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2022 LINE WORKS DAY開催 福山社長の初日キーノートレポート

導入が35万社を突破したLINE WORKS 気になる新プランの中身は?

2022年01月20日 12時00分更新

 2022年1月19日、「現場の即戦力 会社の競争力を高める」というテーマを冠したLINE WORKSのプライベートイベント「2022 LINE WORKS DAY」がオンライン開催された。ワークスモバイルジャパン 代表取締役社長の福山耕介氏は、LINE WORKSの成長やユーザーの利用動向をデータで紹介。あわせて2022年4月からスタートする新プランが披露された。

ワークスモバイルジャパン 代表取締役社長 福山耕介氏

ユーザーは35万社・400万ユーザーに拡大 成長はグローバルでもトップレベル

 「収束から成長へ。働き方の進化と組織が求める「即戦力」」をテーマにした福山氏のキーノートは、成長を続けるLINE WORKSの最新動向から披露された。

 LINE WORKを提供するワークスモバイルジャパンは「“仕事、楽しい”を拡げる 47都道府県ではたらくすべての人に」をミッションにビジネスチャットのサービスを提供している。では、実際のサービスの浸透具合はどうか? たとえば、北海道の帯広市ではすでに4人に1人、渋谷区では7人に1人、大阪市では9人に1人、沖縄市浦添市13人に1人がLINE WORKSで仕事をしているという。

 近年ビジネスチャットは飛躍的に成長しており、国内の有償ビジネスチャットの普及率は2017年の3%から、直近では12~13%にまで高まっている(富士キメラ総研調べ)。有償・無償をあわせると、おおむね3~4割程度の企業がビジネスチャットで利用していると見られるという。

 もちろん、LINE WORKSの導入も拡がっている。2019年は5万社・100万ユーザーだったが、現在は35万社・400万ユーザーに拡大した(関連記事:LINE WORKSが最新の実績数値を発表、2021年には35万社・400万ユーザーの規模に拡大)。近年はビジネスチャット市場の成長率も上回る伸びを示しているという。「世界の法人向けSaaSビジネスにおいても、この成長はだいたい3~4位くらいのスピード感になっている」と福山氏はアピールする。

ビジネスチャットの普及とLINE WORKSの成長

 こうしたLINE WORKSの機能強化について福山氏がアピールしたのは、3つの約束だ。

 1つめの約束は、使いやすさ。利用する人のIT経験によらないLINEの使いやすさを目指しているという。「ITツールって、年が経つほどややこしくなってくることがある。でも、われわれはとにかく使いやすいツールの開発に投資していきたい」と福山氏は語る。

 2つめは約束は、コミュニケーション機能への投資。昨今導入が進むリモートワークなど、離れたチームと密接なコミュニケーションを図れる機能に注力していくという。

 そして3つめは、セキュリティとインフラ。「法人ユーザーに向けて、とにかく安心して使える、セキュアな環境と安定したサービスを提供して参ります」と福山氏は語る。

 特に利用頻度が上がってきた音声・ビデオ通話についても紹介した。コロナ禍でのWeb会議の隆盛を受け、この1年LINE WORKSでは音声・ビデオ会議の機能を大幅に強化してきた。最新のバージョン3.0では、LINE WORKSのアカウントを持っていないゲストユーザーでも利用可能で、フリープラン・有償プラン問わず利用できるという。

コロナ禍で伸びたビデオ会議と社外コミュニケーション

 続いて福山氏は、拡大を続けるLINE WORKSの利用シーンについて説明した。

 まずはビジネスチャットとしては王道の使い方となる社内コミュニケーション。さまざまなコミュニケーションがある中、この1~2年で増えたのは社員の健康管理という用途だという。トークはもちろんだが、アンケート機能を使い、社員の健康と安全を確認するという使い方だ。

 もう1つ重要になっているのは、雑談だという。「部下、上司、仲間とのコミュニケーションがなかなかとりにくい中で、雑談することでエンゲージメントを社内で高めている」(福山氏)という。

 データで見てみると、伸びたのはビデオ通話。「チャット、トークだけではなく、ビデオ会議で顔を見ながらコミュニケーションする。もしくは離れた現場をテキストではなく、ビデオ通話で確認しながら仕事をする。こうしたビデオ会議の用途が昨年に比べて7.5倍に増えている」と福山氏は語る。さらに、1対1の通話ではなく、1対多のグループ通話の利用も、この1年で25倍伸びているという。

ビデオ通話は7.5倍、グループ通話は25倍

 また、LINE WORKSを使って、顧客や取引先、面接者、代理店、採用内定者など社外とのコミュニケーションを図るユーザーも増えている。LINE WORKSの最大の売りは、国内で8800万人のユーザーを抱えるLINEとの相互接続性。実際、LINE WORKSとつながっているLINEユーザーは1400万人にのぼっており、ほぼ6人に1人はLINE WORKSとつながっているLINEユーザーになる。

 LINE WORKSのユーザー同士をつなぐ外部接続数もすでに50万人を超えているという。前述した通り、LINE WORKSのユーザーは400万人を超えているので、このうち50万人は社内に閉じず、社外とのやりとりでLINE WORKSを使っていることになる。「社内だけではなく、社外とコミュニケーションできるプラットフォームになってきている」と福山氏はアピールした。

 そして、昨年は日経コンピュータの顧客満足度調査においても「グループウェア/ビジネスチャット部門で1位を獲得。また、レビューサイトのITreviewからは、「ITreview Grid Award 2021 fall ビジネス部門で「Leader」に選出。さらに調査会社である富士キメラ総研、ITRなどからも、有償ビジネスチャットで4年連続国内シェアNo.1となっている。

 LINE WORKSが目指すのは、社内だけでなく、社外も含めたコミュニケーションがLINE WORKSで完結する世界だ。「名刺上にLINE WORKS IDさえあれば、仕事のコミュニケーションができる。こういう世界をみなさんといっしょに作っていきたい」と福山氏は語る。

 こうしたLINE WORKSユーザーとして登壇したのは、WeWork Japan最高経営責任者 ジョニー・ユー氏。世界38カ国、国内では7都市39拠点でフレキシブルオフィスを展開しているWeWorkだが、入居するメンバー同士のコミュニケーションが課題となっていたという。こうした中、WeWorkオフィスに入居するワークスモバイルジャパンからLINE WORKSの利用を提案され、従業員同士はもちろん、入居メンバー同士、入居メンバーとWeWorkとのやりとりにLINE WORKSを活用しているという(関連記事:LINE WORKS、入居メンバー向けコミュニケーションプラットフォームとしてWeWork Japanが採用)。

 ユー氏は、「ワークスモバイルジャパン様とはLINE WORKSの導入をきっかけに、今後さまざまな分野でコラボレーションさせていただくことになり、大変うれしく思っています。いっしょに日本を盛り上げていきましょう」とコメントした。

WeWork Japan最高経営責任者 ジョニー・ユー氏

2022年4月から新プラン その背景とは?

 今春放映予定のCMを披露した福山氏は、LINE WORKSのプロダクトとしての機能についてより深く説明。「使いやすい」「モバイルファースト」「トーク中心」という3つのコンセプトを挙げる。そして、今回追加されたのが「選びやすさ」だ。

 LINE WORKSは今までフリー、ライト、ベーシック、プレミアムという4つのプランが用意されていたが、「どこから始めてよいかわからない」という声があったという。こうした声に応えたのが「選びやすさ」というコンセプト。これを受けて、2022年4月には新プランに移行することが発表された。

 新プランでは有償のライト、ベーシック、プレミアムの3プランがスタンダートとアドバンストの2つになり、ビジネスニーズに応じてオプションを追加するという形態になる。スタンダードプランは必要な機能がすべて含まれているため、悩んだときはスタンダードプランを使えばよい。アドバンスドプランでは、スタンダードプランにメール、ストレージ機能のDriveが追加されるため、LINE WORKSをグループウェアのように利用できる。

 この結果、LINE WORKSは100名を上限としたフリープラン、すべての機能を網羅したスタンダードプラン、そしてメールとDriveを含んだアドバンスドプランになる。利用料金に関してはフリープランはこれまで通り無料で、スタンダードプランは450円/月、アドバンスドは1ユーザー800円/月となる(ともに年間契約)。

新プランの料金

 オプションとしては、ストレージ、Drive、アーカイブ、アドレス帳などが用意される。今までトーク中心のライトプランでは個人のDriveが利用できず、上位のベーシックプランを契約する必要があったが、プラン改定によってDriveも追加可能になった。また、社外のLINEユーザーを登録したことでアドレス帳の制限に突き当たっても、オプションとしてアドレス帳の登録数を拡張することができるという。こうした新プランについて、福山氏は「お客さまのニーズや使い方に寄り添ったプランになる」とアピールした。

 新プランの移行は2022年4月から。年額契約をしているユーザーは4月以降の契約更新時にプラン変更されるが、1年間は旧料金で利用できる。つまり、現在ライトプランユーザーはスタンダードプランに移行されるが、1年間は現行の300円/月で利用できるわけだ。

 また、月額契約の場合は4月以降から料金も含めて新プランに切り替わる。ただし、4月時点で年間契約に切り替えた場合は、次回の契約更新まで料金は据え置きになる。LINE WORKSをハードに使っているライトプランユーザーは、月額契約から年間契約に切り替えを検討した方がよいようだ。

新プランへの移行

 キーノートの後半、福山氏は記念すべき200件目の取材事例となった新潟県三条市や昨年も盛り上がったスタンプ総選挙、LINE WORKSのユーザーグループであるLWUGの活動などを紹介しつつ、あわせて「即戦力」をテーマに、LINE WORKSの新機能、社外連携、アナログ断捨離、ソリューション連携について解説する4つのセッションについて登壇者とともに紹介した。

 LINE WORKS DAYは20日も開催されており、14時から登録なしでライブ視聴可能。初日のアーカイブ動画もすでに視聴可能となっている。

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