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成長フェーズにあわせ10のサポートを実施

広島県が挑むユニコーン企業創出、「ひろしまユニコーン10」プロジェクトがスタート

2022年03月18日 06時00分更新

広島での各分野進出をサポートする取り組み

 「このほかに、社会課題を解決したい人やアセットを活用したい人、仲間を求める人などがクラウド上でつながるエコシステムサイトを、2022年6月から新たに稼働し、24時間365日交流できるようにする。また、資金獲得においては、各種補助金の獲得支援やファンドによる資金調達も用意している」(広島県商工労働局イノベーション推進チームの歳森靖子氏)という。76億円規模のひろしまイノベーション推進機構の成長ファンドも活用する。

広島県商工労働局イノベーション推進チームの歳森靖子氏

 成長分野における支援では、「環境・エネルギー/ カーボンリサイクル分野への進出をアシスト!」と、「健康・医療関連分野への進出をアシスト!」の2つの支援メニューを用意している。

 「環境・エネルギー分野における新規ビジネスのアイデア創出から、ビジネスプラン策定、実証、開発までを一貫してサポートする。また、カーボンリサイクル技術の研究や実証に関して、研究者や県内企業とのタイアップによる事業化を対象にした最長2年間、最大2000万円の補助制度も創設する。さらに、ゲノム関連技術とデジタル技術を活用した健康・医療分野の支援も行う。10年間に渡って取り組んできた『医療関連産業の育成による産業クラスターの形成』を下地に、県内外企業とのマッチング、実証フィールドの提供、バイオデザインプログラムによる人材育成などの支援に加え、産学官連携による社会実装のサポート、研究開発費用の補助も行う」としている。

 世界に向けて成長するための支援では、海外現地コーディネーターを通じた販路開拓や海外企業とのマッチング、海外スタートアップ企業や政府機関などと連携したプロジェクト創出を支援する「海外ビジネス展開をアシスト!」、広島県内に本社機能を移転する企業に対して、最大1億円の助成を行うほか、移転の検討で短期滞在する場合にもコストの最大90%を助成する「広島県への企業移転をアシスト!」、広島県の100人規模の担当職員が、企業や人材とのつながりを活かし、マンパワーでアシストする「スタートアップフレンドリー!」で構成する。

 「JETROと連携した独自の海外展開支援プログラムや、インド最大級のインキュベーション施設であるT-HUBとの連携も計画している」と述べた。

  広島県では、これまでにも、県内各地でデジタル技術を活用して、新たなビジネスの実証実験を行う「ひろしまサンドボックス」の実施や、政府が指定する「スタートアップ・エコシステム拠点都市」として、イノベーション拠点である「イノベーション・ハブ・ひろしまCamps」を提供し、スタートアップ支援施策に積極的に取り組んできた経緯がある。

 ひろしまサンドボックスでは、108件の実証プロジェクトを推進。首都圏からのデジタル系企業誘致は31社に達している。また、起業家や支援者などの登録者数は5000人に達しているという。

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