オンライン授業経験有無で大きな差。低学年に傾向が顕著
昔は1文字に1分以上かかる子も――コロナ禍で子どものキーボード入力が上達
オンライン授業の経験有無でパソコン入力スキルに差
コロナ禍ではオンライン授業が多数実施されたが、子どもたちにどのような効果があったのだろうか。NTTドコモモバイル社会研究所の「2021年親と子の調査」(2021年11月)を見てみよう。
オンライン授業が増え、多くの小中学生がタブレットやパソコンに触れるようになった。その結果、パソコンでキーボード入力ができる割合は大きく伸びている。親が回答したもので、10秒間に5文字以上打てる割合を指す。
さらにパソコンでの文字入力スキルをオンライン授業の経験有無別に見ると、大きな差が生まれている。特に小学低学年ではその差が大きく、36ポイントもの差が開いている。
オンライン授業では、パスワードを自分で入力したり、キーボードを使ってチャットをしたりといったやり取りもある。普段からパソコンやタブレットに触れる機会を持つことで上達したと考えられるのだ。
1文字入力に分単位かかっていた時代も
GIGAスクール構想で1人1台端末となり、オンライン授業が実施されるようになる前、小学生のパソコンの入力スキルは非常に低かった。
子どもたちを見ていると、ローマ字入力に慣れていないため、キーの場所がまったくわからず、探すだけで時間がかかっていた。目的のキーを見つけるまでに分単位でかかる子もいたほどだ。そのため、キーボードを打たせることは考えずに授業を組み立てるようにしていた。
その時代から考えると、今の子どもたちの入力スキルは驚くほど高い。今後、ICTスキルはさらに高くなっていくだろう。ただし、リアルな体験が減ったり、ほかのことができなくなってしまっては本末転倒だ。子どもたちがバランス良く能力を伸ばしていくことを期待したい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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