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マンション各戸までロボットが荷物を届ける実証実験。日本郵便が目指すサービス共通化の課題

さまざまな地域課題や社会課題の解消や、ドローンやスマートシティなどとの組み合わせで期待されている自動走行ロボットを活用した配送サービス。日本でも各種実証実験が進んでいるが、いよいよ実装が見え始めている。2020年より実施されたNEDOによる実証実験で見えてきた動きを追いかける。

 マンションやオフィスビル内へのロボット配送で問題となるのが、エントランスのセキュリティゲートをどうやって通過するか。セキュリティシステムと連携する方法もあるが、早期のサービス実装には、できるだけ既存の設備や市販のロボットを使ってコストを抑えることも大事だ。宅配ボックスのようにマンションの入口に自動配送ロボットを設置し、配達員がロボットに荷物を渡す仕組みならセキュリティの問題もクリアできそうだ。日本郵便は、オートロック付きマンションで5台のロボットがエントランスから玄関先まで届ける配送サービスの実証実験を実施。住民へのロボットコンシェルジュサービスとして、宅配以外の用途にも流用できそうだ。

オートロック付きマンションの入り口から
各戸まで複数台ロボットが配送

 日本郵便が取り組むのは、オートロック付きマンションの入口から届け先の玄関前まで宅配物を届けるサービスの実現。最近のマンションは宅配ボックスが普及している一方、通常は、エントランスホールのインターホンで住人を呼び出して開錠してもらうが、このやりとりをひとりの配達員が一戸ずつやるには配達時間がかかる。

 今回目指すサービスは、配達員はマンションのエントランスまで荷物を届けて、マンション内のロボットが各戸に届けるというもの。いわば、移動式の宅配ロッカーだ。マンションに複数のロボットを配置すれば、配達員のドライバーが1人でも短時間で効率よく配達できるようになる。

 配送ロボットには香港RICE Robotics 社の開発した屋内向け自律走行型ロボット「RICE」を採用。エレベーターと連携したフロア移動機能も搭載し、ホテル等での運用実績もある。技術的には自律移動や障害物の回避といった安全機能は備えているので、実証実験では、住民に対するロボットの挙動に違和感がないか、荷物の受け渡しがスムーズかどうか、といったサービスの受容性向上に関する検証が行なわれた。

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