売れ筋ディスプレーのサイズは年々変化している。少し前までは24インチクラスだったが、最近はワンランク上がって27インチが伸びてきている。24インチだと快適な解像度はフルHD程度だが、27インチならその上のWQHD(2560×1440ドット)でも快適に使える。そのため、より高精細で広い作業領域を確保でき、使い勝手も向上する。
そんな27インチで湾曲タイプのWQHDゲーミングディスプレー「MAG 275CQRF-QD」がエムエスアイコンピュータージャパン(MSI)から7月に発売された。しかも高速応答と広色域を両立した量子ドット技術採用のRAPID VAパネルを採用。以前31.5インチ湾曲タイプの「MAG 325CQRF-QD」を紹介したが、その27インチモデルと考えていい。
そんなMAG 275CQRF-QDをレビューする。
高速応答を実現したRAPID VAパネル採用
以前31.5インチ湾曲タイプの「MAG 325CQRF-QD」を紹介したときに、応答速度の話と量子ドット技術について詳しくお伝えしたが、今回も簡単に説明しておこう。
ゲーミングディスプレーのスペック表を見ると、必ず応答速度が記載されているが、基本的にこれが速いほど残像感が少なくなる。
本製品も1ms(GTG)と非常に速いが、ここで注意したいのが測定方法である。GTG(Gray to Gray)とMPRT(Moving Picture Response Time)の2種類があり、後者はアンチモーションブラー機能による黒挿入で残像感を低減するため、前者のほうが純粋に応答速度が速いことになる。
また、量子ドット技術は、バックライトから出た光を特定の波長だけを通す量子ドットフィルムを介すことで、青・緑・赤のバランスが均等になり、広色域を実現したものだ。
さらに「Premium Color Mode」により、より豊かな色彩でゲームをプレイできる。色域は、sRGBカバー率が99%、AdobeRGBカバー率が94%、DCI-P3カバー率が96%と、クリエイティブな作業で使っても十分なスペックだ。最大発色は約10億7300万色、最大輝度はHDR対応の300nit、コントラスト比は4000:1と、なめらかな階調でメリハリのある映像を楽しめる。
KVMスイッチを搭載し2台のマシンでUSB共有
本体のサイズは、607(W)×267(D)×427(H)mmで、眼球の動きに近い1000Rの湾曲率。解像度は2560×1440(WQHD)、リフレッシュレートは170Hzでゲーミングディスプレーとしては十分なスペックである。
もちろん、対応するグラボと組み合わせることでカクつきを抑える「FreeSync Premium」を搭載。残像感を抑えるアンチモーションブラー機能や暗部でもAIによって見やすくする「ナイトビジョン」モードなど、ゲームプレイをより快適にしてくれる機能を備えている。
背面にはOSD操作のスティックタイプのナビキーを搭載。LEDによるイルミネーションも施されており、「Gaming Intelligence」アプリをインストールしてUSBケーブルを接続することで、パソコン上から直接設定を切り替えられる。そのため、各種設定だけでなくLEDイルミネーションのパターンや色味も変更できる。
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