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Core i7-13700+Intel B760+GeForce RTX 4070のパーツ選択

夏休みに組みたいっ!!  25万円の予算で満足度100点超えのゲーミングPC

2023年07月29日 13時00分更新

文● 石川ひさよし 編集●ASCII
提供: エムエスアイコンピュータージャパン

ストレージはMSI「SPATIUM M461 PCIe 4.0 NVMe M.2」の1TB

 ストレージではPCI Express Gen5 x4対応モデルも登場しはじめたが、今回使うマザーボードはPCI Express Gen4 x4までのサポート。ムリをする必要はないし、PCI Express Gen5 x4対応SSDは発熱が大きいためこれを冷却するシステム側も入念に検討する必要が出てくる。基本的にPC DIY初心者へはPCI Express Gen4 x4モデルをオススメしたい。

MSI「SPATIUM M461 PCIe 4.0 NVMe M.2」。この上にマザーボード側のヒートシンクを装着して運用する(※写真は500GBモデルを装着したところ)

 MSI製品で組むのだから、ここはMSI「SPATIUM M461 PCIe 4.0 NVMe M.2」の1TBモデルを組み合わせた。メモリと並びSSDも最近コスパがよくなっており、1TBモデルの価格はおよそ8000円前後。予算があれば容量単価がさらによい2TBモデルや、システムに1台、データにもう1台といったデュアルSSD構成にチャレンジしてもよいだろう。

ビデオカードは4Kを狙って「GeForce RTX 4070 GAMING X TRIO 12G」

 ゲーミングの要であるビデオカードは上位のGPUほど高性能だ。ただし25万円前後の予算で最適なものを選ぶとなると、NVIDIA GeForce RTX 4070あたりがよいのではないだろうか。今回はMSI「GeForce RTX 4070 GAMING X TRIO 12G」を選んだ。NVIDIAリファレンスのブーストクロックが2480MHzであるのに対し、本製品は定格2610MHz、MSI CenterからExtreme Performanceを選択すると2625MHzまで引き上げられるOCモデルだ。

MSI「GeForce RTX 4070 GAMING X TRIO 12G」

 GPUクーラーは「TRI FROZR 3」。低負荷時にファンの回転を停止する準ファンレス機能付きで軽作業時はビデオカード自体が無音となるので全体的にも非常に静かだ。一方、ゲーミング時は3連の大口径「TROX FAN 5.0」がGPUの発熱を効果的に冷却する。先のブーストクロックでも触れたが、同社の統合ユーティリティ「MSI Center」を導入することでPC全体のパフォーマンスモードを切り換える。Extreme Performanceは通常、動作音がやや大きめとなるものだが、今回の構成ならゲーミングPCとしては比較的静か。「User Scenario」からStandardやSilentのモードを選べばゲームプレイ中もかなり静かなので、ヘッドホンではなくスピーカーで楽しみたいという方は参考にしていただきたい。

 ビデオカード長は338mm。ケース選びの際はこれに対応しているものを選ぶのがひとつの条件になる。また、GeForce RTX 4070が求めるシステム電力要件は650Wだが本製品はOCモデルであることを考えると650W+αの出力を、さらに補助電源端子は従来の8ピンではなく12VHPWRなのでこれに対応しているものを選ぶと配線をスッキリさせることができる。

補助電源は12VHPWR×1系統

12VHPWR対応かつ将来のアップグレードも見据えて電源は「MPG A850G PCIE5」

 電源選びだが、先のとおり出力は650W+αで検討したいわけだが、650Wクラスの次は750Wクラス、そして850Wクラスとある。今回は850WのMSI「MPG A850G PCIE5」を組み合わせている。変換効率も80PLUS Gold認証なのでまずまず高効率で発熱も小さい。

MSI「MPG A850G PCIE5」

 もうひとつポイントがPCIe 5.0のATX12VHPWRコネクタにネイティブ対応している点だ。いろいろと捉え方はあるだろうが、ケーブル配線をできるだけシンプルにするならネイティブ対応がベターだ。

左から従来の8(6+2)ピン(製品には2本付属)、電源の12VHPWRから従来の8ピンを取り出すケーブル、そして12VHPWRネイティブケーブル。12VHPWRのビデオカードでも使え、従来の8ピンを3口利用するビデオカードだったとしても1対1での接続が可能だ

 出力的には750Wクラスでもカバーできるのであくまで作例と捉えていただければよいが、一度ゲーミングPCを組むと、次のアップグレードではより上位のGPUにチャレンジしたくなるものだ。1グレード分の余裕と捉えておけば850Wという選択もよいだろう。

見せるデザインの静音ケース「MAG VAMPIRIC 300R」

 最後にデザインを決定するケースを紹介しよう。選んだのはミドルタワーサイズのMSI「MAG VAMPIRIC 300R」だ。スクエアなシンプル形状だが、フロントのメッシュ部分からのぞくLED、側面ガラスパネル、電源カバーなどゲーミングらしさのある製品となっている。

MSI「MAG VAMPIRIC 300R」

 デザイン的には窒息ケースと言われる、静音向けのキャラクターになるだろう。だからこそ、今回のCPU、GPUのように比較的発熱量が小さい構成に向いていると言える。ただ、ファンの搭載可能数は豊富で、フロントが12/14cm角×3、トップが12cm角×3または14cm角×2、リアが12cm角×1。標準搭載ファンはリアの12cm角×1なので、ほかは必要に応じてユーザーが追加する必要がある。

 また、ビデオカード長は最大380mmまでサポートしている。338mmの「GeForce RTX 4070 GAMING X TRIO 12G」はカバーできる。

シンプルなフロントには電源ボタン等のインターフェースがなく、これらはトップの右端に並んでいる

主要パーツをMSIで固めて出来た無骨デザインがいい感じ

 今回の作例、MAG VAMPIRIC 300Rがミドルタワーケースの中でも内部空間が大きめなので組み立て難易度は低い。裏面配線スペースの奥行きも一般的なところで、ケーブルをまとめるポイントを押さえれば窮屈な印象もない。比較的大出力の電源を選んでいるので、ケーブル長にも余裕がある。つまり、比較的初心者の方でもスッキリとした見た目の美しいゲーミングPCを組み上げることが可能だ。

 ひとつ注意点を挙げるなら、組立作業中はMAG VAMPIRIC 300Rのガラス製左側板を外しておくこと。通常の側板はネジで簡単に外せるのが一般的だが、本製品は後部に蝶番がある横開き。その蝶番部分を上に引き抜くことで取り外せる。強化ガラスとはいえ強い衝撃は厳禁だ。

 では完成した状態をご覧頂こう。

レインボー発光にさせても嫌味がなく見栄えがする

LEDをホワイトに指定するとこのようなイメージ

内部もこのとおりスッキリ。さらにカスタムしていくなら、フロント下部やトップにケースファンを追加してあげるとエアフローが強化されてより冷えるようになるだろう

 なお、冷却を考えて簡易水冷クーラーMAG CORELIQUID M240のラジエータをフロントに配置している。ケースMAG VAMPIRIC 300Rがサポートする最大ビデオカード長は380mmだが、今回同様、ラジエータをフロントに配置しようとする方は、そこからラジエータ+ファン分の厚みを引いた値が最大値になることをお忘れなく。

 LEDはケース前面パネル、ケースファン、水冷ヘッド、ラジエータファン、ビデオカードに搭載している。マザーボードやメモリ、電源はLED非搭載で、さらにガラスの左側板もスモーク仕様とあって、まばゆいほど全体的に光るというより各所ピンポイントで光るイメージだ。とくにホワイト発光では落ち着いた感のするゲーミングPCといえるだろう。とはいえマザーボード「B760 GAMING PLUS WIFI」と簡易水冷クーラー「MAG CORELIQUID M240」の無骨デザインがともにマッチしている。さらに「GeForce RTX 4070 GAMING X TRIO 12G」もこれに近いデザインとカラーなので、統一コンセプト感はバッチリだ。主要パーツをMSIで揃えるとこうしたデザイン統一が簡単に実現できる。

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