これからのカメラメーカーが進む道
スマートフォンに搭載するカメラのクオリティーが高まったことで、カメラ市場は縮小している。日常の記録としての手軽な撮影はスマホで十分という認識になっているのだ。実際、デジタルカメラの出荷台数は2010年の1億2146万台をピークに減少し続け、20年には、コロナの影響もあり、93パーセント減の888万台まで落ち込んだ。
しかし、高クオリティーな撮影ができるのに扱いやすいミラーレスの需要は高い。CIPA(カメラ映像機器工業会)の統計によると、21年のデジタルカメラの出荷台数は前年と比べ減少しているが、高級ミラーレスが多く売れたことにより、出荷額はプラス。InstagramやYouTubeなどで差別化を図りたい若者が、少し値が張っても購入しているのだ。各メーカーがさらに力を入れることが予想される。
早い段階でミラーレスをフラッグシップとして売り出していたソニーは、総販売台数ではキヤノン・ニコンに劣るものの、ミラーレス部門での販売金額はトップ。後れを取った大手カメラメーカーが追いかけるような状況だ。
キヤノンの代表取締役会長兼社長 CEO 御手洗冨士夫氏は21年の読売新聞オンラインのインタビューで、一眼レフカメラフラッグシップモデルの開発・生産は数年以内に終了すると話している。
一眼レフのシェアでトップを占めているキヤノンやニコンでさえ方向転換を迫られている。一眼レフ愛好家には残念なことだが、今後、選択肢はさらに狭まっていくのかもしれない。
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