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店舗によって違いアリ!?秋葉原の4店舗でRyzen&Radeonなどの最新事情を聞いてみた

2022年06月27日 11時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII
提供: 日本AMD

ワットパフォーマンスの良い「Ryzen 7 5700X」がイチオシ

店舗名:パソコン工房 秋葉原 BUYMORE店
所在地:〒101-0021 東京都千代田区外神田3-14-10 秋葉原HFビル 1F
営業時間:平日 11:00~20:00

※製品の価格は2022年5月末の取材時のものです

 次にご紹介するのは「パソコン工房 秋葉原 BUYMORE店」は、パーツに詳しい店員さんの独自検証による店内POPなども見受けられる、秋葉原らしいパーツに詳しいスタッフと、一風変わった製品を見つけることもあるPC専門ショップ。

 秋葉原に来たら、まずはここから見に来るという人も多い、信頼と実績のある本店舗では、2年前と同じく名物店員でもある猪狩氏にお話を伺った。

BUYMOREで良く売れているマザーボードは、とお聞きして猪狩氏に持ってきて頂いたのはASUS「TUF GAMING B550-PLUS」。効率の良い電力設計に、高い冷却性能を兼ねそろえた堅牢なモデルで、お買い得感のある製品だ

空冷で組みたいお客様にはRyzenが売れる

 AMD Ryzenについてお聞きしたところ「AMD(Ryzen)の良いところは、上に行けば行くほど第12世代Coreプロセッサーとの性能差が縮まるのと、上に行けば行くほどワットパフォーマンスが良くなるので、水冷をどうしても避けたいという方に良く売れます」とのこと。

 その条件に合う魅力的な製品ということで猪狩氏イチオシなのが「Ryzen 7 5700X」。8コア/16スレッドで、最大動作クロック4.6GHzと高性能ながらTDPが65Wに抑えられている。そのため、16スレッドあれば良いというお客様には訴求しやすいという。CPUクーラーもNocutua「NH-U12S」などでも冷却性能は足りるのではとのこと。

空冷クーラーのオススメはやはりNocutua「NH-U12S」。熱量がやや厳しいといわれている「Ryzen 7 5800X」でも冷却が間に合うのではとのこと

水冷では2万円以下、1万5000円以上が売れるという。たとえばNZXT「KRAKEN」シリーズが人気で、コストを抑えたい人にはDEEPCOOL「GAMMAXX」シリーズが売れる。クーラーは2万円以下で抑えておきたいようだ

 一方でCore i7のK付きなどは、240mmラジエーターの水冷クーラーを使う、もしくはエアフロ―の良いPCケースを使っているならDEEPCOOL「ASSASSIN III」のような大きい空冷クーラーを使う必要がある。しかしながら高さ158mmくらいの空冷クーラーで冷やせる限界は、おそらく「Ryzen 7 5700X」くらいになる。そうしたワットパフォーマンスを活かすなら検討しべきでしょうとのこと。

BUYMORE店では、マザーボードとのセット割りもお得

組み込み事例もいくつか用意されており、特別価格で買えるのもBUYMORE店ならでは

 また、Adobeを使っている人であればスレッド数が多い方が有利なこともあるので、できるだけコストを抑えてAdobe Premiere ProやDaVinci Resolveを使う人にはオススメしやすいという。

 小型のPCだとベアボーンという選択肢も検討対象となるが品薄。そうなるとMini-ITXマザーボードで組むという選択肢も考えられるが、ワットパフォーマンスが良いRyzenは小型のPCと相性が良く、BUYMORE店ではGIGABYTE「B550I AORUS PRO AX(REV1.1)」が良く売れていたそうだ。ただし、やはりMini-ITXのB550も品薄とのこと。

 小型PCの場合、Core i9-12900Kなどで組もうとすると少し厳しいが、Ryzen 9 5950Xなら水冷なら検討の余地があるという。

 さらに、AMD CPUの良いところは、製品によってはB450などひと昔前のマザーボードでもRyzen 5000シリーズが動作するというユーザーフレンドリーなレガシーサポートにある。今年秋には、新しいAM5チップセットに変わるが、競合のインテルは2年に1度はチップセットが変わるところ、AM4ソケットは2016年9月に導入されて以降、約6年は採用されエコシステムに貢献してきた背景がある。

 そのため、PCパーツを流用して長く使いたい人には販売しやすいようだ。また、次世代チップセットではメモリーもDDR5に移行するが、ユーザーの中にはDDR4メモリーを使用したい人も多いと予想しているという。現行のチップセットマザーボードも併売は続くと思われるので、新チップセットは様子見で、安く組みたい人の選択肢には挙がるだろう。

3万円以下のビデオカードではRadeon RX 6400の需要アリ!

 ビデオカードはRadeon RX 6400などのローエンドクラスが売れるという。購入されるお客様に理由を尋ねたところ「3万円以下で最も高性能だから」とのこと。ユーザーの中にはビデオカードに4、5万円が出せないという人もいる。そうすると、GeForceでは選択肢がなくRadeon RX 6500 XTやRadeon RX 6400が選択肢に挙がるようだ。

Radeonでは最新のRadeon RX 6000シリーズでも2万円台からと価格が安いモデルが揃っている。そのため、NVIDIAが重要視していない安価な需要には貢献している

 ストレージに関しては前述した他店舗と同じく、高速なGen 4 SSDを必ず選ぶというよりは価格で選ばれるという。ただし、動画を作る人は作業スピードに直結するのでGen 4 SSDを購入していくとのこと。

 ゲームをプレイされる最近のお客様は、ビデオカード重視で予算配分するのが主流だという。お客様の予算感は15万円くらいなので、そうなるとCPUが「Ryzen 5 5600X」、ビデオカードがNVIDIAになるが「GeForce RTX 3060」、マザーボードがB550になり、PCケースは5000円前後になる。CPUクーラーは「Ryzen 5 5600X」などの場合は、リテールクーラーそのまま利用する方も多いとのこと。リテールクーラーは競合に比べて良質というのもAMD Ryzenの強み。

PCケースは割と数があり、鉄板製品の在庫は豊富に取り揃っているようだ

PCケースはコスパ重視では定番のThermaltake「Versa H26」が良く売れるとのこと

360mmラジエーターまで入るPCケースとしてはDEEPCOOL「MATREXX」シリーズも注目。ファンは標準で搭載していないので、水冷を自分で組んで光らせたいという人にはオススメできるとのこと

自作初めてという人にオススメなのがNZXT「H510 Flow」。エアフロ―を重視したメッシュ加工のフロントパネル、配信がしやすいケーブルガイドを備え、ボトム部には電源ユニットとケーブルを隠すためのシュラウドを実装している

動画編集する人にオススメなのがFractal Design「Define R5」。5~6年前からあるモデルだが、ドライブベイが8台分あり、背の高い空冷クーラーも搭載できるため、未だに人気が高いという

「パソコン工房 秋葉原 BUYMORE店」はPCパーツ知識の豊富なスタッフによる、構成例や製品の性能表などが店内の至る所にあり、まずは旬の製品を探るのにもってこいの店舗となっている。ワゴンセールでお買い得なキャプチャーボックスなどの製品があったり、そうした掘り出しものを探すのも面白い。PC自作構成に迷ったら、まずは立ち寄ってみることをオススメしたい。

Ryzenはワットパフォーマンスが魅力、価格を抑えて自作したい人にもアリ!

 今回取材してみて面白かったのは、2年前に取材した時よりも店舗によってRyzenの売れ筋が若干異なっていたことだ。コアユーザーに強い店舗はハイエンドが売れ、若年層や家族連れが増えた店舗に関しては、ミドルクラスやAPUを求める人が多かった印象だ。

 一般的な予算感としては15~20万円くらいで、それによってお買い得な価格のB550チップセットマザーボードの人気が高いようだ。小型のベアボーンはやや品薄で、Mini-ITXマザーボードに関しても品薄状態の店舗が多かったが、需要としては一定数あるので、そのあたりの新製品情報には期待したい。

 現行のRyzen 5000シリーズの強みはワットパフォーマンスと、ハイエンド以外にはしっかりとしたリテールクーラーが付属している点。性能の割にお買い得な価格という認知度は広がっており、マルチスレッド性能の高さからクリエイターの評判も上々のようだ。

 ビデオカードもRadeon RX 6000シリーズは、従来モデルよりも競合に伍する性能を持ち、ドライバーの安定度も高くなっているという言葉も聞かれた。NVIDIAではフォローできていない安価な価格帯では選択肢として挙がっており、ライトなゲームユーザーやちょっとした動画編集をしたい人の需要はあるようだ。

 コアユーザーは今年秋には発売されるとアナウンスされている次世代チップセットと、最新Ryzen 7000シリーズの登場を待っていると思うが、AM4チップセットでできるだけ価格を抑えてPCを組んで、しばらく様子見をしたいユーザーは、現行の環境で自作を楽しむのも一興だろう。

(提供:日本AMD)

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