ベンチ結果で判明「15インチMacBook Air」はProに匹敵するパフォーマンス
MacBook Airとして初めて15インチディスプレーを採用したモデルは、今年(2023年)のWWDCで発表され、即日注目受付が開始された。すでにレビュー記事「15インチMacBook Airは「余裕たっぷりの画面サイズ」で実用度No.1」は公開したので、ここではベンチーマークテストの結果と考察をお届けしよう。
今回の比較の対象は、Apple Silicon以降のMacBook Airに、参考として最新のMacBook Proを加えた4機種とする。具体的には、2020年のM1搭載のMacBook Air 13インチ、2022年のM2搭載のMacBook Air 13インチ、新しいM2のMacBook Air 15インチ、2023年のMacBook Pro 14インチの4モデルの結果を比べて検討する。
また、例によって「低電力モード」と通常のモードで、どれだけパフォーマンスが変化するかも評価する。これについては今回主役のMacBook Air15インチモデルについてのみ、条件を変えて計測、評価している。
パフォーマンスを比較するMacBook Air+Pro、4モデルのスペック
まずは、今回のテスト対象として取り上げた3モデルの、主要スペックをざっと確認しておこう。
・2020年型M1搭載MacBook Air 13インチモデル
8コアCPU/7コアGPU/8GBメモリー/256GBストレージ
・2022年型M2搭載MacBook Air 13インチモデル
8コアCPU/10コアGPU/16GBメモリー/1TBストレージ
・2023年型M2搭載MacBook Air 15インチモデル
8コアCPU/10コアGPU/16GBメモリー/512GBストレージ
・2023年型M2 Pro搭載MacBook Pro 14インチモデル
10コアCPU/16コアGPU/16GBメモリー/512GBストレージ
MacBook AirのCPUはいずれも8コアだが、MacBook Proのみ10コアとなっている。GPUについては、MacBook AirのM1モデルが7、M2のMacBook Air 13インチと15インチは10、そしてMacBook Proは16コアという違いがある。M2の13インチモデルでは、標準モデルは8コアGPUで、10コアGPUはオプション扱いだが、メモリー、ストレージも含めてカスタマイズされた個体だ。また、M1チップは、M2以降のチップが搭載するメディアエンジンを搭載していないという違いもある。今回のテストでは、ビデオのエンコード処理の性能に影響する可能性が高い。
一方、搭載メモリーの容量によって、チップ構成の違い以上に大きく結果が異なることがあるので要注意だ。今回の対象モデルの中では、M1のMacBook Air 13インチのみ8GBで、M2のMacBook Air 13、15インチ、MacBook Proは16GBを搭載している。ストレージの容量が、直接的にテスト結果に影響することはなさそうだが、容量によってもSSDのロットや特性が異なる場合があり、ストレージがらみの性能に影響を与えることもある。
ハードウェアの性能以外にも、テスト結果に影響を与えるものがある。それはもちろんソフトウェアで、macOS本体や、それに付属するアプリのバージョンによっても結果が影響を受ける。例えばGPUを扱う際のAPIとなるMetalは、macOSのバージョンによって最適化が進み、同じハードウェアでも新しいOSほど処理が速くなる傾向がある。また、ブラウザーを使ったテストでは、やはりSafariのバージョンが新しいほど有利という傾向が見られる。
今回の3機種のテストは、それぞれのモデルが発売された直後に実施したものなので、OSや付属アプリのバージョンは異なる。したがって、新しい機種ほど有利な結果が出ていると考えられるものもある。
各モデルのテスト時のmacOSバージョンを以下に示しておこう。
・M1搭載Mac Book Air 13インチモデル:11.0.1
・M2搭載Mac Book Air 13インチモデル:12.4
・M2搭載Mac Book Air 15インチモデル:13.4.1
・M2 Pro搭載Mac Book Pro 14インチモデル:13.2
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