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G-Master Hydro X670A Extremeをレビュー

Ryzen 9 7950X&RTX 3080 Tiのダブル水冷PCはファン11基でも静か!?

2022年11月30日 11時00分更新

前世代のRyzenから性能が大幅向上

 ここからは定番ベンチマークソフトを使って、G-Master Hydro X670A Extremeの性能を見ていこう。まずはCGレンダリング速度からCPUの性能を計測する「CINEBENCH R23」だ。CGレンダリングはマルチスレッド処理に向いた用途のため、コア数が多ければ多いほどリニアに性能が上がりやすい。

 そして、CPU以外の影響が小さいため、純粋にCPUの最大性能を比べたい場合に重宝するベンチマークソフトだ。「pts」という単位の独自スコアーが算出され、この値が高ければ高いほど高性能ということになる。

 テストはすべての論理コアを使用する「Multi Core」と、1つだけ使用する「Single Core」の2つを試した。なお、テスト時間はデフォルトの10分のまま行っている。

CINEBENCH R23の結果

 Multi Coreテストが37826ptsで、Single Coreテストが2063ptsだった。このスコアーがどのくらいの性能に値するのかわかりにくいので、加藤勝明氏のCPUレビュー記事「Zen 4で性能は別次元の領域に到達!?「Ryzen 7000シリーズ」全モデルレビュー【概要+基本ベンチ編】」の結果と見比べてみよう。

 同じ16コア/32スレッドの前世代CPU「Ryzen 9 5950X」のMulti Coreテストの結果は24431pts。つまり、本機のRyzen 9 7950Xはなんと1.5倍以上のスコアーをたたき出したことになる。また、Single CoreテストのスコアーもRyzen 9 5950Xの1609ptsから約1.28倍に上昇していた。

 つまり、Ryzen 7000シリーズの性能は前世代から飛躍的に上がっていることがわかった。特に従来、競合のインテルCPUに大きく水をあけられていた、シングルスレッド性能の向上に目を見張る。ゲームではシングルスレッド性能が重要になることが多いだけに、ゲーマーも注目の結果と言える。

 「PCMark 10」も試してみよう。CINEBENCH R23と違ってCPUだけではなく、ストレージやメモリー、グラフィックなど、PC全体の総合性能をチェックするベンチマークソフトだ。

 総合スコアーのほか、ブラウザーやビデオ会議といったものを扱う「Essentials」、表計算やワープロなどのオフィスソフトを中心にした「Productivity」、動画や写真編集といったクリエイティブ用途の「Digital Content Creation」という、3つのサブスコアーも掲載する。

PCMark 10の結果

 総合スコアー9860はかなり優秀だ。さすがRyzen 9 7950XとGeForce RTX 3080 Tiを搭載しているだけのことはある。サブスコアーもかなり高く、特にCPUとビデオカードの性能が大きく影響する、Digital Content Creationのスコアーが目立っている印象だ。

 ところで、G-Master Hydro X670A Extremeで採用しているCPUクーラーのCelsius S36は、PCから制御する「PWM」、自動で冷却と静音のバランスをとる「AUTO」という2つのモードが選べる。先のベンチマークテストでは「PWM」モードで試していたこともあり、性能は高いものの、騒音もやや大きめだった。

 では、このモードを「AUTO」に切り替えた場合、性能はどのくらい変わるのだろうか。まずはCINEBENCH R23でその変化をチェックしてみた。

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