キヤノン「EOS R7」を実機も見ずに買ったら、予想以上のスゴさに驚いた!
2022年07月30日 12時00分更新
話題のキヤノンのAPS-C機を
実機を見ずに5月中に注文!
5月24日に発表されたキヤノンのEOS Rシステムとして初めてのAPS-C機となる「EOS R7」。3250万画素でメカシャッター使用時にフォーカス追従で秒間15コマ、電子シャッターで30コマ。4K60p動画が撮影でき、EUとの関税の関係であると言われていた30分縛りもなし。フォーカス精度はこの時点でのEOS R系最高峰のR3のアルゴリズムを搭載。APS-Cフォーマットは焦点距離がフルサイズ機比で1.6倍となるので、この性能は自動車レースなどの動きのあるものを撮影する場合にかなり強い武器となります。そんなAPS-Cとしてはあり得ないほどの高性能を詰め込んだ最新作であるにもかかわらず、ボディー単体価格は20万を切ってくるコスパの良さ。
発売日が6月23日だったので実機に触れるとしても6月7日前後かな? と考えており、実際にこの6月7日前後の時期に実機を触る機会がキヤノンフォトハウス銀座でありました。こういった機会に実機を見てから買おうというのが普通の感覚ではあると思うのですが、最近のキヤノンの新型カメラは実機を見てからだと大体が3ヵ月待ち、ひどいと半年待ちという場合もあります。
というわけで、5月28日に実機を見ることなく注文を入れてしまうという暴挙に出てしまったのです。
そして6月下旬、手元にやって来たEOS R7。様々なカメラ系サイトではすでにレビューが載っていますので、そういったサイトではあまり取り上げられていないことを重点に書いていきます。
大幅に変わった操作系
ダイヤルとジョイスティックが同軸で使いやすくなった
まずEOS R7で劇的に変わった操作系の代表と言えるのが、ファインダー横のダイアルとジョイスティック。これまでのEOSやEOS R系のカメラでは、露出補正に使われるダイアルと設定を変更する十字スイッチが同軸で、ジョイステッィクが別に設けられていましたが、EOS R7ではダイアルとジョイスティックが同軸となってファインダーの右横につけられています。結論から言えば、これは使いやすい! 露出補正のプラスマイナスはかなり頻繁にいじる部分ですし、フォーカスポイントの移動をジョイスティックに割り振っておけば、ファインダーから目を離すことなく操作できます。
EOS R7はAPS-Cフォーマットの利点であるコンパクトさをかなり優先して設計されているので、ボディーの小型化はかなり進んでいます。そのためスイッチ類はEOSやEOS R系から比べるとかなりレイアウトが変わっていますが、それでもすべて右手の指だけで操作できるようにしてあるために慣れてしまえばかなり使いやすいと言えます。
SDカード2枚挿しもできる!
バッテリーも容量アップで長持ちに
驚くべきはこの小ささにSDカード2枚挿しという、プロ機の仕様を持ち込んでいるという部分です。1枚目がいっぱいになったら2枚に書き込み、1枚目が写真で2枚目が動画、1枚目と2枚目でミラーリングなど、SDカード2枚への書き込み方も設定で変更できるのでかなり便利に使えます。
また3250万画素で秒間15コマが撮れるとなるとSDカードも高速書き込みが必要で、R7はSDXCのUHS II対応となっています。2022年2月くらいまではUHS IIのSDカードは64GBで1万5000円程度していましたが、7月現在では5000円以下で買えるものもかなり出回っています。
EOS R7は前述の通り、コンパクトさが売りとなのでバッテリーグリップなどが装着できるような設計にはなっていません。その代わりと言えるかどうかはわかりませんが、付属の純正バッテリーはEOS R5から純正となっている高容量2130mAhのLP-E6NHとなっています。このバッテリーにはニセモノ防止のためにホログラムも貼り付けられています。
キヤノンのカタログやカメラ系サイトなどでレンズを外した状態の写真が掲載されるときに、撮像センサーも写っていることが多いので、レンズ交換の際は撮像センサーがむき出しになっているかもしれないという疑念がありましたが、実際は電源オフ時にメカシャッターが降りていることで撮像センサーがむき出しになることを防いでいます。ただし、電源をオンのままでレンズを外すと撮像センサーがむき出しになっていますので、レンズ交換時は必ず電源を切ってから行ないましょう。
あわせて買っておきたいマウントアダプター
EOS R7を買う際に絶対に欲しいオプションとして、これまでのデジタル一眼レフ機用のEFレンズを取り付けるためのマウントアダプター「EF-EOS R」を激推ししておきます。RFレンズは光学性能も高くボディー側との協調性もあるためにマストとは言えますが、いかんせん高価で、キヤノンのレンズを持っている人がすべてを買い替えるのは現実的ではありません。
また、初めてのカメラとしてR7を購入した場合でもこのマウントアダプターがあれば、中古の安いEFレンズ群が使えます。R7の高いフォーカス性能とボディー側に内蔵されている手振れ補正機能のおかげで、旧来のEFレンズをこれまでの一眼レフ機で撮影するよりもキレイな、そして良好な撮影結果を得ることができます。
実際に今回の撮影レビューではR7とEFレンズ3種類で、EFレンズの資産をどこまで活かせるか? ということを書いていきます。使用機材はすべて筆者私物です。メーカー貸与品は一切ありません。R7とRFレンズ群の組み合わせによるレビューは「最速「EOS R7」実機レビュー = さすがキヤノンの最上位APS-Cカメラの写りだっ!!」をお読みください。
実写で実感!
この写りはマジでヤバすぎる!
このEOS R7を購入した動機は自動車レースの走行写真撮影機材としてなので、その部分を重点にレビューしていきましょう。
レースの走行写真撮影機材として、レンズはEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMをマウントアダプタEF-EOS Rを使用して取付ます。
舞台は7月9~10日に宮城県のスポーツランドSUGOで開催された「ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第3戦 SUGOスーパー耐久3時間レース」。様々なクラスのレーシングカーが混走することでバラエティーに富んだレースを観られると人気のスーパー耐久シリーズです。
まず撮影して驚いたのがフォーカスの追従性能。フォーカスモードに「乗り物」があり、これをオンにするとフォーカスポイントがどこにあろうとR7がクルマを認識して追い続けてくれます。撮影者はそのクルマを確実にフレーム内に収めてシャッターを切れば前述したクラウンのレーシングカーのような写真が撮れてしまうのです。
この連続写真はたった1秒足らずの間の撮影ですが、フォーカスが一切外れることなく追従している様子がお解りいただけると思います。
カメラのオートフォーカスはそれぞれクセのようなものがあり、これまでのキヤノンのAPS-C機では近づいてくるものにフォーカスを合わせるのは得意であっても、遠ざかるものにフォーカスを合わせるのは大の苦手でした。しかし、R7では遠ざかるレーシングカーの後姿にしっかりフォーカスが追従し、美しい姿を残すことができます。
これまでのキヤノンのAPS-C機はEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMにエクステンダー1.4x IIIを装着した場合、センター1点のみしかフォーカスを得ることができませんでした。これがセンターの縦3段階、左右方向には全域に広がったのがEOS 80D、90Dでした。フォーカスエリアに必要なレンズの解放F値が中心部から横方向でF8まで対応できるようになったためです。ただし全域と言っても左右の視野に対して長さで80%程度となります。
EOS R7ではフォーカスエリアに必要なレンズの解放F値がF11でも対応できるようになったため、ファインダーに写るすべての範囲がフォーカスエリアとなるミラーレスならではの特徴を備えながらEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMにエクステンダー1.4x IIIを装着した場合でも全域でフォーカスが可能となりました。たとえばこの組み合わせでは400mm×エクステンダー1.4×APS-C換算1.6=フルサイズ換算で896mm相当の超望遠撮影が可能となります。なお、この組み合わせでは解放F値はF8相当となります。
強力な手ぶれ補正とトリミングに耐える高画素がウリ
EOS R7のウリはフォーカス以外にもボディー内に5軸手振れ補正を持ち、また一部のレンズではレンズ側の手振れ補正と協調して手振れ補正をするということも挙げられます。EFレンズ群では協調した手振れ補正はありませんがレンズ側で横回転と縦回転の軸手振れを補正し、ボディー側で上下左右と光軸を中心とした回転軸の3軸の手振れ補正をします。これにより実質的に5軸手振れ補正が効いているのと同じ状態となり、レーシングカーの流し撮りでもレーシングカーをフレームの中に的確に収めることに集中できることが強みになるのです。
実はEOS R系の中ではEOS R5に次いで高画素な3250万画素の撮像センサーを持つEOS R7は、トリミング耐性にも優れます。長さ比で1.5倍程度のトリミングであれば元々が3250万画素もあるのでトリミング後の仕上がりは1600万画素相当となり、トリミングをした状態であっても十分に解像感のある写真を得られます。
続いてEF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USMで撮影した写真をご覧ください。歩きながらの撮影でも大きな手振れが起きずにきれいな写真を撮影できます。ただし、APS-Cの一眼レフ機専用に作られたEF-SシリーズなのでEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMに比べれば解像感は劣りますが、フォーカス性能と実質5軸となった手振れ補正機能でEOS R7用の標準ズームとして「とりあえず」使うことに躊躇はないと思われます。
こちらはEF-S18-200mm F3.5-5.6 ISという高倍率ズームレンズで撮影したものです。フルサイズ換算で29mmの広角から320mmの望遠までをカバーする便利ズームですが、望遠側ではレンズに搭載される手振れ補正機能でも効きにくく、個人的な評価では扱いにくいレンズとしていました。またフォーカス速度もあまり速い方ではないのでレースなどを撮影するには不向きなレンズです。しかしEOS R7のボディー側で3軸分の手振れ補正が機能追加されることで俄然このレンズの利便性が際立ってきました。
フォーカス速度があまり速くなくてもいい、表彰式などでは表彰台全域とアップを1本のレンズで撮影できるということが大いに役立ちます。
結論としてEOS R7は連写性能、フォーカス性能、手振れ補正と言う3点で自動車レースなどの動くものを撮影するのには最適なカメラと言えます。ベストは最新で専用のRFレンズを使用することですが、高解像度、フォーカス性能、手振れ補正の3点をもって既存のデジタル一眼レフ用だったEFレンズ群を使うこともオススメできます。それもこれまでのデジタル一眼レフのどの機種よりそのEFレンズ、特にAPS-Cフォーマット専用のEF-Sレンズの性能を引き出し、ベストの状態で撮影できるカメラだと言い切れます。
このEOS R7の唯一かもしれない最大の弱点は「納期」でしょう。7月に注文をしてギリギリ年内にEOS R7を受け取ることができるかどうか。コロナ禍での生産拠点の稼働や半導体不足など様々な要因があるとは思いますが、待たずに買えるようになれば本当にオススメできるカメラなのです!
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