前回までは無料版のChatGPTを使ってきたが、実はChatGPTには「ChatGPT Plus(以下Plus)」という月額20ドル(約2800円)支払うことで下記のような優遇を受けることができる有料プランが存在する。
大規模言語モデルの最新型「GPT-4」が使えるようになる
Plusの目玉はなんといっても「GPT-4」が使えるようになることだろう。
GPT-4はOpenAIが開発したChatGPTの頭脳に相当する大規模言語モデル(LLM)と呼ばれるプログラムであり、人間が使用する言語を理解し、新たなテキストを生成する人工知能の心臓部だ。
無料版のChatGPTは「GPT-3.5」というプログラムを使用しているが、Plusでは「GPT-3.5」に加えて最新モデル「GPT-4」が使用できるのだ。
上記は、SATやLSATといった米国の様々な試験問題をGPT-3.5とGPT-4に解かせた結果。青色がGPT-3.5、緑がGPT-4をあらわしている。多くの試験でGPT-4はGPT-3.5よりも優れた成績を収めているのがわかる。
実際、2023年3月に発表されたGPT-4は、前バージョンのGPT-3.5と比べ、精度、表現力、対応言語、コンテキスト理解力などすべてが上回っている。
試しに「猫、AI、竹輪で三題噺を作って」という同じプロンプトをGPT-3.5(ChatGPT無料版)とGPT-4(ChatGPT Plus)に投げてみた結果をリンクしておく。どちらが賢いかはこれを読んで判断してほしい。
GPT-3.5の回答はこちら(クリックで拡大表示)。
GPT-4の回答はこちら(クリックで拡大表示)。
さらに、まだ利用はできないが、GPT-4はテキストだけではなく画像を使った入力にも対応した「マルチモーダルモデル」となっている。つまり将来的にはプロンプトや回答にテキストだけではなく画像を使えるようになる可能性があるということだ。
なお、GPT-4はマイクロソフトの検索エンジン「Bing」にも導入されているので、GPT-4を少し試したいだけであればBingを使うという選択肢もある。
最新の話題にも対応できる
ご存知のようにChatGPTの知識は2021年までに制限されているので、それ以降の具体的なイベントや新しい製品、技術、流行などについては基本的に言及できないようになっている。
だが、Plusに加入すると利用できる「Browse with Bing」機能では、Bingの検索機能を利用して最新の知識をインターネット上から取得し、それを元に言及することができるようになる。
さっそく試してみよう。上記は無料版のChatGPTで「今年のプロ野球オールスターゲームの日程を教えて」と聞いてみたところ。もちろん2021年にはまだ日程は発表されていないのでGPT-3.5には答えられない。
ではGPT-4を試してみよう。Plusに契約すると表示されるモデル選択画面で「Browse with Bing」を選択する。
ばっちり日程を教えてくれた。
なお、Bingで検索した知識を元に生成された出典が存在する文章には、末尾に小さな数字が付記されており、カーソルを持っていくことで出典元のウェブページへのリンクが出現する。課題や論文など厳密に出典を要求される文章を作成する際には必須の機能だ。
プラグインで機能を拡張できる
「プラグイン」はサードパーティーが提供するChatGPTの機能を拡張し、より多様なやり取りを可能にするアプリケーション群だ。利用することで、株価や最新ニュースなどを取得したり、資料からの作図、料理の注文や航空券の予約などをChatGPTでできるようになる。
利用するにはまずモデル選択画面で「Plugins」を選択する。
次に「No plugins enabled」と表示されている部分をクリック。
すると「Plugin store」画面が表示されるが、デフォルトでは代表的なものしか表示されていない。
そこで画面左上の「All」をクリックして全てのプラグインを表示させてみよう。画面下部のページ数が一気に63ページに増えた。つまり現在500以上のプラグインがラインナップされているということになる。
試しに使ってみよう。検索ウィンドウに「tabe」と入力して「Tabelog」プラグインを表示。「Install」ボタンをクリック。
するとPlugin Store画面が閉じ、モデル名の下に「Tabelog」プラグインのアイコンが表示される。
プラグインは一度に2個まで同時に利用できる。また、一度インストールしたプラグインは後からいつでも利用できる。
この状態で「有楽町駅近辺のリーズナブルなイタリアンを教えて」というプロンプトを入力すると、「食べログ」のデータベースから検索されたレストランが表示された。
他にもメリットは多数
Plusのメリットはこれだけではない。例えばChatGPTは利用者の急増によりアクセス制限がかかってしまうケースがあるが、Plusには優先的なアクセスが提供されているため、アクセスが集中する時間でもスムーズに利用できる。また、反応速度もChatGPTに比べてかなり高速になっている。
さらにPlusの加入者は、新しい機能やアップデートなどに優先的にアクセスできることが約束されている。「Browse with Bing」や「Plugins」がそうだが、今後も追加機能が期待できる。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります