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Twitterの「就活垢」で何を探る?

大学生の60%はSNSで就活情報を収集。ナビサイトには掲載されない本音が知りたい

2022年10月18日 09時00分更新

就職活動においてSNSで情報収集することはありますか?

就活生の6割はSNSで就活情報収集

 今どきの就活生は、どのように情報収集しているのだろうか。No Companyの「Z世代就活生のSNS活用に関する実態調査」(2022年9月)を見ていこう。

 就職活動の情報収集では、就活情報ナビサイトや就活関連の書籍、友人・知人・先輩からの口コミなどが活用されている。同調査で就職活動においてSNSで情報収集することがあるか聞いたところ、57.2%が「ある」と回答した。今どきの就活生は、SNSも就活の情報収集に活用しているのだ。

企業に対して、どのSNSやメディアで就活関連の情報を発信してほしいですか?

就活情報ナビサイトではわからない情報が欲しい

 さらに、企業に対してどのSNSやメディアで就活情報を発信してほしいか聞いたところ、1位はTwitter(63.1%)、続いてYouTube(47.5%)、Instagram(44.1%)となった。

 就活情報ナビサイトは、主に募集要項や採用スケジュールなどの必須情報のチェックとエントリーを目的として利用されている。そして就活生は、ナビサイトでは得られない情報を求めてSNSを利用しているのだ。

 企業に対して、オンライン上でどのような情報を発信して欲しいか聞いたところ、「1日の仕事の流れ」が最多の57.9%に。続いて「福利厚生」(46.4%)、「社内の人間関係」(45.3%)、「採用/不採用の基準とその理由」(42.3%)、「実際の勤務時間・残業時間」(42.1%)などとなった。

 福利厚生を除くと、上位5つは企業の採用サイトの募集要項や就活情報ナビサイトにはあまり掲載されることがない情報ばかり。企業のリアルな姿を知りたいと考える学生がSNSから情報を得ようとしていると考えられるのだ。

 SNSで仕事内容や働き方、社風などに関する情報を見て企業に興味を抱いた経験があるか聞いたところ、45.5%が「ある」と回答している。

 最近は、Twitterでは就活用に「就活垢」を作る学生が増えているようだ。大学生になったら大学垢、勉強をするために勉強垢、就活用に就活垢を作って、気になる情報を発信している相手をフォローしたり、情報交換したりするのだ。

 「SNSでは本音が見えるし人柄もわかる。社長と直接やり取りできたり、社員さんたちの働いている姿も見える。入社した後がイメージしやすいし、自分と合いそうかどうかも判断できる」と、大学生は言う。

 企業は就活生たちの求める情報を投稿することで、アピールや採用につなげることもできそうだ。興味があるところはぜひうまく活用してほしい。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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