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絶対に後悔したくない親御さんへオススメしたい鉄板構成・2023年夏版

子どもの夏休み自由研究でPC自作、予算はいくらが適正か

2023年07月25日 10時00分更新

子どもの夏休み自由研究でPC自作、予算はいくらが適正か

iCloudの中から夏休みっぽい写真を探したんですが、悲しいぐらいありませんでした。こちらは妹の結婚式で5年ぐらい前に行ったグアムのホテルからの景色になります

夏休みの自由研究の定番になりつつある「PC自作」

 夏休みの宿題は残り1週間まで手をつけない派、ジサトライッペイです。先日、編集部の会議で耳にしたんですが、最近はお子さんの自由研究で「PC自作」にトライするご家庭が増えてるんですってね!

 僕の従姉の息子さんも「フォートナイト」をPCで遊びたいということで、3年ぐらい前にPC自作に挑戦しました。僕がリモートでPC自作を教えることになったのですが、あっという間に組んだので驚きました。子どもの吸収力ってスゴイですよね~。

 しかし、本当にスゴイのはゲーミングPCという決して安くはない投資を、子どもの夏休みの自由研究にあてられる親御さんですよ。物価も電気代も高騰しているこのご時世に……。どうせ高い費用を捻出して作るなら、なるべく長く使えるパソコンにしたいですよね。

 「でも、パソコンのことはよく知らないし、そもそも予算ってどれぐらいあれば後悔しないPCになるの……?」。そんな声をよく聞きます。僕は子どもどころか妻もおりませんので、今回は架空の息子(二平・12才)を脳内で作り出し、そんな方向けにオススメの最新PC自作構成・2023年夏版を考えてみましたので、ぜひ参考にしてください。

ディスプレーを含めて予算20万円以下が妥当

 今回はすごく分母の大きそうなライトゲーマー向けの構成を考えてみました。ほとんどのPCゲームにおいてフルHDで快適に遊べるPCになります。軽量なFPSやTPSタイトルなら平均144fps超えも余裕です! これなら二平も学校のお友達と一緒にフォートナイトやApex Legendsを思う存分遊べるはず。

 総額はOSを入れても18万円台前半に抑えたので、リフレッシュレート144Hzのお安めゲーミングディスプレーと合わせても20万円以下で収まります。CPUもビデオカードも最新世代をチョイスしたので、3年間ぐらいはスペックの低さを嘆く機会はないでしょう。

予算20万円以下で全部なんとかするコスパ重視プラン
CPU インテル「Core i5-13400F」(10コア/16スレッド、最大4.6GHz) 3万800円前後
CPUクーラー 空冷、トップフロー(※CPUの付属物) -
マザーボード MSI「B760 GAMING PLUS WIFI」(インテルB760、ATX) 2万6200円前後
メモリー CFD販売「W5U5600CS-16G」(16GB×2、DDR5-5600) 1万4700円前後
ストレージ Western Digital「WD_Black SN770 NVMe WDS100T3X0E」(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0) 9800円前後
ビデオカード Palit「GeForce RTX 4060 StormX 8GB NE64060019P1-1070FD」(GeForce RTX 4060、8GB GDDR6) 4万6000円前後
電源ユニット Corsair「RM750e ATX 3.0 CP-9020262-JP」(750W、80 PLUS GOLD) 1万6000円前後
PCケース NZXT「H9 Flow CM-H91FW-01」(ATX、ミドルタワー) 2万2000円前後
OS Windows 11 Home(パッケージ版) 1万8000円前後
総額   18万3500円前後
子どもの夏休み自由研究でPC自作、予算はいくらが適正か

Core i5-13400F

 CPUはCore i5-13400F。10コア/16スレッドもあるので、ひと昔前のPCと比べたら写真・動画編集も超快適なはず。逆に絶対やっちゃいけないことは、Core i3まで落とすこと。

 Core i3なら1万円台まで安くなりますが、コア数が4コア/8スレッドと極端に少なくなるので、汎用性が劇的に下がります。最近のゲームはCPU性能を求めるタイトルも増えてきましたので、かなりリスキーな選択と言えましょう。

 「安物買いの銭失い」とはよく言ったもので、PC自作において初期投資を惜しんだ人ほど、将来的に追加コストが高まる傾向にあります。結局のところ、ゲーミングPCとは「ゲームも含めてなんでもできるPC」を望む人が多数だと思います。僕はCPUのコア数ごときで息子ともめたくないので、第13世代のCore i5を選択します。
 

子どもの夏休み自由研究でPC自作、予算はいくらが適正か

GeForce RTX 4060 StormX 8GB NE64060019P1-1070F

 ビデオカードは最新のGeForce RTX 4060搭載モデル。描画負荷を下げられる最新機能「DLSS FG」が使える最安グラボなので、将来性においてもバッチリです。とはいえ、こちらは相対的に価格が下がっている前世代のGeForce RTX 30シリーズもコスパ的には捨てがたいところ。

 比較的フォームファクターの縛りを受けずに換装できるPCパーツなので、とりあえずは前世代を選んでおき、安くなったら最新世代に買い替えるのもアリです。全体予算に対する価格の比率が高めですから、コストダウンするならココかもしれません。

 僕の場合、二平と相談したところ、Cyberpunk 2077とか重量級のアクションゲームも高画質で遊びたいってことだったので、DLSS FGが使えるGeForce RTX 4060は譲れない選択になりました。まったく、舌の肥えたガキですよほんと……。

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B760 GAMING PLUS WIFI

 マザーボードはインテルB760チップセット搭載モデルから、B760 GAMING PLUS WIFIをピックアップ。お手頃クラスなのに、Wi-Fi 6Eに対応しているので、無線LANが使える点がポイントです。もちろん、Bluetoothも使えます。

 DDR4メモリーモデルだともっと安くできますが、やはりここも将来性を重視。いざ故障したからメモリーを買い替えるって時に、DDR4メモリーが市場にないって可能性もありえます。

二平「ダディー、なんだか最近PCの画面が突然真っ青になることが増えたんだけど、これって故障しているの?」

僕「二平、それはブルースクリーンといってな。平たく言うと、君のPCはどこかが病気になったんだよ」

二平「じゃあ治療してあげよーよ、かわいそうだよ」

僕「見た感じメモリーが悪くなってるな。でもね、二平。もうこのメモリーはなかなか売ってないんだよ。だからもうマザーボードごと買い替えたほうが早いかもな。でも、どっちも買い替えると高いから二平のおこづかいから引いておくね」

二平「そんな……、ダディーが最初にケチったせいなのに!ひどいや!もうこんな家出てってやる!」

僕「二平!にへぇぇぇぇぇぇぇい!」

 なんてことになるはず。だから初期投資は大事なのです。
 

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W5U5600CS-16G

 メモリーは16GB×2、DDR5-5600でお安いものならなんでもいいです。必要に応じて、容量やグレードを下げてもう少し安くするのも手です。もちろん、今回はGB単価(1GBあたりの価格)がおいしかったり、コスパが良いグレードを選んでいるのでこのままでもOK。写真・動画編集もするならこのぐらいはあったほうがいいですしね。

 二平世代はデジタルネイティブなので、当たり前のように高画質なコンテンツを編集して世に配信していく子どもたちが多いんですよ。そんな時代ですからね、まわりの子たちができることはなるべくさせてあげたいのが親心ってもんでしょう。メモリーの容量=愛情の大きさだと言っても過言ではないと思うんですよね。
 

WD_Black SN770 NVMe WDS100T3X0E

 ストレージは1TB M.2 SSDで、PCIe 4.0接続のモデル。こちらも容量やグレードで今おいしいところを選びました。正直、ゲームのロード時間だけを考えるなら、PCIe 3.0接続モデルでも全然アリですが、ファイルコピー時間などでは結構大きな差になります。

 当然こちらも容量を下げると安くなりますが、いまどきのゲームは1個あたりの容量がめっちゃ大きいですからね。おそらくそうそうに足りなくなるはず。そもそも1つのタイトルだけをひたすら遊び続けるお子さんはまれでしょう。

 僕も10代前半はカプコンとSNKの格闘ゲームのかけもちでしたし。きっと二平はDLCがっつりある系のゲームにはまるでしょうから、余裕があれば2TBにグレードアップしたいところ。

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RM750e ATX 3.0 CP-9020262-JP

 電源ユニットの容量は750Wもあるので、GeForce RTX 4080搭載ビデオカードでもギリギリいけます。また、新規格のATX 3.0に準拠しているので、将来的にビデオカードだけアップグレードしたくなった時でも安心です。

 あと、ケーブルはすべて着脱できるフルモジュラー式なので、余計なケーブルをつけずに済みます。ケーブルをきれいにレイアウトすれば、愛着もひとしお。ぜひなにごとも丁寧に仕上げる人間に育ってほしいですよ。二平には。

子どもの夏休み自由研究でPC自作、予算はいくらが適正か

H9 Flow CM-H91FW-01

 PCケースは一部の支柱を省いたデザインで人気のH9 Flowの白モデル。もちろん、みんな大好きフロントUSB Type-Cも装備。今年出たばかりの製品なので、お友達とかぶることも少ないですし、自慢できるマシンになること請け合いです。

 二平は僕似なのか、PCケースファンの向きにうるさいんですよ。でも、このPCケースは側面に3基、リアに1基標準で搭載。これなら正確な向きをめぐって骨肉の争いをせずに済みます。PCケースファンの追加は、PC自作初心者が迷いやすい部分だとも思いますゆえ、ここもポイントですかね。

 なお、今回はベーシックなATXフォームファクターで構成しているので、組みやすいところもポイントです。ゆえに、将来的なアップグレードもしやすいはず。PCケースや電源ユニットはそのままでも、ほかのPCパーツを入れ替えていけば長く使えます。

 というわけで、僕が親ならゲーミングディスプレーを含めて、20万円以下が適正だと思います。このぐらいの予算感なら、数年後も後悔しない構成にできますし、将来的にまるごと買い替えなくてもアップグレードしやすいPCになることがわかったはずです。

 それではみなさま、良いPCを作って一生の思い出に残る夏休みを! 僕は二平とPC自作したあと、そのPCを持って両親に孫の顔を見せに帰省する予定です。あ、もちろん脳内のことですよ。現実は普通に帰省して、普通に今年も貯金しなさいよと怒られる予定です。

筆者紹介───ジサトライッペイ

子どもの夏休み自由研究でPC自作、予算はいくらが適正か

 アスキーに自作PC大好き集団「自作虎の巻」、略して「ジサトラ」のアルバイトリーダー。宮城県出身の1982年生まれ。2005年にPC自作の知識はもちろん、IT関係の知識がまったくない状態で週刊アスキー編集部にアルバイトで潜り込む。その後、なんやかんやでハイエンドPC自作にのめりこみ、依然貯金ゼロの生活が続いている。

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