藤沢市スマートタウンで小型低速ロボットが医薬品や焼き立てパンをお届け
フルリモートでの無人配送サービスをいよいよ実施するパナソニック
ロボット・遠隔管制システムを含むサービスプラットフォーム「X-Area」事業へ展開
事業化に向けては、サービスを提供する事業者と連携したサプライチェーンの構築や、藤沢SST以外のエリアでのロボット走行についても検討していく必要がある。
パナソニックが描く最終的なサービスイメージは、街全体の次世代モビリティサービスだ。
自動走行ロボットは商品配送のほか、フードデリバリー、無人警備、案内や通訳、移動サイネージなど、さまざまなサービスへと利用できる。そこで、自動走行ロボットを配送や警備、案内などに活用していくため、サービス事業者やエンドユーザーとのハブとして、小型低速ロボットと遠隔管制システムなどを提供するエリアモビリティサービスプラットフォーム「X-Area」の構築を検討中だ。
「X-Area」は、地域の人々や企業、NPOなどさまざまなコミュニティに寄り添い、エリアにあった最適なサービスの実現をサポートするサービスプラットフォームの総称であり、エリアにおける「くらし」と「しごと」のウェルビーイングに貢献することを目指している。
具体的なソリューションとしては、①藤沢SST等の住宅街等での小売店舗・飲食店からの配送業務、②私有地や工場等での限定されたエリアでの物流業務の効率化、③都心のタワーマンション群での多種類ロボット運行(エレベータ・セキュリティ等の施設インフラとの連携を想定)が考えられるという。
パナソニックでは、今後も藤沢SSTをフラッグシップ拠点としてビジネス検証を続けていく予定だ。なお、他の地域へサービスを広げるための環境要件として、ロボットがすれ違える幅の広い歩道が必要としている。またコンビニ商圏に住宅が何件あるか、といった要件も採算性に大きく影響する。複数のサービスと組み合わせるなど工夫し、企業やユーザーへの負担を減らすことが課題だ。
そのほかの課題では、監視員もコスト負担が大きい。この点でパナソニックは、2022年4月15日に国内で初めて完全遠隔監視・操作型(フルリモート型)の公道走行の許可に関わる審査に合格し、道路使用許可を取得している。
今後は近接保安要員なしでの実証実験が可能となる。遠隔監視についても、1人の遠隔オペレーターと補助員で最大4台までの同時監視・操作を実施しており、さらに1人10台程度まで増やしていくのが目標だ。
またパナソニックは、一般社団法人ロボットデリバリー協会に理事として参画している。協会では安全基準の制定や認証の仕組みづくりに取り組み、利便性と安全性を備えたロボットデリバリーサービスの基盤構築と早期の社会実装を進めていくとのことだ。
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