週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

少子化時代に生徒を50名から200名に増やした競争力とは?

生き残るピアノ教室になるために ローズマリーに聞いたLINE WORKS導入のわけ

2022年02月16日 12時00分更新

LINE WORKSでライブ授業も カレンダーの利用も計画中

 実際に導入したのは約1年前で、有償版を契約して、今はトークを中心に使っている。講師全員が所属するグループ、麻布教室と成増教室のグループ、講師と保護者、生徒でグループが作られ、日々やりとりが行なわれている。また、LINE WORKSの有償プランではユーザーの利用動向を管理者が監査できるので、生徒や講師と秘密契約保持契約を結んだ上で、やりとりを管理しているという。「安心・安全にレッスンするためのコミュニケーションツールとしてLINE WORKSを活用しています」(松田氏)

管理者用の画面。いざという時は会社のシステム管理者がログを確認できるのもビジネス版ならでは

 トークではレッスンや送迎の調整、コンテスト情報やレッスン料に関するやりとりが中心だが、ローズマリーで特徴的なのは、LINE WORKSのビデオ通話が多用されている点。ライブでレッスンが行なわれたり、演奏した動画をやりとりしている。「やはりコロナ禍の影響で、オンライン授業できませんか?という依頼や、通えない生徒から自宅での演奏を見てほしいという要望はよくあります。ですから、教室にはスマホの三脚を用意して、LINE WORKSのビデオ通話機能で授業できるようにしてあります。けっこう快適ですよ」とのことで、1日10件近くオンラインレッスンしているという。相手の環境や要望に応じてZoomも併用している。

 今後に関しては、カレンダー機能の利用を計画中だ。「LINE WORKSには共有カレンダーの機能もありますから、どの講師がいつ空きがあるかタイムリーに確認できれば、体験レッスン希望者への対応もよりスピーディになりますよね」と松田氏は語る。

体験レッスン希望者への対応スピードも重要。現在はトークで共有している

ローズマリーで学んだ子が、将来ローズマリーの講師になれるように

 0歳児のリトミックから始まり、習い事としてのピアノ教室、そして音大への受験に至る生徒もおり、ピアノ教育は概してスパンが長い。こうした中、ピアノ教室に通う生徒、通わせる親、ピアノを教える講師、そして運営している教室の4者が、それぞれWin-Winになるというのが松田氏の想いだ。「子供もピアノを楽しみ、親もそんな子供の成長を喜び、そして講師はそんな子供によりそってあげる。これが理想」と松田氏。そのため、講師はレッスンのみに集中できる環境を構築していきたいという。

 こうした理想に向けて、松田氏の試行錯誤は続いている。前述したLINE WORKSやペライチに加えて、たとえば月謝のやりとり。実は個人のピアノ教室ではまだまだ現金の手渡しが普通という世界だ。その点、ローズマリーでは口座引き落としを導入した上に、さらに電子決済まで可能にした。コンクールや楽譜、発表会など月謝以外の経費も手軽に支払えるインフラを整えた。「生徒さんにどれだけサービスできるかです。安心・安全に、気持ちよく来てもらって、うちのファンになってもらいたい」と松田氏は語る。

 こうしたローズマリーのピアノ教室運営メソッドを、松田氏は同じ悩みを抱えるピアノ教室に拡げていこうとしている。あくまでボランタリーという立場だが、福岡と川崎のピアノ教室でWebサイト構築や更新、集客を手伝っているという。レッスン以外のノウハウが不足する教室に真っ先に勧めるのが、個人の住所や電話を晒さないことと、対応策としてのLINE WORKS。LINEとつながる仕事用の連絡先が持てる、というだけで軒並み好反応だと言う。

 多くのピアノ教室では、指導が属人化しているため、講師が辞めれば、ピアノ教室も閉鎖になってしまう。しかし、いま板橋教室を運営しているのは、ピアノ講師である奥様の教え子だ。「音楽教育と言うからには、今まで学んで来たものは後世に残すべきだと私は思うんです。だから、私たちがいなくなっても、ローズマリーは続いて欲しい。ローズマリーで学んだ子が大人になり、将来またローズマリーでピアノの講師になってくれるとうれしいですね」と松田氏は語る。

関連情報: 
オンラインセミナー「(無料)塾・スクール/保育施設従事者向け 職場の情報共有を活性化するLINE WORKS活用のコツ」を3月14日(月)の11時・14時、3月25日(金)の11時・14時にそれぞれ開催。

申し込みURL:https://bit.ly/3sBx4BM

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう