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(勝手に)『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』公開記念

画像生成AI「Midjourney」でインディ・ジョーンズの世界を生成するプロンプト

2023年06月30日 11時00分更新

v5.2の新機能「Zoom out機能」を使って「未確認生物」をつくろう

■細かく描写指定したのでアップ気味の宇宙人

 墜落したUFOの中から登場する2人の宇宙人です。割と細かく容姿を指定したプロンプトを使って生成しました。

■ロズウェル事件のグレイ風宇宙人のプロンプト

Two Roswell Greys in UFO crash site in Dark Forest, in the style of sci-fi movie footage, thin body, large head and big black eyes, Grey Skin, Dull Skin, Expressionless, Advanced Intelligence, Small Stature, Smooth Body Contour, Flames and black smoke and fog --ar 3:2

暗い森のUFO墜落現場にいる宇宙人2人、SF映画風の映像、細い体、大きな頭と大きな黒い目、灰色の肌、くすんだ肌、無表情、高度な知性、小柄、滑らかな体の輪郭、炎と黒い煙と霧 アスペクト比3:2

 プロンプトの前半は絵のおおまかな説明、プロンプトの後半は宇宙人の容姿の具体的な説明になっています。ただ「エイリアン」とだけ記述すると、SF映画「エイリアン」に登場するクリーチャー風エイリアンになってしまったので、主語を「ロズウェル事件のグレイ」として、さらに容姿の特徴も追加しました。

 キャラクターの容姿を詳細に説明しすぎるとキャラクターにズームアップした絵になります。

 ただ、もう少し引いた構図が欲しい時もありますよね。そんな時に便利な機能が最新のMidjourney V5.2のアップデートで追加された「ズームアウト機能」です。

 「ズームアウト機能」は、画像をアップスケールボタンでアップスケール後に表示される2つのボタンである「Zoom out 2x」ボタンか、「Zoom out 1.5x」ボタンを押すことで実行できます。これによりズームアウトした構図の新しい絵を取得できます。

 この機能は、他のAIイラスト生成ツールでは「アウトペインティング」と呼ばれるもので、元の画像の四方を拡張し、周囲を描き足すことで引いた構図を実現します。しかし、MidjourneyのZoomout機能が面白いのは、生成される画像サイズは変えずに周囲の視界を広げるように再生成される点です。元の画像と比較すると、元の画像に当たる描画部分は縮小されて画面の中央に配置されることになり、文字通りZoomoutしたような絵を生成できるのです。

 例えば、胸までしか描かれていないキャラクターのイラストを、サイズを変えずに全身像のイラストに変換することが可能です。

先ほどの画像の1枚(左下)をズームアウトした画像

 プロンプトだけでは難しい絵をボタンひとつで簡単に実現できる可能性がある便利な機能です。ぜひ試してみてください。

※ズームアウト機能は、記事執筆時点ではver5.2限定の機能です。

■「霧」でミステリアスさを演出した「ネッシー」

 未確認生物といえば「ネッシー」も。

 昔イギリスのネス湖で、絶滅したはずのプレシオサウルスのような姿をした謎の生物の目撃情報が報告されて話題になりました。

■ネス湖の謎の水棲生物「ネッシー」のプロンプト

Nessie, an unidentified creature of Loch Ness, faintly visible through the fog, distant view --ar 3:2

霧の中にかすかに見えるネス湖の未確認生物ネッシー、遠景 アスペクト比3:2

 「霧」という言葉を使ってミステリアスな雰囲気を演出しています。この絵はズームアウト機能は使っていないですが、こういった未知の対象物を描くときにも使えそうですね。

色褪せた雰囲気、海底などのシチュエーションで「古代文明・遺跡」を生成してみよう

 さて、次はトレジャーハントらしく古代文明や古代都市・遺跡を生成してみたいと思います。

■ヴィンテージ感を演出した海上古代都市

 アトランティスは哲学者プラトンが記述した物語に登場する古代都市です。「失われたハイテク都市」というロマン溢れる設定は、ゲームやファンタジーの世界に度々登場する題材です。

 ChatGPTに聞くところによると、アトランティスは「高度な文明を持った円環状の島」であったとのこと。下記のプロンプトで私なりに再現してみました。

■古代のハイテク都市「アトランティス」のプロンプト

old vintage photo, Atlantis , a group of islands in a circle, In the style of a still from a sci-fi movie , super technology --ar 3:2

古いヴィンテージ写真、アトランティス、円形の島々、SF映画のスチル風、スーパーテクノロジー アスペクト比3:2

 かっこいい! SFチックな世界観がいい感じです。写真がなかった時代の写真なのに退色したカラー写真というアンバランスさも映画的ですね(笑)。

■海底の表現の限界に挑む水没した古代遺跡

 アトランティスは何らかの理由によって、ある日突然海に沈んでしまったようです。

 もし、この現代の海のどこかにアトランティスの残骸が残っていたら……、という想像で絵を生成してみます。

■海底に沈んだ「アトランティスの遺跡」のプロンプト

old high-tech city in underwater, covered with moss and seaweed, deep blue and emerald green, deep sea, in the style of old photo, concentric circles, ruins, archaeological photo --ar 3:2 --c 20

海中の古いハイテク都市、苔と海藻に覆われた、深い青とエメラルドグリーン、深海、古い写真風、同心円、遺跡、考古学的写真、アスペクト比3:2

 苔と海藻で歴史を感じるような表現にしてみました。

 もう少し光が届かないくらいの深海を描きたかったのですが、Midjourney で「海底」は難しい題材でした。

 海底を描くと、海面が移りこんでしまうことが多く、対象物のスケールに違和感を覚えることが多いからです。皆さんもぜひ海底の題材にチャレンジしてみてください。

退色した古い写真を再現した「天空の城」の写真

 次のイラストは、神話に登場する天空の城「アスガルド」をイメージしたものです。

■色あせ、ボロボロになった「天空の城の写真」のプロンプト

vintage photo of Ancient Castle in the Sky, damaged photo, faded

天空の古城のヴィンテージ写真、傷んだ写真、色あせた写真

 ファンタジーなイメージの強い題材なので、そのまま生成するとアニメチックな世界観になってしまいました。そこで、ボロボロの写真風にすることでリアリティを表現してみました。

 ボロボロ写真風の絵にするには下記のような言葉を重ねて使っていくと良い感じになります。

■ボロボロ写真風イラストに使える言葉

●Old photos、Vintage photos:古い写真
●Paper photos、Paper printed photos:紙に印刷した写真
●Damaged photos:傷んだ写真・劣化した写真
●Vintage:ヴィンテージ
●Faded:色褪せた

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