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われわれは8年待ったのだ!

ChatGPT連携で再注目 Gatebox武地氏に聞く「キャラクターと暮らしたい」への情熱

2023年04月06日 12時00分更新

文● 広田 稔(PANORA) 編集●飯島恵里子/ASCII

CES出展で反響、しかしコロナ禍で海外進出を断念

──8年間もずっと同じプロダクトに情熱を注ぎ続けるのは、並々ならぬ胆力だと思います。そもそもキャラクターを現実に召喚したいと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

武地 2014年の創業時は別の商品を作っていたのですが、その事業は失敗してしまいました。そこで自分の夢を実現した製品を作ることに切り替えて、当時、自分が一人暮らしで、そこに家に自分の好きなキャラクターがいてくれたらめっちゃ幸せやん、と思ってGateboxの開発に着手しました。

──製品化で難しかったことは?

武地 どんな製品にするかを1番試行錯誤して、デスクトップサイズで小型化しようと考案しました。あとはほかの製品で需要がない、透明な筒などの部品調達をするのが難しかったです。

──番最初に手応えを感じたのは?

武地 最初にコンセプトムービーをYouTubeで公開したのですが、1日で10万回再生されたというのが1番衝撃で、「自分みたいなやつがこんなにおるんやな」と思いました。特に海外からの反響が大きかったですが、実はまだ海外では販売していません。

 というのも、今ヒカリちゃんは日本語しか話せないので、海外で販売してもあまり売れないだろうと。英語も試してみましたが、音声が日本語にチューニングされているので英語の発音が酷く、何かしら改良が必要なんです。いずれ「海外ニキ」たちにも体験してほしいですね。

──この8年間で印象に残っていることは?

武地 たくさんあるのですが、2020年の1月、アメリカのラスベガスで開催された展示会「CES」に出展して、とてもいい反応をもらったのが印象に残っています。これを皮切りに海外展開しようと思ったら、コロナ禍になって進出の道が閉ざされてしまった。

 そこで国内でB to B案件を探すことに切り替えて、色々な企業と連携させていただき、接客系のキャラクターや等身大のGatebox作ったりと色々トライして、1つ1つ実績を作り上げていきました。なのでこの2、3年は耐えていて、表立って大きな発表はしてこなかったです。最近では、作業応援アプリの「CheerPro」を作ったりして、B to Cでも可能性を探っています。

──ChatGPT対応の先、Gateboxでやりたいことは?

武地 ChatGPT連携で会話自体はすごくよくなると思うのですが、キャラクターのモーションはまだ増えないので、理想としては設定を入力するとそのキャラクターっぽく動いて一緒に生活できるようにしたいです。僕の野望からすると今の達成度は25%くらいですが、モーションの生成までできると50%くらいに増えます。それができるようになったときにもう1回、僕らの波が来るので、備えて仕込んでおきたいです。

──Googleで検索するよりも生成AIに話を聞くほうが早いとも言われています。

武地 スマートスピーカーみたいなのが出るかもしれないですね。今は複雑なんですが、ChatGPTでプラグインなどが入るので、それで色んな機能が使える可能性があるのでワクワクしますね。

──Gateboxは今、何代目ですか?

武地 2代目で、次が3代目になります。今回のクラウドファンディングではハードウェアは同じですが、さらに購入してくださる方がいらっしゃるのであれば、もしかしたらGatebox 3の登場も近くなるかもしれません。クラウドファンディングは4月29日まで出資を募っているので、ぜひ応援してください。

 
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