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AIで自分だけのLINEスタンプづくりに挑戦!

画像生成AI「Midjourney」でLINEスタンプを作ろう

2023年05月03日 11時00分更新

 画像生成AIで好きなイラストを作るようになったら、ぜひやってみたいと思っていたのが今回取り上げるLINEスタンプの制作です。

 そもそももっと以前からやってみたいと思ってはいたのですが、1枚、1枚絵を描いて、色を付けて、それをスタンプの形にして……と考えているうちに腰が重くなってチャレンジせずにいました。ですが、AIの力を借りれば、いとも簡単に制作できることが分かったので、今回は実際に私がスタンプを作って申請、公開に至るまでの過程をご紹介しましょう。

 とはいっても、「Midjourney」を利用して作られたイラストは、現状、AIの学習素材の元となっているイラストや絵画データの取得先が開示されておらず、かなりグレーな状態になっています。本稿では、Midjourneyで生成したイラストをLINEスタンプの制作に利用しますが、あくまで個人利用を目的に制作していきたいと思います。

※本記事は、5月3日に公開された同名記事を改修したものです。当該記事執筆時、記事用LINEスタンプ制作にあたり、特定アーティストの作風を取り入れるというプロンプトにて作成したという内容で公開したところ、それを販売目的の商品として利用することを推奨するように読め、アーティストへの敬意に欠ける行為であるというご指摘を多くの方からいただき、大変軽率であったと反省しております。

 

 いただいたご意見を真摯に受けとめ、本記事では改めて特定アーティストの作風に寄らないキャラクター設定をしたスタンプ画像を作り直し、かつ、販売目的でなく、限りなく個人利用が可能なLINEスタンプの制作方法として再公開いたします。

いろいろなポーズや表情のキャラクターを自動で作るプロンプト

 最初に作るスタンプは猫や犬、といったアニマル系をチョイスする人が多いのですが、今回はにじジャーニーを利用して、いきなり人物キャラクターで行こうと思います。とは言っても、今回の手法では、こんな内容、こんなセリフのスタンプを作りたい、といったご細かい希望には沿えません。自分でチョイスできるのは絵柄までです。

 まずは女の子のキャラクターを考えます。

 ということで、最初のプロンプトはこちらです。

第1節プロンプト
little girl ,

 小さな女の子のキャラクターをつくってみます。

 そして、次のフレーズが今回の企画に欠かせない呪文、[muliple poses and expressions]です。[様々なポーズと表情で]というこのプロンプトをにじジャーニーで使うと、1枚の絵の中に、いろいろな表情や仕草の同じキャラクターが描かれます。

第2節プロンプト
muliple poses and expressions,

 次も割とよく使われるプロンプトで、[children's book illustrations style]です。子供向けの本のイラストという感じ。このプロンプトを使用すると、子どもが見て共感を覚えるようなキャラクターが描かれます。Midjorneyでは絵本のようなタッチになることが多いですが、にじジャーニーでは絵を見ただけで何をしているところか想像できるようなオーバーアクションが得られます。

第3節プロンプト
children's book illustrations style,

 ここから先は女の子のディテールを細かく指定していきます。かわいい、茶色いブーツ、赤いパーカー、スカート、濃い黄色の髪。頭から靴まで細かく指示を加えることで、全身のイメージが醸成されます。これに加え、シンプルに、フラットカラー、白バックにフルカラーでという注文を付けました。

第4節プロンプト
cute, Brown boots, Red hoodie, skirt, dark yellow hair, flat colour, full colour,white background

 最後にパラメーターですが、今回は[--no pet]という、ペットを描かないようにというネガティブプロンプトを加えています。小さい子どものキャラクターを注文すると、一緒にペットが描かれることが多いのですが、女の子のディテールは細かく指定しているのにペットに言及していないと、複数描かれるポーズごとに違うペットが描かれたりすることがあるためです。

パラメーター
--no pet

 さて、これらのプロンプトを連結して画像生成してみましょう。

 どうでしょう。なかなかいい感じじゃないでしょうか。[muliple poses and expressions]は本当にいろいろな表情やポーズを勝手に作って描いてくれますが、時折、手がどこかに行ってしまっていたり、別のポーズと被って描かれていたりと、単体で切り抜いて使うのには向かないものも描かれます。ですから、1枚のシートのうち、使えるポーズはせいぜい2,3点になります。

 また、4つ出されたシートが、どれもちょっとずつ違うイメージの女の子になっています。そこで、この4つの案の中から、1枚だけ切り出して、次からはこれを画像プロンプトとして利用し、似た感じの女の子を4シートともに出力してもらいます。

特定の女の子キャラを使ったLINEスタンプ用プロンプト
女の子キャラの画像URL little girl , muliple poses and expressions, children's book illustrations style, simple, cute, full colour, Brown boots, Red hoodie, skirt, dark yellow hair, flat colour ,white background --no pet --niji 5

 あとは、この調子で1,2回同じプロンプトでシートを作成します。

 ある程度ポーズが揃ったら、今回はMidjorneyでの作業はここまで。お次は、この中からスタンプに利用できそうなカットを切り出していきます。

キャラ絵を1枚ずつ切り離す

 今回、私はキャラクターの切り抜きに「Adobe Photoshop」を使いましたが、似たような作業ができればなんでも構いません。使い慣れた画像編集ソフトを使いましょう。

 まずは、1枚のシートのうち、使えるカットと使えないカットに切り分けます。「Photoshop」では、使えないカットにマスクしてしまい、そのままPNGファイルとして書き出しています。この段階で背景の白を透過にしてしまいましょう。

 続いて、残したカットを1枚ずつトリミングし、PNG形式で保存します。

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