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アップル幹部に聞くヘルスケアの新機能「視力」が登録できるようになる意味とは?

2022年06月17日 09時00分更新

米アップル ヘルス担当バイスプレジデントのサンバル・ディサイ医学博士

科学的知見の検証が加速している

 睡眠ステージの解析は、アップル独自の機械学習のアルゴリズムにより実施する。「その機械学習モデルは、これまでに実施されたウェアラブルデバイスの調査の中で、最も多くの人数と多様な属性を持つ被験者が参加した、睡眠ポリグラフ検査の臨床データに基づいている」とディサイ博士が語っている。

 米国ではiPhoneに対応する「Research」というアプリを介して、一般のユーザーがApple WatchやiPhoneを日常身に着けながら記録したヘルスケアデータを医学的な学術研究のために提供できるシステムが運用されている。

 アップルと米国のブリガム・アンド・ウイメンズ病院、アメリカ心臓協会が提携して、心臓の健康や睡眠に関連する総合的な研究を実施するApple Heart and Movement Studyも大きなプロジェクトのひとつだ。新機能の睡眠ステージもここから生まれた。

 睡眠という習慣は文化や生活環境にも大きく影響を受けるはずだ。米国と同じ取り組みをより多くの地域に広げることにより、ユーザーの暮らしに近く寄り添う精度の高いサービスが提供できそうだ。ディサイ博士が次のように答えている。

慶應義塾大学病院が2021年に公開した睡眠中の脈拍を見守る臨床研究アプリ「Heart Study AW」

 「アップルは様々な国や地域の研究活動を支援することにも力を入れています。医学研究者の方々がデバイスのユーザーに同意を得て、ヘルスケアに関連するデータを収集するアプリケーションを開発できるようにResearchKitというフレームワークも提供しています。この仕組みを活かして、慶應義塾大学病院では2021年から、Apple Watchを利用した心房細動の研究、心電図アプリで測定する心電図の解析などを中心とする臨床研究を実施しています。同様の研究が様々な地域に広がるよう、アップルも注力していきたいと考えています」

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