使うたび発見のあるサウンドバー
音質については非常に良い。組み合わせたのは、77インチの有機ELテレビで、実は内蔵スピーカーのクオリティもなかなか高いものだ。低域も出るしワイドレンジだと思っていた。しかし、Signa S4と比べてみると違いを感じる。やはり、テレビは放送でも映画でも人の声やセリフの伝わりやすさを中心に設計されている印象がある。声自体の聞こえは良くても、効果音の迫力や空間性、音楽の再現性などに差が出るという感想を持った。特に外付けのサブウーファーがある効果は大きい。中域、高域の分離感にも貢献する。アクションシーンだけでなく、日常シーンなどでも有効で、空間に奥行きや深み、そして空気感などに違いが出てくる。
また、イネーブルドスピーカーを持ち、音が上下左右に広がる効果も大きい。たまたま情報番組を見ていたのだが、出演者のトークとその後ろで流れるBGMがきれいに分離していた。トークは正面にいる演者から、それを取り巻くように部屋全体でBGMが鳴ることで、同じスタジオ内で収録に参加しているような気分が味わえた。こういうBGMは通常は控えめでセリフなどに埋もれ、鳴っていると意識しないことのほうが多いため、新鮮な感覚だった。
ほかにも番組と番組の間に差し込まれるCM、例えば音楽関係のPVで、テレビではカットされてしまいがちな深い低域のビート感がズンズンと前に出てきたのに感心した。それだけでふだん見ている(聴いている?)CMとはまったく違う印象を持つようになり、漫然とテレビを見ているだけでは伝わらない情報があるのだと実感できた。
大相撲中継やサッカーなどでは会場にいるような臨場感がある。音のいいサウンドバーは映画や音楽ビデオだけでなく、ごく普通の放送も別世界にしてくれるのだと改めて認識することができた。
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