮影車と称した前走車の後ろにピタリとつけて、常にスリップストリーム状態で走行。空気抵抗を軽減させることで燃費を稼ぐというものです。レギュレーション的に「1台で走らなければならない」とは一言も書いていませんから合法です(一応、ルノー担当者の確認は取りました)。
さらに「燃費は軽い方が有利」という物理法則から、運転はゆみちぃ部長が担当することに。というのも他媒体は男性が運転しているのに対し、彼女の体重はリンゴ3コ分。圧倒的に軽量です。当然荷物などは前走車に詰め込み、1gでもクルマを軽くして臨むのは言うまでもありません。
まずは記念撮影をするゆみちぃ部長。ルノー・ジャポンの担当者がクルマをエコモードに設定して出発です。クルマには部長がひとりきり。大丈夫なのかな、壊さないかな、道に迷わないかな……。部員たちはドキドキです。
殿町ICから首都高速・神奈川6号川崎線に合流し、湾岸部長の「川崎ストレート30km/L トライ――――ッ!」。ご覧ください。胃袋を掴まされた娘の姿を。ピエール・エルメ、恐るべし……。
先行車に乗る部員たちは車内でスマホ片手に「◯◯の方が坂が多いみたい」などとルートに関して作戦会議を実施。一方で「時速何キロで走ったら燃費が伸びるのかなぁ」と、根本的なことはわかっていないあたりが、業界内でポンコツトリオと言われるゆえんだったりします。E-TECHの美味しいポイントがわからない部員たちは、制限速度順守で走り続けます。
そうこうするうちにアクアラインに合流。ですがジェットストリームアタックを展開しなければならないにもかかわらず、次第に離れているような……。「大丈夫ですかね? 道、わかりますかね?」と心配する部員K。車内は「はじめてのお使い」に出た子供を家で待つ親のような空気に。ただただ、ミラー越しにアルカナの姿を追い続けます。
アクアラインの木更津金田ICを通過し、クルマは館山自動車道を南下し君津ICへ、ではなく、木更津北ICへ。これは渋滞回避とか色々検討した結果のこと。県道33号で南下する作戦をとりました。
2台の距離は付かず離れず、そして一般道へ。「ポルシェセンターに取材する時とか、何度も通ったよねココ」などと言いながら、目的地へ向かいます。
スタートして約50分後にチェックポイントに到着。そして肝心の燃費は27km台……。ゆみちぃ部長、これは一体どういうことですか! と尋ねたところ「ジェットストリームだか何だかわかりませんが、もう、イライラしっぱなしですよ! 自分のペースで走りたいのに」と激おこプンプン丸ではありませんか。
「結局、前がつっかえるから、ちょくちょくブレーキを踏んだりアクセルを踏んだりしなくちゃいけなくて、全然燃費が伸びないんですよ」というではありませんか。そのストレスはエアコン全開、カーオーディオ全開という燃費悪化行動につながり「アルカナ、実に快適でした!」と言い出す始末。アルカナの居心地がよいのは実に結構なことなのですが、今回の目的である名声欲と食欲を満たす行動とは真逆でして……。
こうして往路は終了。サッサと帰りましょう。
復路は、ゆみちぃ部長がキレているので、次に体重の軽い部員Sへチェンジ。ゆみちぃ部長は部員Kが運転する先行車に乗って帰ることになりました。エアコンを切り、音楽を鳴らすことなく、黙々と走る部員S。夏の暑さで頭がやられたためか、道を間違えたり、EVモードで走行しようとしたら速度が出ないとかで、いつの間にか行方不明……。
不幸は続き、木更津金田ICの先からアクアラインの海ほたるPAまで大渋滞。さらに首都高も渋滞という悪条件が重なりリッター30km超は絶望的状況に。それでも頑張った部員Sは、記録を伸ばしてリッター29.6kmまで稼いだのでした。ちなみに先行車は1.2リットルのガソリンエンジン車でリッター12km前後。アルカナすごすぎます……。
【3日目】#ルノーアルカナ燃費チャレンジ
— ルノー・ジャポン (@Renault_Japon) July 6, 2023
7月5日天気は曇り。最高燃費を記録したのは、https://t.co/h559YzV425チームの29.6km/Lです。寺坂様がスターティングドライバーを務め、折り返しからは末岡様にスイッチしチームワークでのチャレンジ。… https://t.co/4fAhIq7qABpic.twitter.com/D0xKJzYjfU
残念ながら総合1位を逃したASCII.jp自動車部ですが、この日のデイリー1位を獲得することができ、SNSを通じて表彰を受けました! やりましたね部長! 上位らしいのでピエール・エルメ、ワンチャンですよ。ということで、よりツイートが目立つよう、部員Kは担当者に走行中の写真をコッソリと送ったのでした。
では結果をご紹介しましょう。参加した27組のうち、ASCII.jp自動車部は10位と、実に平凡・平均的な結果となりました。ちなみにトップ3はGENROQ、CarWatch、webCGと、日本を代表する媒体ばかり。さすが自動車専門媒体、おそるべし! ちなみにリッター30km超は6組、29km台が7組と、半分以上がリッター29km超で、ゆみちぃ部長がそのまま乗っていたら平均以下確定。
ちなみに27位で26km台ですから、ドンケツになっていた可能性すらあったというわけです。部員Sは蒸し風呂のような車内でかいた大量の汗とひきかえに、ASCII.jpの看板にドロを塗ることを回避したのでした。
さてワンチャン賞のピエール・エルメですが、イギリスGP決勝結果、アルピーヌF1チームは18位と26位に終わったため、これもなし。いや、部長がそのまま乗っていたら、お菓子が来たのかも……。
というわけで、優勝もオチもない結果にASCII.jp自動車部は意気消沈したのでした。にしても、アルカナの燃費、恐ろしすぎです! ちなみに部員Sは「普通のハイブリッドだと、どの位なんですか?」と部員Kに質問。どんだけ燃費を気にしてないんだ、ブルジョアか? と思いながら部員Kは「CセグのSUVなら、高速利用でリッター18~20kmですね」と回答。もっとも、この数値は今回とはルートが違いますので、別の機会に試してみましょうか。
そんなアルカナには今春「エンジニアード」というカッコいいクルマが登場しています(ルノーのエレガントSUV「アルカナ」に追加されたエンジニアードの魅力とは?)。実はこの日、このクルマの取材もしたのでした。記事は後日公開します。お楽しみに!
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