14GBの動画ファイルの転送にかかる時間を
さまざまなカードリーダーで検証
では、「microSD PRO Plus」の速度をチェックしていこう。なお、DelkinのUHS-I DDR200対応のカードリーダーはUSB Type-A接続なので、付属しているUSB Type-A to Cの変換ケーブルでGalaxy S22 Ultraに接続した。また、カードリーダーの比較用としてUSB 2.0対応のカードリーダーとUSB 3.0対応のカードリーダーを用意して速度を比較してみることにした。
microSDカードとしては、「microSD PRO Plus」の容量512GBモデルと、低価格であまり速度の速くないmicroSDカードを利用する場面を想定し、「microSD EVO 128GB(MB-MP128D)」(以下「microSD EVO」)を用意した。そのうえで、用意したmicroSDカードリーダーとmicroSDカードの全組み合わせで、Galaxy S22 Ultraから動画ファイルの転送にかかる時間を計測した。
標準的なSDカードリーダーを利用するよりも高速な転送速度を確認
14GBの動画ファイルの転送にかかった時間 | ||||||
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カードリーダー | ストレージ | 転送速度 | 平均 | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
USB 2.0リーダー | EVO 128GB | 8.26MB/s | 30分19秒 | 30分17秒 | 30分25秒 | 30分14秒 |
PRO Plus 512GB | 8.66MB/s | 28分56秒 | 28分56秒 | 28分56秒 | 28分57秒 | |
USB 3.0リーダー | EVO 128GB | 20.45MB/s | 12分15秒 | 12分15秒 | 12分14秒 | 12分16秒 |
PRO Plus 512GB | 71.93MB/s | 3分30秒 | 3分30秒 | 3分30秒 | 3分29秒 | |
UHS-I DDR200リーダー | EVO 128GB | 20.34MB/s | 12分19秒 | 12分15秒 | 12分19秒 | 12分22秒 |
PRO Plus 512GB | 98.90MB/s | 2分32秒 | 2分28秒 | 2分31秒 | 2分37秒 |
結果を見ると、いずれのカードリーダーを利用した場合でも、「microSD PRO Plus」のほうが転送時間が短かった。「microSD EVO」は書き込み速度がそれほど高速ではないため、この結果は当然と言っていいだろう。
なお、USB 2.0対応のmicroSDカードリーダーでは、「microSD EVO」、「microSD PRO Plus」ともに非常に時間がかかっている。USB 2.0のインターフェース速度が、「microSD PRO Plus」のパフォーマンスを10分の1以下に引き下げてしまっている。
次に「microSD PRO Plus」の結果だけを見てみよう。まずUSB 3.0対応の一般的なmicroSDカードリーダーを利用した場合には3分30秒だったのに対し、UHS-I DDR200対応カードリーダーでは2分32秒と、3割以上高速に転送できている。時間にして1分近くの短縮で、実際に転送していても体感でかなり大きな違いと感じた。
この結果から、UHS-I DDR200の効果は絶大と結論づけていいだろう。合わせて、「microSD PRO Plus」を利用する場合には、最大限の速度を発揮させるために、UHS-I DDR200対応カードリーダーを必ず利用すべきだ。
ファイル転送はポータブルSSDのT7 Shieldが圧倒的な速さ
コストを抑えつつも早く転送したい場合はmicroSD PRO Plus
ポータブルSSDの「T7 Shield」では、同じ動画ファイルを39秒と圧倒的に高速に転送できた。このことから、スマホの容量不足には「T7 Shield」(&付属のUSB 3.2 Gen2ケーブル)がベストなのは言うまでもない。
これと比べると、「microSD PRO Plus」はそれほど速くないと感じるかもしれない。それでも、microSDカードとしては「microSD PRO Plus」の速度は申し分なく速い。合わせて、ポータブルSSDに比べて安価に購入できる点も、大きなメリットとなる。そのため、コストを抑えつつスマホからより早くデータを転送したい場合に、「microSD PRO Plus」が大いに活躍してくれるのは間違いない。
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