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「まるで夢を観ているみたいだった」と語る岸さんのベストバウトの試合は?

キャスター岸 大河さんと振り返るVCT・ZETA DIVISIONの軌跡、今後の日本チームへの期待や課題も聞いた

2022年05月14日 16時00分更新

VALORANTをしらない人もフィーリングで観戦を楽しんでほしい
VALORANTがより気になったらSmashlogTVをチェック!

──岸さんは今回のZETA DIVISIONの活躍についてテレビでも解説されていましたが、eスポーツをしらない人に、今回のことはどれくらい伝わっていると感じますか?

岸さん:ものすごく伝わっているんじゃないかなと思います。電車の中でZETA DIVISIONの話題になっていたという話も聞きましたし、お店でご飯を食べているときもチーム名を耳にしました。VALORANTというよりは、ZETA DIVISIONというチームと、すごいことを成し遂げたということが認知されているように感じました。我々が10年15年夢見ていたことが叶い始めているというのを考えると、まるでアニメや漫画の世界だなと。

──そういったVALORANTについてはよくしらないけど、ZETA DIVISIONをしって応援したいという人は、どういったスタンスで観戦すれば楽しめるでしょうか?

岸さん:雰囲気で楽しんでもらえればいいかなと思っています。我々実況がウォーって言ったら、一緒にウォーっていっていただける感じで。難しいことは気にせずに、純粋にどっちが勝っていて、どっちが優勢くらいをわかっていただければ、フィーリングで十分楽しめると思います。また、そこからVALORANTについて興味を持っていただいた方は、そこから色々と調べていただければ、さらに濃く楽しめますよ。あと、すでに日本チームを応援しているという方は、ぜひ海外のチームにも目を向けてほしいです。サッカーでも海外チームのほうが興味があるという人がいるように、VALORANTの海外チームでも、素晴らしい選手はたくさんいますから。

──今回からVALORANTに興味を持った人もいると思うのですが、私もよく参考にさせてもらっているSmashlogTVは、初心者が参考にするのに最適なチャンネルだなと思っています。そんなSmashlogTVの動画の中で、これは最初に観てほしいと思う回はありますか?

岸さん:そうですね。まずはVALORANTをインストールして触ってもらって、気になったエージェントがいればその解説回を観ていただければと思います。各エージェントに合わせてポイントやどういった立ち回りが必要なのかなどを解説していますので。また、全武器や各マップについて解説した動画もありますので、データとしては古くなっているものもありますが、基本的な考え方は変わらないので、そちらもチェックしてみてほしいです。そのほか、中級者向けの動画も結構ありますので、強くなりたい方はそちらもぜひチェックしてほしいです。気になった回を観ていただいて、そこから派生して観ていってもらうのがいいかなと思います。

 

よりエージェント構成が柔軟になると面白い
より自我を出す選手の台頭も重要!?

──ZETA DIVISIONが素晴らしい成績をおさめましたが、今後VALORANTの競技シーンに期待すること、課題などはありますか?

岸さん:競技に専念できるチームが増えてきましたので、下から這い上がるのが難しい状況にもなってきましたが、アカデミーチームなどを抱えるチームも増えてきているので、多くのチームが切磋琢磨して、日本のチームが世界一になってくれることに一番期待しています。ただ、今回のこの偉業があったので、次の大会でも期待は大きくなっているとは思うのですが、そこは勝負の世界ですので、苦戦したり、1戦も勝てないということもあり得ます。しかし、そこで絶対にあきらめてほしくないですし、応援している人たちも悲観的にならずに応援し続けてほしいです。

──課題についてはいかがでしょう?

岸さん:日本だとエージェント構成がきっちり固まっているチームが多いですが、よりさまざまな構成が出てきたらかなり面白いなと思います。今回の大会でもネオンが活躍しているシーンがあったので。また、海外のチームではトライすることに対して前向きなんですが、日本だと失敗したときになんでそこでトライしたの? という話になりがちです。チームの連携も大事ですが、個人で判断して1人、2人を倒すという行動も大事になるシーンはあります。海外では比較的自我を重視する傾向にあります。実況していても、正直なんでそこで前に出て行ったんだと思うシーンがあったりもしますが、そのおかげでテンポが速くなり、そこで差が出てくることもあるので、連携を意識しつつ、より自我を出していけるといいなと思います。

──なるほど。それでいうと今回のZETA DIVISIONの戦いにおいては、多少自我を感じられる部分も素人ながらにあったなと感じます。

岸さん:そうですね。苦しい場面でも各選手がもう1歩踏み込んで(自我を持って)プレイでき、そして冷静な判断も欠かさなかったというのも、強かった要因の1つだと思います。

──では、VALORANTのeスポーツシーンについてやエコシステムについてはいかがですか?

岸さん:公式で実況をさせていただいている立場ながらに思うのは、もう少し日本リージョンの賞金が上がってほしいなとは思います。選手にとって賞金はモチベーションの1つになると思いますし、より大きなスポンサーさんがついてくれればいいなと期待しています。また、エコシステムについてですが、ゲーム内で大会に参加しているチームの選手一覧やスタッツ、Twitchチャンネルのリンクなどが閲覧できるシステムができれば面白いのではないかと思います。

──ゲーム内でスタッツが閲覧できるというのは面白いですね。

岸さん:あとはジャストアイデアですが、アマチュアからでもプロを目指せるような仕組みとして、上位のプレイヤーのスタッツを閲覧できるというのも面白いかもしれません。フリーエージェントだけど世界でめちゃくちゃ強い化け物が出てくる可能性があるので、そのなかからチームを探しているときに手を挙げられる仕組みがあったらいいなと。

──それも面白いですね。鉄拳のパキスタンの話みたいな感じですよね。

岸さん:そうです。無所属でしらない名だけど、めちゃくちゃ強い! というプレイヤーが認識されると、より多くのプレイヤーがプロとして活躍する機会を得られますから。

──あと個人的には、プロチームのスキンがほしいです。

岸さん:そうですね。各チームのスキンやバナー、フィニッシャーでチームロゴが出るといったことがあれば、どこのチームのファンか一目でわかるので、いいですよね。

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