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ついに登場した「Pixel 7」は最新チップとAI技術でカメラが一層進化

2022年10月13日 02時00分更新

フロントカメラが進化し顔認証がついに復活

 一方のフロントカメラは1080万画素/F値2.2と、800万画素だったPixle 6より強化がなされている。こちらに関してもいくつかの新機能が搭載されており、その1つが「ガイド付き自撮り」である。

 これは音とバイブレーションで顔がフレームに収まったことを伝え、自動的に撮影してくれる機能。目が見えにくい人が自分撮りをするための補助機能なので、利用するには「TalkBack」の設定をオンにする必要があるのだが、使ってみると意外と便利なだけに、カメラの標準機能として提供してもよかったのでは、と感じた。

目が見えにくい人が自撮りをしやすくする「ガイド付き自撮り」機能。画面上のフレームと音、振動で顔が正しく入っていることを伝え、シャッターも自動的に切ってくれる

 そしてもう1つ、撮影用ではないがフロントカメラを用いた新機能となるのが顔認証への対応だ。

 顔認証は「Pixel 4」シリーズで一度採用されたものの、それ以降はフロントカメラのシンプル化に伴いなくなっていただけに、久しぶりの対応はうれしいところ。顔認証に用いるのはあくまで通常のフロントカメラだが、AI技術の活用によって通常の2次元での顔認証よりも高いセキュリティーを保てるようだ。

フロントカメラとAI技術を用いて顔認証にも対応

 ただ指紋認証と比べればセキュリティーは落ちるため、顔認証はあくまで画面ロックの解除用となっているし、マスクをした状態、要は口や鼻を隠した状態での認証には対応していない。「Google Pay」などを使いたい人や、マスクをした状態で生体認証を使いたい人は指紋認証が必須な点に注意したい。

CPU・GPUの性能はそこまで向上していない?

 最後に、カメラ以外の性能面について確認してみよう。Pixel 7は先にも触れた通り、チップセットにグーグルの最新チップとなる「Google Tensor G2」を採用。メモリーは8GB、ストレージは128GBまたは256GB(モデルによって異なる)となっている。

 気になる実力をゲームで確認してみたところ、「PUBG MOBILE」ではグラフィックのクオリティーを「FHD」まで上げることができた一方、「原神」のデフォルト設定は「低」となっていた。ちなみに1つ前の「Tensor」を搭載した「Pixel 6a」では前者が1つ下の「HD」まで、後者が1つ上の「中」となっていた。

「PUBG MOBILE」の画面設定はクオリティが「FHD」、フレーム設定が「ウルトラ」までと、最近のハイエンドモデル並みの設定が可能だ

一方で「原神」のグラフィック設定を確認するとデフォルトでは他のハイエンドモデルより低い「低」となっている

 それゆえCPU・GPUに関しては劇的な性能向上がなされているわけではないようで、クアルコムのハイエンド向けチップセット「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載した機種と比べれば性能はやや抑えめと見るべきだろう。ただ、それでもベースの性能は高いのでAAAクラスのゲームプレイは割と快適だし、ディスプレーのリフレッシュレートは90Hzと、こちらはPixel 6と共通しているので表示もある程度滑らかだ。

 バッテリー容量は4355mAhで、このサイズのスマートフォンとしては標準的。最大30Wの急速充電に対応するほか、Qiによるワイヤレス充電にも対応しているのはうれしい。

 モバイル通信に関しては従来のPixelシリーズを踏襲しており、SIMはeSIMと物理SIMのデュアルSIM構造で、5Gにも対応。ただしドコモの4.5GHz帯(バンドn79)にも変わらず非対応であるほか、上位モデルの「Pixel 7 Pro」とは違ってミリ波に対応していない点にも注意が必要だろう。

SIMスロットは物理SIM(nanoSIM)が1つだが、eSIMも搭載しているのでデュアルSIMでの運用が可能だ

 ただいわゆる“日本仕様”はしっかりカバーしており、IP68の防水・防塵性能とFeliCaには継続して対応している。現在では、特にFeliCaに関しては搭載されていないスマートフォンの方が少なくなりつつあるが、日本仕様をしっかりカバーしている点にはやはり安心感がある。

【まとめ】満足度は高いがドコモユーザーに残念な点が

 独自チップセットを初めて搭載したPixel 6が市場に大きなインパクトを与えたことを考えると、Pixel 7は正当進化モデルというべき内容で、とりわけハード面では大きなインパクトがなかったというのも正直なところではある。ただ、進化したチップセットを有効活用したAI機能が一層強化され、より利便性の高いスマートフォンとなっていることは確かだろう。

 しかも円安の最中にあって、米国での価格が599ドル(税抜)ながら、日本では税込で8万2500円からと安めに設定されているのもポイントが高い。ゲーミングという側面で見た場合、Tensor搭載機種と性能が大きく変わらないように感じるのがやや惜しいのだが、ハイエンドモデルを安価に購入したいドコモ回線以外の利用者には、非常にマッチした選択肢となりそうだ。

 一方でドコモやそのMVNOのユーザーのことを考えると、今回もn79に対応しなかったというのが非常に悔やまれる。n79に対応していないとドコモ回線の利用者は5Gで大きな制約を受けてしまうだけに、グーグルが日本市場に力を入れるというのであれば、次のモデルでぜひ対応を期待したい。

  Pixel 7 Pixel 7
Pro(参考)
価格 8万2500円
(128GB)
9万7900円
(256GB)
12万4300円
(128GB)
13万9700円
(256GB)
ディスプレー 6.3型有機EL
(20:9)
90Hz対応
6.7型有機EL
(19.5:9)
120Hz対応
画面解像度 1080×2400 1440×3120
サイズ 73.2×155.6
×8.7mm
76.6×162.9
×8.9mm
重量 197g 212g
CPU Google Tensor G2
内蔵メモリー 8GB 12GB
内蔵ストレージ 128/256GB 128/256/512GB
OS Android 13
5G対応バンド サブ6(n1/2/3
/5/7/8/12/14
/20/25/28/30
/38/40/41/48
/66/71/75
/76/77/78)
サブ6+ミリ波
(n1/2/3/5/7
/8/12/14/20
/25/28/30/38
/40/41/48/66
/71/77/78
/257/258
/260/261)
4G対応バンド 1/2/3/4/5/7/8/12
/13/14/17/18/19/20
/25/26/28/29/30/32
/38/39/40/41/42/46
/48/66/71
無線LAN Wi-Fi 6
FeliCa
カメラ画素数 50メガ
(標準)
+12メガ
(超広角)
/イン10.8メガ
50メガ
(標準)
+12メガ
(超広角)
+48メガ
(光学5倍)
/イン10.8メガ
バッテリー容量 4355mAh 5000mAh
生体認証 ○(画面内指紋+顔)
防水・防塵 ○(IP68)
Qi
SIM nanoSIM+eSIM
USB端子 Type-C
イヤホン端子 ×
カラバリ Lemongrass、Snow、Obsidian Hazel、Snow、Obsidian

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