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上場を果たした研究成果ベンチャー3社を分析

特許から見るIPOをした大学発ベンチャー

2022年05月27日 08時00分更新

大学との共同出願は行なっていない株式会社ACSL 

 続いては、産業用ドローンの製造販売及び⾃律制御技術を⽤いた無⼈化・IoT化に係るソリューションサービスの提供する株式会社ACSLの知財について。

 出願の経緯を確認すると、設立当初から大学との共同出願は行なっていないことが確認できる。また、パテントランドスケープの分析により、コアとなる事業領域であるドローン技術についても積極的に他社と共同研究を行ない、研究開発を進めているのが読み取れる。

●株式会社ACSL 会社概要
 ・沿革:2013年11月設立。2018年12月マザーズ上場
 ・関連大学:千葉大学
 ・時価総額:約240億円
 ・主な事業内容

出願数の推移

 設立した2013年に2件出願したあと、2016年から年間7件程度出願している。単独出願がメインではあるが、他社との共同出願も積極的に行なっている。

最初の特許出願

 最初の特許出願は、千葉大学名義での出願となっている。なお、本願は拒絶理由通知への応答を経て特許査定となっているが、登録料不納付により出願却下となっている。

特願2013−175094(ヘリコプタ、ヘリコプタ用バッテリ交換装置、及び、ヘリコプタシステム)
【出願人】
【識別番号】304021831
【氏名又は名称】国立大学法人 千葉大学
【住所又は居所】千葉県千葉市稲毛区弥生町1番33号

特開2015-042539
【請求項1】
ヘリコプタ誘導スリットが形成され、ヘリコプタを支持可能である着地用パッドを備えたヘリコプタ着地用部材と、前記ヘリコプタ着地用部材の下部に備えられ、複数のバッテリを保持可能であるバッテリマガジンを備えるバッテリ保持部材と、前記バッテリを把持する把持部材、移動させるための移動部材、を有するバッテリ把持移動部材と、を備えてなるヘリコプタ用バッテリ交換装置。

共同出願人
 株式会社NJS
 西日本電信電話株式会社
 株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク
 日本電気株式会社
 古野電気株式会社
 一般財団法人首都高速道路技術センター
 テクノス三原株式会社

パテントランドスケープ

 パテントランドスケープと公開公報を検証することにより、ドローン技術を自社で開発しつつも、ドローンに関する特定の技術についてさらに他社との共同開発を行なっていることを読み取ることができる。

①全出願

②単独出願

※赤色領域の主な出願

再公表2019/077682(無人航空機の飛行計画経路を設定するためのシステム及びプログラム)

【請求項1】
無人航空機の三次元の飛行計画経路を設定するためのシステムであって、前記無人航空機の水平面の飛行予定経路を表わすデータを前記飛行計画経路の水平面のデータとして入力する水平面位置データ入力部と、前記飛行計画経路上の複数の位置のそれぞれの下にある表面の標高を表す高さ基準値を取得する高さ基準値入力部と、前記位置に対応する飛行高度を前記高さ基準値に加算した値を前記飛行計画経路の高度のデータとして定める飛行計画経路高度決定部と、を含むシステム。

③-1共同出願(株式会社NJS)

※赤色領域の主な出願

特開2020-164166(無人航空機、及びこれを用いる方法)
【請求項1】
少なくとも4つの回転翼と、前記回転翼を駆動する駆動装置と、前記駆動装置に前記回転翼を駆動させるための制御信号を生成する制御信号生成回路と、撮影カメラとを備え、前記撮影カメラにより閉鎖性空間の内部で撮影をしつつ、前記回転翼を駆動して該閉鎖性空間の内部を飛行するよう構成された、無人航空機。

③-2共同出願(テクノス三原)

※赤色領域の主な出願

特開2019-127245(ドローン飛行体及びドローン飛行体を用いた撮影方法)
【請求項1】
プロペラを備えた飛行体本体と、前記飛行体本体から前記プロペラよりも外側に突出するカメラ用アームと、前記カメラ用アームの先端に設けられたカメラとを有することを特徴とするドローン飛行体。

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