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ラック エンタープライズ事業部 ソリューション推進部 担当部長 横山竜太郎氏×AnchorZ 代表取締役 CEO 徳山真旭氏

新しい認証技術「バックグラウンド認証」で、ID/パスワードが完全になくなる世界を目指す

“ID/パスワード”からの脱却を実現するソリューションの具体像

──ラックとしてAnchorZの技術には特にどういった期待を抱いていますか。

横山 さきほど徳山さんがお話したように、ビジョンは明確です。ラックとしては、利便性を高めてかつ安全な社会に役立つソリューションとして打ち出していくかが重要になってくると考えています。いま世の中にある認証技術とは似てはいても実はまったく非なるものですから、仕組みを知る事で安全性が向上することを理解してもらうことが最初のステップとなるでしょう。

 それには“ID/パスワード”という既存の認証からの脱却が欠かせません。そして生体認証も含めて、現在のセキュリティは“入ってしまえばそれで終わり”ですが、バックグラウンド認証ではシステム内で生成されるアバターの振る舞いが本人と異なれば、その時点で排除してしまうというリアルタイム性を維持します。これは静止画と動画ぐらいに異なるものなのです。

徳山 新規性・進歩性が認められ、国際特許化されたことは差別化ポイントとしては非常に良いことなのですが、その反面、前例のない認証技術では堅牢性の客観的評価が大変難しくなります。そのため、セキュリティの分野で産総研へアルゴリズムの論理的な分析と解析を依頼したところ、大変興味を持っていただき、共同研究の契約を結ぶことができました。現在も定期的にチームで意見交換しながら弊社認証アルゴリズムの論文を共同で完成させ、世界的な学会で採択されるよう研究開発を続けています。

──ラックでは、今回のようなスタートアップとの協業ではどのようなスタンスをとっているのでしょうか。

横山 基本的には、技術面について、使えるか、使えないかといった検証までを行っています。そこは大手であるかベンチャーであるかは関係なく、使える技術のあるところと協業していくスタンスです。

──バックグラウンド認証を用いた具体的なソリューションのイメージをいくつか紹介してください。

横山 まずは各業界で流通している既存の認証行為と、どのように連携させるかで、ソリューションを構成できると考えています。それと自分がぜひやりたいのが、例えばスマートシティやスマートスタジアムといった“場”において、入場から買い物、コミュニケーションなどあらゆるサービスが1つで済んでしまうようなソリューションにすることです。そのためには、IoT機器とのセキュアな連携技術なども必要となってくるでしょう。

 重要なのは、真の意味でIDもパスワードも必要なくなり、自分で常に管理はしているものの、あたかも息を吸っているように自然に安心・安全が保たれているような世界を実現する仕組みをつくることであり、そこまで考え続けるのがセキュリティ業界で旗を振るラックの使命だと考えています。

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