ごきげんよう、アスキーの食べる担当、ナベコです。寒い中にも春の兆しを感じ始めた先月の後半、こんなお誘いをいただきました。
「料理の鉄人で一世を風靡した92歳のYouTuber道場六三郎が
2月23日に新店をオープンします
その場所はスーパーマーケット『ロピアのレジ裏です
銀座に構える『銀座ろくさん亭』の元料理長が店主を務めます」
道場六三郎さんといえば、みなさんご存じの超有名な料理人。かつてフジテレビ系列の人気番組「料理の鉄人」で初代「和の鉄人」として登場されていました。氏のこだわりの和食が楽しめる「銀座ろくさん亭」は高級ではありますが個人的にも一度は訪れてみたい憧れの店です。
現在は御年92才でYouTubeでの情報発信もされているとか。そんな道場さんが関わる新店とは……。え、スーパーマーケット?
興味が湧かずにいられません。場所は松戸(千葉県)。オープンの機会に訪れてまいりました。
銀座ろくさん亭と比較して50%~70%の予算
リーズナブルな「懐食みちば」
道場六三郎事務所が手掛ける新店「懐食みちば」は千葉県松戸市に2月23日にオープン。JR松戸駅から西口から徒歩5分ほどにある商業施設「KITEMITE MATSUDO」内にある地下スーパー「ロピア」の奥にあります。
レジカウンターが並ぶ奥のほうへ尽き進んでいくと……。重厚な扉の向こうにシックな和の空間が広がっているではないですか。
懐食みちばの店主は銀座ろくさん亭元料理長の一ノ谷浩司さん。店主だけではなく、道場さんの愛弟子の料理人たちが厨房内で多数活躍されます。
料理人の技法により“旬のいい食材”の味を引き出した季節ごとのことわりの和食を届け。ランチ3300円、ディナー1万890円の季節のコースを昼夜1種類ずつ用意(当面はコースのみ)。
ポイントとしては、いい食材を当然厳選するけれど、必ずしも“最高級”にこだわらない点。手の届き安いお店にするために、職人の技を中心としたコンセプトになっています。
それでも日常遣いするには安くありませんが、銀座ろくさん亭と比較すると50%~70%とリーズナブルな設定です。特にランチはお値打ちに感じます(銀座ろくさん亭では、ランチコースは1万2100円、お膳仕立てのランチは5500円~)。
オープンの背景には、アスキーグルメ的に親しみがわくエピソードも。道場六三郎事務所の代表取締役を務める伊藤永さんは、もともと、とんかつの「かつや」などを展開するアークランドサービスホールディングスの取締役社長を務めてらっしゃいました。かつやはアスキーグルメでいくたびも話題にしています!
懐食みちばの発端になったのは“かぼちゃの煮物”。伊藤さんと道場さんがお話をされる機会に、たまたま道場さんがかぼちゃの煮物をタッパーに持参していて(家庭的)、伊藤さんにお裾分けしたそうです。お店用のでもなければ、特に高級な食材を使用したわけではないかぼちゃの煮物。それが道場さんの手にかかると驚くほどおいしかったとか(そのかぼちゃを食べてみたい)!
「ありふれた食材でも料理人の手で味を引き出すことで、素晴らしくおいしくなる」そんな発見と、かつやで培った「多くの人においしいものを楽しんでもらいたい」という想いがリンクし、そこから、道場六三郎さん直伝の技と味をもっと身近で気軽に食べられる「懐食みちば」の出店が決まりました。
3300円のランチコースを食べてきた
お披露目会では、3300円のランチコースをいただいてきました。春のランチコースの献立は、こんな感じ。
<春の昼席御献立>
まずは一献 心の出汁
前菜 三種
・蝦夷あわび柔らか煮 みちば秘伝だれ
・春のお浸し 酒盗の香り
・クリームチーズ黄金焼き 酒粕と白味噌に一週間
御膳盛り
・温々 桜鯛松前蒸し 愛媛の鯛、昆布の旨み
・高温 窯焼き 朝びき新鮮どり 二種みそ
・軽く和えて 活〆魚さらだ仕立て特製トリュフドレ
・御食事 季節の釜めし
まずはそのまま 命の出汁で茶漬けにも
・水菓子 杏子のお酒でフルーツゼリー寄せヨーグルトソース
まず提供されるのは「心の出汁」です。
和食の基本である“お出汁”が引き立ての温かい状態でいただけます。毎朝、築地の老舗・松村から仕入れた削り立ての鰹節と、天然の利尻昆布を使用し、道場流の出汁のとり方で旨みを抽出した心のこもったお出汁。
心の出汁はディナーメニューでも最初の一品目で提供されるそうです。
道場流の技巧が詰まった前菜三種。
クリームチーズ黄金焼(西京焼き)は銀座ろくさん亭でも人気。今でこそ、和食とチーズの組み合わせはありそうですが、かつては非常に斬新で驚かれたそうです。道場さんならではの自由な発想で生まれた至高の一品。
春のおひたしに散らされている黄色い粒は「酒盗香煎」。かつおの酒盗と卵を混ぜて煎ったもので、非常に手間がかかるとか。こちらも銀座ろくさん亭の料理で使用されています。
蝦夷あわびはあまりの柔らかさにびっくりしました!
さて、メインの御膳盛りです。
懐石みちばでは、新たな試みとして石窯を使った「焼き」をメインに据えています。フランスから取り寄せた最高温度700度に達する石窯は客席からも見られます。ランチでは、朝びきの新鮮鶏のを高温で焼き上げて旨みをギュッととじこめて提供。
朝びき新鮮どりの窯焼きは、特製の二種類の味噌でいただけます。プリッとした弾力があって、めちゃくちゃジューシー。さすが新鮮な鶏は違う。
なんとこの朝びきの新鮮鶏はロピアでも販売されているもの。朝びき、つまり朝しめたばかりの鶏肉は、新鮮さにこだわったロピアの自信商品だとか。
懐食みちばでは、こうやって食材によってはロピアとも連携しているのがおもしろいところ。もちろん、銀座ろくさん亭と同じ仕入れ先からの食材入荷や、豊洲からの直接の買い付けも行なっています。
なお、夜のコースでは和牛モモ肉の窯焼きを提供。モモ肉の赤身の旨味を最大限に引き出して焼き上げてくれるそうです。
お楽しみの釜めしも。この日はあさりとごぼうの釜めしでした。エンドウ豆が彩りとなって美しいです。いただいてみると山椒の香りなど複雑な香味も感じられて、いろいろな素材の味が詰まっていました。
心の出汁も一緒に添えてくれます。最後は、薬味を加えて出汁茶漬けとしていただけます。最後の出汁の一滴、最後のご飯の一粒まで楽しめる!
ちなみに、夜は釜めしの内容を選べるようで、特に自信作という三年間糠漬けにした鯖を使用した「糠鯖茶漬け」も選べます。そちらも気になる!
デザートは、フルーツをたくさん使用したゼリーにヨーグルトが添えられていました。釜めしがたっぷりごはん2膳分くらいあって、たくさんいただいたのにさっぱりとした清涼感で締めくくれます。
すでに先まで予約が埋まっている
コースの内容を振り返ると、メインは鶏肉で、すっごい高級食材とか、珍しい食材とかが含まれているわけではないけれど、ひとつひとつがとても手が込んでいて、掛けがえのない“お料理”一品一品との出会いでした。最初に「心の出汁」を出された瞬間から道場さんのワールドに連れていかれます。
そんな、懐食みちばは公式サイトから予約できますが、すでに先々まで予約が埋まっております。特にランチタイムが人気。ひえ~。
直近での来訪は難しいかもしれませんが、少し先の予定でひとつ。電話で問い合わせるとキャンセル分などもわかるかもしれませんよ。
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店名:懐食みちば
住所:千葉県松戸市松戸1307-1(KITEMITE MATSUDO内 B1F)
営業時間:(ランチ) 11:00~15:00/ (ディナー) 17:00~21:00 ※営業時間は変動する可能性あり
定休日:毎週月曜日
https://michiba.com/kaishoku/
ナベコ
酒好きライター、編集者。酒活動しています。「TVチャンピオン極~KIWAMI~ せんべろ女王決定戦」に参戦するなど。ホットカーペットが気持ちよすぎて床で寝おちして朝陽で気が付く日々。せっかく年始におろしたパジャマを着ないと……。
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