日本マイクロソフトは2月28日、新たにAIを搭載した検索エンジン「Microsoft Bing」に関して、どのような開発を行なったかを紹介する記事「新しいBingの構築にあたって」を公開した。
米Microsoftの記事"Building the New Bing"の抄訳で、AI(ディープラーニングモデル)を活用することでどのように利便性を高めるかを目指しているかを紹介している。大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)の技術的進歩とBingのバックエンドパワーと組み合わせる技術では、独自の「Prometheus」技術を開発。BingとGPTの能力を活用してユーザーのクエリーに対して正確で豊富な回答を数ミリ秒以内に提供することを目指したという。
また、フィードバックをもとに不正確な情報を減らすことや攻撃的で有害なコンテンツを防ぐといった工夫も盛り込んでおり、公開から最初の2週間で実際のユーザーから学んだことの方が、数ヵ月間研究室で学んだことよりはるかに多いという。さらに、チャットのセッションがとても長くなると、ベースとなるチャットモデルが混乱して答えの精度が低下したり意図しない口調になったりすることいったことも公開後に発見され、チャット体験に対話回数の制限を設けるなどをしたという。
このほか、AI技術をBingに組み込む際、従来の検索のような問いと答えを提示するのか、会話型アプローチを進めるのかという問題に対し、実際に試したところ、従来の検索モードでパフォーマンスが高まるクエリーもあれば会話型やチャットモードでより良い結果を出すクエリーもあったという。これを受けてBing検索サービスでは、ユーザーの意図や好みに応じて検索モードとチャットモードをスムーズに切り替えるように新たなユーザーインターフェースを開発したという。
AIベースの検索はこれまでの検索は違うものになるとしており、新しいBingに統合されただけでなく今後も改良が続けられ、また今後も同種の情報提供を続けるとしている。
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