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これは持ち歩けるプライベート・ゾーン:

色々すごいダイソン初のヘッドホン「Dyson Zone」空気清浄機能付きで12万1000円から

2023年05月23日 17時00分更新

 これは持ち歩けるプライベート・ゾーン。

 ダイソンが5月23日、空気清浄機能付きノイズキャンセリングヘッドホン「Dyson Zone」を発売しました。価格は12万1000円から。2022年3月発表から1年を経ての発売となりました。見た目もさることながら、新しいコンセプトを完成させたのはすごいことです。

「キャシャーンっぽい」「エヴァみがある」

 Dyson Zone最大の特徴は何と言っても電動マスク部分。イヤーカップに搭載する静電/カーボンの二重フィルターで外気を清浄し、マスク型シールド内部に取り込めます。

 耳元のフィルターから空気を取り込み、口元にきれいな空気を届けるという構造で、左右にイヤーカップ内には小さなモーターを搭載しています。駆動時にはイヤーカップの外側からモーターが回転しているところが見えるようになっています。

 フィルターは0.1μmの粒子を99%補足するという空気清浄機並みの性能。NO2(二酸化窒素)やSO2(二酸化硫黄)などの汚染物質も除去可能です。

 シールドとヘッドホンはマグネットで取り付け。シールドの長さは顔の大きさに合わせてヘッドバンドのように調節できるようになっています。

 シールド込みで装着するとSF的な見た目になり、「キャシャーンっぽい」「エヴァみがある」といった世代感のある感想が周囲から聞こえてきました。

 空気清浄機と同様にセンサーを搭載し、NO2(二酸化窒素)濃度を測定可能。「MyDyson」アプリから空気の状態を確認することができます。

 運転モードは低・中・高・自動(オート)で変更可能。最大の「高」にするとモーターが高速回転する音が聞こえました。

 汚れやすい口にあたる部分にはメッシュフィルターが付いていて、取り外して水洗いができるようになっています。

ノイズキャンセリングは強力、音はクセなし

 本体はノイズキャンセリング機能付きのヘッドホン。装着するとすぐアクティブノイズキャンセリングがオンになり、周囲の騒音が聞こえなくなります。

 イヤーカップを2回タップするとノイズキャンセリングはオフになり、外音取り込みモードに替わります。なおシールドを下げてもノイズキャンセリングはオフになり、再生中の音楽も一時停止されます。

 ノイズキャンセリングには本体に搭載しているマイク11個のうち8個を使用。うち2個は空気清浄用モーターの駆動音を消すために使われています。

 なお残りのマイクはイヤーカップの内外にそれぞれ配置され、ノイズキャンセリングのほか、ビームフォーミングなどにも使われています。

 ドライバーなどは音のゆがみを最小限にするため慎重に設計されたものということ。ユニット径は40mmで、周波数特性は6Hz〜21kHz。

 ちなみにイヤーカップ内のモーターは空中に浮かせるように取り付けることで、振動による音への影響をおさえているそうです。

偏向・コンプレッサー実験装置用のサンプル

 バッテリー持続時間は音楽再生のみで最大50時間。空気清浄時は1.5時間(低)〜4時間(高)です。

 実際に装着してみたところ、装着感はとても快適。ノイズキャンセリングは強力で、ざわついた発表会場がほぼ無音になりました。圧迫感もなく自然な仕上がりです。音質について詳しい評価はできませんが、比較的乾いた音で、特定の音域を強調しすぎることのない素直な音だったと思います。

持ち歩けるプライベートゾーン

 発表会では創業者ジェームズ・ダイソン氏の長男であるジェイク・ダイソン氏が製品を紹介しました。

ジェイク・ダイソン氏

 発想の原点はセンサー付きの空気清浄機。空気清浄機をベースに大気の汚染状況がわかるということで、2021年に実施したのが、センサーを内蔵したバックパックを背負って空気の状態を調査するという実験。そこで「キレイな空気を外出先でも送り込める」というアイデアが生まれ、Dyson Zoneが登場したそうです。

 装着して感じたのは、これは仮想的なプライベート・ゾーンのようなものだということ。

 ヘッドホンで耳、シールドで口を覆うことで、外界から隔てられた自分の世界がつくられます。逆に、シールドを下げることで外の音と空気がわっと取り込まれて“世界に戻っていく”ような感覚がありました。

 ここまで来たら目元をVRディスプレーで覆い、口元にマイクを装着して自分の話し声をミュートしてしまえばいいのではないかと思いましたが、それはShiftallの防音マイク「mutalk」ではないかということに気づきました。

Shiftallの防音マイク「mutalk」

 ダイソンは今年で日本上陸25周年。この新しいコンセプトが日本で受け入れられていくかどうか、今後の行方に注目です。

 

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