JAPANNEXTのJN-IPS270FLFHD、JN-IPS27WQHDR、JN-27IPS4FLUHDRで試す
Windows XP壁紙「草原」4K版で比較する、フルHD・WQHD・4K液晶ディスプレーの違い
2023年6月、ちょっとした懐かしい話題が往年のPCユーザーを賑わせた。Microsoftのデザイナーチームが作成した壁紙を取り扱う「Microsoft Design - Wallpapers」というウェブサイトで、Windows XPの代表的な壁紙「草原」(英語版における名称は「Bliss」)の4K版がひっそりと公開されていた、というものだ。
実は本画像、少なくとも2021年の時点で「Microsoft Teamsの背景向け」という名目のもと、フルHD版が公開されている。今回はその4K版ということで話題になったわけだ。裏を返せば、世界中でもっとも閲覧された写真の1つとして知られるこの草原の画像に親しみを持つ人がいまだに多い、ということでもあるだろう。
本稿では、「草原」の成り立ちや4K版の特徴を振り返りつつ、実際にフルHD・WQHD・4Kのディスプレーでデスクトップの壁紙に設定し、あらためて解像度の違いについて解説する。解像度によってどれぐらい見え方が変わってくるのか、いまいちわからないという人にとって参考になれば幸いだ。
なお、今回用意した液晶ディスプレーはJAPANNEXTの27型IPSパネルを採用するモデルで統一した。いずれも幅約615~616mmの製品で、解像度のみが異なる。ゆえに、画面の緻密さの指標となる画素密度についても触れようと思う。
4K版の「草原」、実際は元画像と結構違う
Windows XPは今から20年以上も前(!)の2001年に発売したOSだ。その時点で「草原」はデフォルトの壁紙だったが、その元になった写真が撮影された時期は1996年までさかのぼる。場所はワインの産地として知られるアメリカ・カリフォルニア州ソノマ郡にあるブドウ畑。撮影者はかつてナショナルジオグラフィックのカメラマンとして活躍していたチャールズ・オレア氏だ。
「草原」はブドウ畑にしてはあまりになにもなさすぎる風景のように思えるが、それもそのはず。この丘は1990年代初めごろ、ブドウの生育を阻害するブドウネアブラムシの発生により大きな被害を受けており、撮影時点ではその再生途上にあったそうな。
そういったタイミングの妙もあり、青々とした草原の美しい写真が誕生したわけだ。このあたりの事情は、週刊アスキーWEB版の過去記事「サポート終了間近のXP あの“草原”にあらためて思いをはせてみる」で詳しく解説しているので、ご参照いただきたい。
そのような事情から、今では同じロケーションで撮影することが難しいこともあり、今回の4K版「草原」はそれらしい風景をCGで再現したものとなっている。
比較してみると、丘の起伏がより大きくなっており、ダイナミックだった雲はソフトな雰囲気に。草原の手前側にまばらに咲いていた黄色い花は、より大きなタンポポに変更されていることなどがわかるだろう。それっぽくはあるが、実際は細部が結構異なるわけだ。
なお、新たな「草原」は「MICROSOFT NOSTALGIC SCENES」というテーマのもとで製作されており、Microsoft Officeにアシスタント役として存在していた「Clippy」をテーマにした壁紙もある。興味がある方は「Microsoft Design - Wallpapers」からダウンロードしてみてはいかがだろうか。誰でも無料でダウンロードできる。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう