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生産開始されたばかりの新型クラウン(クロスオーバー)をほんのちょっと街乗り!

2022年10月30日 12時00分更新

新型クラウンならではの視線の高さ
クラウンの血統を引き継ぐ高級なインテリア

 では、実際に走らせてみるとどうであったのか?

 ちなみに、試乗は代官山から渋谷の街中をグルリと20分ほどという、わずかな時間でした。高速道路もありませんから、まさに街乗りそのもの。限られた時間内でのレポートとなります。

 まず、新型「クラウン」ならでは、というポイントから。乗り込んですぐに気づいたのは視線の高さ。セダン以上でありながら、ミニバンや本格SUV以下という絶妙さ。新型「クラウン」の寸法は全長4930×全幅1840×全高1540mm。立体駐車場に多い制限である1550mm以下に抑えつつも、全幅は1800mmを超えました。とはいえ、狭い駐車場での取り回しに苦労することもありません。やはり目線が高いというのは運転のしやすさに直結しています。また、後輪を操舵するDRS(ダイナミックリヤステアリング)も取り回し向上に貢献しているのでしょう。ちなみに最小回転半径は5.4mです。

 インテリアは、トヨタ最高級も納得の質感の高さです。シフトノブ周りは、最新のレクサスNXを思わせるデザイン。メーターやセンターディスプレイも大きく、今どきのモダンさを感じせてくれます。

 ゆっくりと走り出せば、その加速はスムーズで静か。あまりエンジンの存在を感じさせません。荒れた路面からの衝撃も、上手にいなしており、乗り心地も上々。全体にどっしりとしており、ゆったりとした気分になります。

 パワートレインについては、街中を流れに乗って走る限りは、スムーズそのもの。変速やクラッチ作動の違和感や不快感はありません。システム最高出力が300PSを超える高性能車といった神経質さもなく、イージーそのもの。ただし、ステアリングにはパドルシフトがあって、瞬時の加速のためにシフトダウンも可能です。また、ドライブモードのスイッチがあり、スポーツやスポーツ+に変更できます。

 ただし、今回は街中だったこともあり、スポーツ+にしたからといって、変化の違いはそれほど大きいものではありませんでした。快適でスムーズな走りをベースに、ちょっとスポーティー度をプラスする程度でしょうか。

【まとめ】新型クラウンは肩肘張らずに
街中を気軽に流せる安心感がある

 今回の試乗は短時間であったし、混雑する街中というルートでした。クルマの性能すべてを引き出せるわけではありません。本当にごく一部、表面に触れただけとも言えるでしょう。

 それでも、新型「クラウン」の持つ、どっしりとした安定感と乗り心地の良さを感じることはできました。そして、その印象こそ、個人的にあった古い「クラウン」に近いもの。上質なインテリアに、快適な乗り心地と落ち着いた動き。これこそ、個人的な「クラウン」像です。

 特に今回はシステム最高出力300PS を超える「RS“Advanced”」でしたが、街中を走る限りは、肩ひじ張らない、ゆったりとした雰囲気を感じ取ることができたのです。新型「クラウン」は、クロスオーバーとなって、見た目は相当に変化したけれど、乗った後の印象は意外にこれまでの記憶に近い。それが今回の発見でした。

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筆者紹介:鈴木ケンイチ

 

 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

 最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。


 
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