G-Master Axilus NEO H670/D4をレビュー
Core i5-12400&RTX 3050で20万円切りのゲーミングPC、「美しさ」も性能も大満足の理由
G-Master Axilus NEOの魅力はその美しさ!
サイコムはデュアル水冷の「G-Master Hydro」、静音性を追求した「Silent-Master NEO」、高品質の「Premium Line」など個性的なシリーズを展開している。そして、この「G-Master Axilus NEO」をひと言で表すなら、「美しさ」という言葉がふさわしい。これはシンプルな美しさを追求したNZXTのPCケース、「H510i」の白モデルを採用している点が大きく影響しているだろう。
H510iは角まで直線でかっちり作られたシンプルデザインが特徴。曲線や曲面を排除し、NZXTのロゴすらうっすらと表示するだけというこだわりようだ。サイコムもそんなPCケースの雰囲気に最大限配慮しており、小さめの自社ロゴマークをフロント右下の目立たない位置に貼っている。
また、本体は反射の少ない凹凸のある塗装なので高級感がある。広い面積への単色塗装は、色ムラやケースの歪みなどが目立ってしまうものだが、このPCケースに限ってはそういったものを一切感じない。装飾がないフロントパネルも、その自信の表れだろう。
しかし、いくらPCケースの外見が美しくても、サイドの強化ガラスパネルを透して見えるPC内部が汚くては興醒めだ。だが安心してほしい。PC内部は長年数多くのBTOパソコンを手掛け、組み立て方にこだわり続けてきたサイコムならではのケーブルレイアウトで、上品に仕上がっている。
写真を見てもらえれば一目瞭然。フロントパネルやファンなどのケーブルは裏配線で見えず、ビデオカードやマザーボードの電源ケーブルも同じ色調なのでまったく目立たない。強化ガラスパネル仕様のゲーミングPCは、やたらと内部のPCパーツを光らせる志向のモデルが多い。しかし、LEDはストリップのみにとどめ、ケーブルレイアウトの美しさだけでここまで魅せるPCも珍しい。
もちろん、見た目がいいだけではなく、各パーツのこだわりも健在だ。例えば、CPUクーラーはNoctua製の「NH-U12S redux」を採用している。
NH-U12S reduxは静音PCで多く採用している「NH-U12S」をベースにした廉価版という位置付けだが、十分な冷却性能がある。個人的にNH-U12Sよりもいいなと思った点が、ファンの色がグレー系になっていること。いつもの茶色系もNoctuaらしくていいが、このPCケース内では浮いてしまうだろう。その点、グレー系であれば悪目立ちすることなく、色調を統一したクールな印象になる。
G-Master Axilus NEO H670/D4はコストパフォーマンスを重視したモデルだが、性能へのこだわりを捨ててまで低価格化しているわけではない。その証拠が、PCケースのデフォルト装備にはないフロントファンを追加している点だ。
このフロントファンは最下段に設置しており、冷たい外気を直接ビデオカードへ送り届けられるので、長時間のゲームプレイでも安心して遊べるだろう。ちなみに、PCケースファンはこのフロントの吸気ファンのほか、背面と天面にそれぞれ排気ファンを装備。背面ファンはCPUクーラーから出た熱風を効率良く外部へ排出し、天面ファンは熱のこもりやすいPCケース上部の環境に配慮している。
そして、これらのファンはNZXT独自のファンコントローラーに接続され、回転モードなどが変更できるようになっていた。
なお、ファンコントローラーにはLEDストリップも接続されており、こちらもユーティリティーソフトから色や明るさを調節できる。LEDストリップは天面と目隠しの裏の2ヵ所で、電源を入れると上品にPCケース内部を照らしてくれる。
一方で、いくらデザインが良くても、使いやすさが犠牲になっていては意味がない。その最たるものがフロントインターフェースだが、天面の手前部分にはしっかりとUSBを装備しているので心配ない。
フロントインターフェースのUSBはUSBメモリーやゲームコントローラーなど、一時的に接続したいデバイスを使う時に便利なもの。ポート数こそ少ないものの、アクセスしやすい位置にある点はありがたい。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう