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グーグル「Pixel 7/7 Pro」円安無視の価格設定と下取り強化、他社と友好関係を維持できるか(石川温)

2022年10月11日 09時00分更新

端末販売で儲けなくてもいいグーグルに
他の端末メーカーが太刀打ちできるのか?

 もうひとつ気がかりなのが、他のAndroidメーカーだ。

 日本メーカーだけでなく、韓国、中国メーカーは円安に逆らえず、日本での価格設定に相当、苦労している。なんとかコストを削減しようと、カメラの数を減らしたり、指紋認証を安価なものにするなど涙ぐましい努力を続けている。

 一方のグーグルは、チップは自分たちで設計し、製造を委託。販路も自分たちで持っている。値段を自由に決められる裁量が多い。

 グーグルの主な収益源は広告であり、ぶっちゃけて言えば端末販売で儲けなくてもいいぐらいだ。純粋に端末販売だけで生きている他の端末メーカーが、グーグルに互角に太刀打ちするのには無理がある。

 グーグルがPixelの価格設定で頑張りすぎると、他のAndroidメーカーが疲弊し、製品を出せなくなることにつながりかねない。将来的に「AndroidはPixelだけ」なんてことになったら、困るのはグーグルのほうだ。

 

 グーグルが下取りを強化するのはユーザーにとっては大歓迎なのだが、あまりやり過ぎるとキャリアや他のメーカーにそっぽを向かれかねない。グーグルとしては、他社と友好な関係を維持しつつ、Pixelのシェアを上げていくという難しい舵取りが求められそうだ。

 

筆者紹介――石川 温

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)、『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

 

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