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BTO PCの「ビルダー」に必要な素養とは何か聞いてみた

BTOメーカーの中の人ってどんな人?1日20台組むSTORMの“プロPC自作er”に直撃

2023年05月03日 10時00分更新

組み立てリーダーの人物像に迫る!

 工場の様子を見てきたところで、本題のビルダーさんへのインタビューに移っていきたい。今回も、ジサトラKTUに出演していただいた宇都木さんに、私生活や工場のことをお聞きした。

――どういった経緯でSTORMで働くことになったのでしょうか?

宇都木さん:もともと、前の会社でPCの組み立て業務に関わっていまして、STORMの自社工場を作るという話が持ち上がった時にお誘いを受け、PCを組めるならということで喜んでお受けしました。

――もともとPCを組むのがお好きだったんですね。

宇都木さん:そうですね。もともとモノ作りが好きなので、仕事でPCを組んで自宅に帰ったらプラモデルを組み立てて……というように、趣味でもこういった作業を楽しんでいます。

――何年前くらいから今の職場で働いていらっしゃるのでしょう?

宇都木さん:今の工場の開設からなので、今年の5月で6年ですね。前の職場では一応営業の立場だったので、台数によっては自分でPCを組んでしまうこともあったものの、売るほうがメインの仕事でした。ただ、どちらかというと作るほうの仕事が好きだったので、今の職場に来た形ですね。

――仕事以外でも、PC自作は頻繁にされているのですか?

宇都木さん:そうですね。Mini-ITXの小型ケースに限界までパーツを詰め込んでみるとか、配線の取り回しを考えながら組み上げていくのが好きですね。そういう個人的なこだわりが、製品のPCを組む際にも活かされていると思います。

――好きなことが仕事にも活きているんですね。

宇都木さん:組み慣れたケースでも、より良い配線がないか常に探してアップデートするようにしています。おかげでいつも楽しんで仕事ができていますね。

――宇都木さんは、工場内ではどういった立場でいらっしゃるのでしょうか?

宇都木さん:一応、組み立てのリーダーという形でやらせていただいています。

――では、リーダーの立場で常にアップデートを探していて、より良い方法があればチームに共有しているという感じでしょうか。

宇都木さん:はい。あとは、新しいケースなどを導入する際に、最初に組んで配線の仕方を考えるのも私が担当しています。うちはパーツを新しくする頻度も高いので、やりがいはありますね。

――ご自身では1日にどれくらいのPCを組んでいらっしゃるのですか?

宇都木さん:構成にもよりますが、大体15~20台くらいは組んでいますね。前に2500台くらいの大型の受注があった時などは、1日に30台以上組むこともありました。あれはさすがに疲れましたね……。

――休日ははどういったことをされているのでしょうか?

宇都木さん:プラモデルを組むことも好きですし、結構多方面に興味がありますね。現役でヘビーメタルのバンドをやっていたり、ゲームもしていたり。キャンプなどアウトドアも好きですし、ほかにはドライブも好きでよく行っています。何でもかんでもやってみたくなるので、休日は結構活発に動いています。

――車もお好きなんですね。

宇都木さん:実は、ここで働く前は神奈川のほうに住んでいて、あまり車を使う環境になかったので、免許を取ってから12年ほどは乗っていなかったのですが、引っ越しを機に車に乗るようになって、以来ハマっているという感じですね。ゆくゆくは、車もいじってみたいと思っています。

宇都木さんの愛車は赤いスポーツカー

――現在の仕事に就いて、特に苦労した経験などあれば、教えてください。

宇都木さん:Mini-ITXのマザーボードと電源ユニットでほぼスペースが埋まるくらいのキューブ型ケースに、GeForce RTX 2080搭載のビデオカードを詰め込むという案件があった時は、かなり厳しかったですね。小型のケースを使った案件は、楽しくはあるのですが、やっぱり苦労することも多いですね。

――そういった特殊な構成は、ユーザーさんから直接問い合わせで依頼されるものなのですか?

宇都木さん:そうですね。例えば、ネット上のブログ記事などで読んだ構成を自分もやりたいということで、依頼されてくるお客様もいらっしゃいます。そういったものは結構ギリギリの構成で組まれているものが多いので、だいぶ悩みながら作業していますね。まあ、そういう限界を突き詰めるところが楽しいんですけどね。そうしたノウハウもあるので、弊社ではMini-ITXの小型PCに関しても自信を持っています。

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