耳穴のパーソナライズは、高音質化のためだけではない?
実は「AirPods」関連ではもう一つ興味深い話題があった。
それはアップルがイヤフォンの生体認証に関する特許を取得したことである。これはUS特許番号11,438,683「User identification using headphones 」で公開されている。
目的としてはAirPodsをiPhoneのサインインに使用するというよりは、生体認証を用いてAirPodsが持ち主のものであるかどうかを確認するためだ。
これは特許の中で「発明の背景」という項に記述してあるのだが、イヤホンがスマートフォンのアクセサリーであるということは、スマートフォンの情報がイヤホンを通して暴露されてしまう可能性がある。例としてはテキストメッセージの読み上げなどがある。そこで、ユーザーがそのAirPodsを使えるかどうかを生体認証で確認するわけだ。
具体的にはどうやってユーザーの識別をするのだろうか。「Patently Apple」に例が書いてあるのだが、イヤホン装着時に超音波エコーなどを発信し、内蔵マイクで耳穴の個人差を測定。これを生体認証に用いるというものだ。そうすれば心拍測定や指紋認証などの追加センサーが必要がないので、従来製品にも適用ができる。ただし内蔵マイクを使用するのでAirPods Proは必要となるだろう。
これはイヤホンがただ音楽を聞くためのものではなく、すでにIT機器の一部であるということを再認識させてくれるニュースだといえるだろう。
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