週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

サステナ時代の勢いに乗るモジューラ式スマホ「Fairphone」、プライバシーを武器に米国進出

2023年07月15日 12時00分更新

プライバシー重視スマホは過去に失敗例も

 環境に配慮する人とプライバシーに配慮する人が重なるだろうという読みは納得がいく。しかし、実際の問題はそれがどのぐらいのボリュームかだ。

 オランダ滞在中にFairphoneに取材を申し込んだが、時期が時期だったのか(米国ローンチと重なったり、直前にCEOのEva Gouwens氏が退任を発表した)、「日本市場で展開していないので」という理由で断られた。Fairphone側から、なぜ米国市場展開にあたってMurenaの/e/OS搭載機種なのかの意見を聞くことはできなかったが、Duval氏にコメントを求めたところ、「欧州だけでなく、米国でも倫理的なIT製品をのぞむコンシューマーは増えている。よりサステナブルで、プライバシーが守られた製品を好むというトレンドを感じている」と語った。

 もっともプライバシー+スマホの試み自体は以前からあるのだ。米国のSilent Circleの「Blackphone」などをASCII.jpでも紹介してきた(「PGP開発者も加わった秘密重視のスマホ「Blackphone」がMWC登場へ」)。

 Fairphoneのモジュラー性や修理性も、アップルがユーザー自身で修理をする「Self Service Repair」の提供に踏み切るなど、必ずしも新奇なコンセプトではない(どのぐらいのユーザーが実際に使っているのかは別として)。市場が受け入れる準備は、アメリカでも整いつつあるという読みだろう。

 いずれにしてもMureno Fairphoneの米国での動向に注目したい。

 

筆者紹介──末岡洋子

フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事