週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

PayPay、他社カード決済停止で独自カード強化

2023年05月10日 07時00分更新

ゴールドカードによるキャリア間のお得意様効果競争

 dカード、au Payカード、PayPayカードとも、ゴールドカードでは年会費1万1000円を設定し、通信料金の10%をポイントで還元するという特典を付けている。これによりお得意様となり、契約を継続させ、回線を解約しにくい関係を作り出しているのに成功している。

 ただ、PayPayカードのゴールドは昨年、始まったばかりで、3社のなかでは後発だ。ソフトバンクではこれまでクレジットカード事業にはあまり力が入っておらず、ヤフーによるYahoo!ジャパンカードに任せていた感が強い。

 そんななか、ソフトバンクはPayPayによる大盤振る舞いのキャンペーンなどを通じてQRコード決済で圧倒的なシェアを握り、今度はクレジットカード事業にユーザーをシフトさせようとしているわけだ。

 QRコード決済アプリは、ユーザーにクーポンを付与するなどしてマーケティング活動に使ったり、ポイント投資を通じて証券などの金融サービスへの窓口として機能する。一方、QRコード決済事態は決済手数料も少額であるため、なかなかコストの割に儲からないという構図になっている。

 値下げの影響で、通信料収入が稼げなくなるなか、各キャリアとしては金融事業、特にクレジットカードに注力していくことになりそうだ。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事