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獅子舞は常識、還暦祝いも結婚式もこんなに違う! 横浜中華街は愛すべき村社会⁉ 

 さぁ、いよいよ始まりましたね、2023年‼ 今年もゆるゆるとこのコラムを続けて行きたいと思っていますので、皆さん、今年もおつきあいのほど、よろしくお願いします。

 皆さんは今年一年を、どんな年にしたいですか?

 僕は「ゆとりのある一年にする」って思っています。(←毎年、言っていて出来たことないヤツ)

 横浜中華街はムラ社会だと、しばしば耳にすることがあります。よそ者を受け入れないような空気があるのでしょうか? それとも、排他的なところがあるのでしょうか?

 皆さんはどう思われますか?

 僕は全然そんなことないと思っているのですが、先日「やっぱり横浜中華街はムラ社会かも!」と、思えるような出来事がありました。先日、横浜中華街である方の還暦祝いのパーティに呼んでいただきました。還暦祝いの席にお招きいただくことって、僕、初めてではありません。

 でも、横浜中華街のそれは全然違うんです‼

 今回はそんなお祝いの席での出来事についてご紹介させてもらいたいと思います。

 親戚の方々や横浜中華街の仲間たちに混じって、僕も呼んでいただきました。で、当然のように獅子舞が出るわけなんです。お祝いごとでは当たり前のように獅子舞が登場します。 もちろん世間一般からして当たり前のことではないと思うんですけど、これって横浜中華街にいると慣れっこになっていたりしますが、何が驚いたって、その場に客として呼ばれている人たちが代わる代わる獅子の中に入ったり、太鼓やシンバルを叩いたりするんです。

 かなり年配の方まで「次は俺の番だ」と言わんばかりにビールジョッキを飲み干し、テーブルに叩きつけた後、後輩から奪うように獅子に入り、激しく踊り始めます。中華獅子って頭とお尻の二人でセットなのですが、そのコンビは大体、学生の頃から変わらないことが多いんだそうです。

 ちなみに口とか目の瞬きは前(頭)の人、お尻の尻尾は後ろの人が動かしています。動いているところを見ると、本当に生きている動物のように愛らしく見えたり、凛々しく見えたりするから不思議です。

 そのうち盛り上がってきて、獅子をやってない人たちが還暦のお二人を肩車で担ぎ上げて、肩車のまま獅子隊チームと一緒に店内から外にまで出てミニパレード(笑)! 道行く人からも「今日は何かのイベント何ですか?」と聞かれたりしました。

 こんな還暦のお祝いって見たことありますか? 血が繋がってない人たちですよ。しかも、在籍した学校やそれぞれファミリーの同郷も違う人たち。それが自分の家族のように一緒にお祝いして喜んで、酒を飲み交わす。本当に「中華街っていいよなー」って思います。

 余談ですが、今回還暦を迎えた方の息子さんの結婚式にお招きいただいた時も独特でした。獅子舞が出てきてお祝いをするくらいはまぁ、想像がつくのですが、新郎自らが獅子に入って踊っているんです。これには驚きました。

 そして、乾杯をするする‼ テーブルで隣になった方が、めちゃめちゃ酒が強いこともあって、乾杯ラッシュでなかなかグラスを置かせてくれません(笑)‼ どこを見みてもだいたい似たような感じです。スピーチをする方たちも全員酔っ払っている。それを見て笑ってまた酒を飲む。結婚式で、そんなに派手に酒飲みますかね⁉

 また、お色直しの時も印象的でした。大抵、新郎新婦のお色直しの時には、それぞれの幼少期の写真とか映像で流れるじゃないですか? あの時間って、正直言ってあんまりじっくり見ている人は少ないですよね。あのタイミングで同じテーブルになった人と話をしたり、席を立って久しぶりに会った同級生なんかと挨拶することが多かったりしませんか?

 ところがその時間にほとんどが誰も席を立たず、スクリーンに映し出された昔の写真を食い入るように見ています。次々映し出される新郎の小さい頃の写真。それを見て「覚えている、覚えている、この時!!」「あの時は、〇〇だったよねー」と、あちこちから笑い声。その笑い声が、写真が変わっていくうちにだんだん静かになって行き、今度は鼻をすする音に変わって行きます。周りを見渡すと、なんと皆が泣いているんです‼

 さっきまで乾杯攻撃で僕を潰そうとした体育会系の強面のにーちゃんまでもが、顔をくしゃくしゃにして泣いているんです。何度も言いますけど、ほとんどの人たちが血が繋がっているわけでもないんですよ。「よかったねー、本当に良かった!」と泣いているんです。気がついたら、僕も頬が濡れていました。身内の結婚式だって泣いたことなかったのに。

 この街で、〇〇派だとかどこどこ省出身だとか政治的イデオロギーの違いを言う人もいます。でもそれは小さな町の中の話。この街で一つの家族なんだなと思います。小さな争いは兄弟げんかのようなもの。その前にそれぞれが助け合い、同じことを喜び、涙をする、愛すべき村社会なんじゃないかな、と思います。関係性が希薄になりつつある現代において、必要なのは本来の人間的なコミュニケーションである村社会的なコミュニケーションなんじゃないでしょうか?

 こんな街で商売をさせてもらっていること、そしてこの村の仲間に僕も入れさせていただいていることを誇りに思います。

 そんな横浜中華街の中でも一番大きなお祭りがやってきます‼

 そう、春節です‼

 今年は3年ぶりのリアルなイベントもあります。長い間、リアルのイベントは開催できなかったので、本当に待ち望んだ春節です。獅子舞や龍舞もあります‼ この町の英雄たちの勇姿、そして祭を通じて深まる絆を見にきてください。しかも、春節の時期は縁起がよくおい味しいものがたくさん登場します。

 昨年、大好評だった横浜のあちこちの町や施設に置かれたランタンオブジェを巡るスタンプラリー、今年はさらにエリアを広げて開催ます‼ また10万円相当の旅行券など、ハズレなしのお福引「紅包くじ」も開催されます。ぜひ一緒にお祝いをしましょう‼

 イベントスケジュールはココから見ることができます。

 さてさて、お待ちかねボス飯コーナーです。

 今回は上記で紹介したミリンさんとその息子のオーケンのお店「上海豫園」をご紹介します。小籠包の名店です。ここの小籠包は本当においしいんです!

 小籠包のおいしさのチェックポイントは二つあります。

1.皮が薄いこと。薄すぎるとスープがこぼれちゃいますし、厚すぎると歯ざわりがよくありません。もちろん生地は手作りですが、均一に生地厚さを均一にするにはテクニックが必要です。
2.中のスープがたっぷり。旨味たっぷりの小籠包の味の決め手です。スープをたくさん入れると言うのは、実は結構難しんですよね。熱々のスープは火傷注意ですよ!

 小籠包を置いている店は横浜中華街にたくさんありますが、小籠包を食べたい時に僕が行くのお店の一つです。また、ランチだと小籠包が2個付いてくるんです!!(写真は二人分で4つ入ってます)。

 週替わりでランチメニューは変わります。この日、僕は高菜ソバを頼みました。高菜ソバは上海料理なんですよね。塩味でさっぱりしておいしかったです。小籠包2個とデザートも付け合わせもついて880円(平日のみ)。めちゃめちゃお得です‼ よかったら行ってみてください‼

 以前の記事でもお話しましたが、横浜中華街って結構下町でコミュニティの絆が強いんですよね。

◆店舗DATA
店名:上海豫園
住所:横浜市中区山下町166【中山路】
電話:045- 212-5087
営業時間:11:00~20:30(LO 20:00)
※現在新型コロナウィルスの影響のため営業時間に変動あります。
事前にお電話にて直接お問合せ。
休み:不定休
公式サイト:https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140105/14003066/

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文/石河 陽一郎

 いしかわ よういちろう。1972年生まれ。株式会社ロウロウ・ジャパン代表取締役・総合プロデューサー。横浜中華街発展会協同組合副理事長。茅ヶ崎出身、横浜市在住。幼少期をシンガポールで過ごす。趣味はシステマ、焚き火。

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