週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

中古車買取に求めること 7台を売った僕の実感

2023年08月02日 07時30分更新

 昨今、ビッグモーター問題が世間を賑わせている。僕は30歳で初めて車を購入してから今現在まで8台を乗り継いでいるのだが、そのうちの1台をビッグモーターで買取してもらったことがある。

ビッグモーターの営業から聞かされた一言

 僕の場合は、インターネットでよくある「車一括査定」のサイトに登録した。登録すると即電話の嵐となる。

 「お車に大変興味がございます。ご自宅にお伺いさせていただけますでしょうか?」

 中古車販売業者や買取業者からの依頼が殺到する。世間でよく聞く「同じ時間に全社に来てもらって一番高い金額をつけたところに売る」というやり方。これ、実は相手先がものすごく嫌う。同じ時間帯に他社を呼んでいないかを確認もされる。だから僕は30分刻みで来てもらった。それでも仕事熱心なのか早く来る方もおられて、かち合うこともある。だから僕は全社の話を聞いてから決めることを伝える。

 そんなときにビッグモーターはあらわれた。当時、何度も車を買い取りしてもらった僕でも初めて聞く買取業者だった。20代前半、まだ少年の面影が残るつぶらな瞳の男性だった。

 査定だが、会社によって「金額を言うところ」「金額を一切言わないところ」「『今なら○○円にします』というところ」など様々。こういった攻防が延々続くのである。そんな中、ビッグモーターの担当である彼だけは違った。他社とかち合った時に僕を隅に連れて行き、「あそこに売ったらダメです」と言ってきた。

 その言い方、つぶらな瞳は僕を悪の手先から救うかのようだった。結果、それが印象的だったことと、ビッグモーターを調べると関西の方ならラジオCMで馴染みがある「ハナテン中古車センター」をグループ傘下にした会社ということがわかり、親しみも感じて決めた。

 すると、その日の晩に電話がかかってきて、買取金額が25%ダウンした。

 車を早く売却したいことと、断りを入れたところにまた査定を依頼することも躊躇されて、そのまま売却した。

 後出しみたいに聞こえるが、こういった報道が出る前から僕はずっと思っていたことがある。彼はものすごく追い詰められているように見えた。だから他社の人よりも印象に残ったのかもしれない。彼は悪くない。車を持って帰ったあとに別の欠陥が見つかったんだ。だから25%減額されたんだと信じている。彼は今何をしてるのだろうか?

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう