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ソフトバンクの技術イベントは量子コンピューターから衛星用の電池まで紹介

2023年04月12日 12時00分更新

自動運転の分野でもソフトバンクは存在感をアピール

 「自動運転」のコーナーでは、ソフトバンクが目指す自動運転の姿や、社会実装に向けた課題への取り組みなどが紹介されていた。自動運転のレベルは5段階あり、4月1日から施行された改正道路交通法によって「レベル4」の自動運転が解禁された。レベル4では、特定条件下における完全自動運転が認められる。しかし、コストや安全性など克服すべき課題は多いとのこと。ソフトバンクは、2023年1月から東京の竹芝エリアにて、自動運転の走行経路の設計や沿革監視の運行業務などをAIで完全無人化する実証実験も行なっている。メディアツアーの最後に、その様子も公開された。

ソフトバンク本社がある竹芝エリアで行なわれる実証実験の概要

自動運転の監視システム

実証実験に使われている車

自動運転の実用化に向けては、精密な3Dマップを生成する技術も必要であることが解説された

 「次世代コンテンツ」のコーナーでは、5Gと映像配信やデータ処理の最新技術を融合させた次世代コンテンツへの取り組みを紹介。「XR基盤技術」を用いて、バーチャルで提供されるエンタメコンテンツに、現実世界にいるユーザーがスマホの操作で一体感を味わえるデモを体験できた。

 なお、ソフトバンクは2022年10月にMixalive TOKYOで初開催した「講談のおそ松さん」など、すでに一般向けにXRライブの提供を始めている。

ディスプレーにスマホをかざしてARでコインを投げると、ディスプレーの映像にも連動するなど、バーチャルとリアルの垣根をなくす臨場感を体験できた

「講談のおそ松さん」は、観客はスマホの操作でリアクションを示せて、それが演出に反映される趣向

量子コンピューターの時代が来る前に

 「量子技術」のコーナーには、IBM製の量子コンピューターの模型を展示。非常に大きいが大半は冷却装置で、約0.01K(ケルビン)という宇宙よりも冷たい温度でないと演算ができないとのこと。ソフトバンクは自社で量子コンピューターを開発するのではなく、量子コンピューターを活用する技術の研究開発を進めているとのこと。

 量子コンピューターは2030年代に本格的な実用化が想定されているが、悪用されると従来の暗号アルゴリズムでは簡単に解読されてしまう。そのため、量子コンピューター時代の到来に備えて、より強固なセキュリティー技術の開発に取り組んでいるのだ。

IBMの量子コンピューターの実物大のモックアップを展示

実際に計算に使われる心臓部は下にある

量子コンピューターは現在のスーパーコンピューターをはるかに上回る計算能力を持つ。そのため、新たなセキュリティー技術が必要になる

 なお、今回の「ギジュツノチカラ ADVANCED TECH SHOW 2023」に展示されていた技術の詳しい内容については、下記の先端技術研究所の公式ウェブサイトに紹介されている。

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