Intel Evoプラットフォームで
「やりたいこと」を見つけてほしい
しかし実際、Intel Evoプラットフォームに準拠したPCが具体的にどんなものなのかは想像しづらいだろう。認証の基準もどのように決めているのか気になるところだ。そこで今回、Intel Evoプラットフォームの理念を、インテル株式会社マーケティング本部本部長の上野晶子氏にお聞きした。
上野氏:インテルが「Centrino」や「Ultrabook」を世に送り出した2000年代前後は、“ハードウェアの進歩”そのものに対する関心が世間的に強い時代でした。
Centrinoを提唱した時は、電源ケーブルやLANケーブルといったケーブルを取り払うというコンセプトで、その後のUltrabookの場合は、軽さや薄さを重視して持ち運びに特化した製品というものだったのですが、これらはどちらかというと「いかにハードウェアが進化したか」を形で表すものという方向性が強いものです。
一方で、Intel Evoプラットフォームはというと、「人がPCを何のために、どのように使うのか」を考えて規定されたものです。人類学者の方と協力して、どういう機能があると使いやすいのか、ということを考えて規定しています。PCの起動が遅いとイライラしてしまうものだと思うのですが、そうした小さな不満をどのようになくすかというところに心を砕いたものになっています。
それはやはり、PCというハードウェアそのものの性能よりも、「それを使って何をするか」、というのが重視される時代になったという考えがあるからです。
第12世代Coreの設計も、そういった思想が反映されています。これまでのCPUはひたすら性能を追求した結果、熱を持ちすぎてしまったり、コンパクトなサイズに収めるのが難しくなったりといった問題が出てきました。
それに対して第12世代Coreは、PコアとEコアという2つのコアを搭載することで問題を解決する形をとっています。例えば、人間の筋肉に置き換えると分かりやすいのですが、心臓のように持続的に動いていなければならない筋肉と、太もものように何かをする時に瞬発的に動かす筋肉があります。
人間はそれを脳でコントロールしているのですが、第12世代Coreの構造はこれに近いと言えます。持続的に動くEコアと、必要な時に強力に働くPコアをコントロールする、効率的でスマートな動きが可能になったCPUですね。
上野氏によれば、時代の変化によってPCユーザーの関心が「ハードウェアそのもの」から、「それを使って何ができるのか」という用途の部分へシフトしているという。それを受けて、インテルとしてもただ性能を追求するだけでなく、いかに使い心地のいい製品を作っていくのかという考え方に変わってきているそうだ。
例えば、以前はベンチマークで性能差を計るために、普通の使い方ではありえないような負荷をかけて優劣を決める、ということがしばしばあったが、現在はユーザーが実際に使うアプリケーションのパフォーマンスを計測する、より実使用時の感覚に即したベンチマークに変えているとのこと。
では、そうした流れの中でIntel Evoプラットフォームを規定している目的は何なのだろうか。
上野氏:Intel Evoプラットフォームで規定している内容というのは、とにかくゲームに特化したゲーミングPCのように、突出して一部の用途に優れている、というものではありません。なので少し目立ちづらいのですが、どんなこともそつなくこなす、汎用性に優れたPCになるよう規定しています。
ユーザーがPCを使ってやりたいことは何かを考えた時に、私たちは2つの大きな柱があると思っています。1つが「クリエイティブ」で、もう1つが「ゲーム」です。ただ、必ずしもPCを購入する段階でこういった明確な目的を持っている人ばかりではないと思います。
そういった人たちが、例えばYouTubeを見ていてふと自分も動画を投稿してみたいとか、SNSの写真を加工してみたいとか、あるいは仕事や授業の合間に軽いゲームを遊びたいと思った時に、Intel EvoプラットフォームのPCならある程度までは対応できるようになっています。
もちろんプロレベルの動画編集がしたいなどであれば、高スペックなデスクトップPCが必要になって選び方も難しくなるのですが、そうではなく、ふと思い立った時にそのスタートラインに立てるという意味で、“買って間違いがないPC”を分かりやすく見せるためにIntel EvoプラットフォームのPCがあります。
Intel Evoプラットフォームは汎用性に重きを置いているため、1つの決まった利用目的がある人には必ずしも適しているとは言えない。ただ、特に明確な目的は決めていないが、さまざまなものに興味がある学生などであれば将来の可能性を広める上で賢い選択肢と言える。
しかし一方で、汎用的な製品のブランド化だけでなく、よりクリエイティブやゲームといった明確な目的を持った人をサポートすることも、長期的な目標として取り組んでいるという。
上野氏:汎用的な製品をブランド化して売り出すだけではなく、本気でクリエイティブやゲームをやりたいという人も増やしたいとも思っています。そのために、トップクリエイターの方をゲストに招いて動画の作り方を紹介してもらう施策なども行ないました。こう言うとおこがましいかもしれませんが、ユーザーの「自分の軸を持ってやりたい気持ち」を育てられたらうれしいと思っています。
また、ゲームメーカーとやり取りしてゲームタイトルが快適に動作するかの検証プログラムを進める取り組みもしています。あるゲームを遊びたいユーザーがいたとして、そのゲームが快適に動くことが検証して分かっていれば、安心してそのPCを購入できますよね。そうした「やりたい気持ち」が芽生えた時に、確実にそれができる環境を用意することで、ユーザーが安心してそれに取り組めるようにするのが目標です。
そうして昨日までやっていなかったことをデジタルで始める、いわば“デジタル人材”を増やせば、CPUにしろサーバーにしろ、何らかの形で私たちの製品を使ってもらえると考えています。そうして若い世代にドンドン使って頂く中で、今までは思いもよらなかった“新しいPCの形”のようなものが生み出せたら理想ですね。
インテルでは、「インテル Blue Carpet Project」というクリエイター支援プロジェクトを実施している。このプロジェクトは、将来クリエイティブ業界に関わる学生や次世代のクリエイターに向けて、トップクリエイターの作品に触れる場を設けたり、ワークショップなどを実施したりといったサポートを行なうものだ。こうした施策は、将来のデジタル人材を増やすことを目的としたものということだろう。
また直近では、クリエイター向けの施策としてYouTubeで活躍している「QuizKnock」とコラボし、Intel Evoプラットフォームを紹介するトリック動画を公開している。QuizKnockのYouTubeサブチャンネルでは動画撮影の裏側を公開。こうした施策で、クリエイターのやる気を刺激することを目指しているとのこと。華麗なトリック動画も、裏側では意外と地道な努力で成り立っている……? 気になる人はぜひチェックしてみてほしい。
ノートPC選びに迷ったらこのシールをチェック!
1億総クリエイター時代とも呼ばれる今、個人でも気軽に動画や写真を公開できる時代になった。言い換えれば、個々人に多くの可能性が眠っている時代とも言える。しかし、PCを選ぶのが難しいという理由で敬遠してしまっては、せっかくの可能性をつぶしてしまうことにもなりえる。
インテルの取り組みは、そうした人たちが安心して自身の挑戦を成し遂げるためのものだ。第12世代Core、そしてIntel EvoプラットフォームのPCは、3年後、5年後の自分を変えるためにきっと役立ってくれるだろう。PC選びに悩んだ時は、下記のマークを要チェックだ。
(提供:インテル株式会社)
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