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第43回NEDOピッチ「医療・ヘルステック ver.」レポート

ワクチンだけじゃない 世界を救う医療技術を開発するスタートアップ4社

2022年03月30日 11時00分更新

 世界で最も速く高齢化社会が進んでいる日本においては、以前から医療・ヘルステック分野のイノベーションが熱望されている。それに加えて昨年よりコロナ禍が世界経済に極めて大きなインパクトを与えた結果、医療・ヘルステック分野に多くの投資がなされるようになってきた。

 2021年10月8日に開催された第43回NEDOピッチは、この医療・ヘルステック分野にフォーカスを当て、当該分野で新しいビジネスを立ち上げようとしている4社のスタートアップを集めたピッチイベントだ。世界中で熱い戦いが繰り広げられている医療・ヘルステック分野4社のピッチの様子を紹介する。

拡大する一途のヘルステック領域を概観する

 4社によるピッチに先立ち、医師でもありヘルステック分野のプロモーターでもある上田悠理氏(以下、上田氏)から、ヘルステック分野の事業環境の紹介が行われた。

ヘルステックプロモーター 医師 上田 悠理氏

 4社によるピッチに先立ち、医師でもありヘルステック分野のプロモーターでもある上田悠理氏(以下、上田氏)から、ヘルステック分野の事業環境の紹介が行われた。

 医療・ヘルステック分野へのベンチャー投資は、近年増加の一途をたどっており、2020年には世界で465億ドルの資金調達が実施された。2021年も同様の傾向が続いており、第3四半期が終了した時点で310億ドルを超える資金が調達されたと上田氏は述べている。

「2019年くらいまではヘルステックのわかりやすいところではデバイス系やセンシング技術、またはコンシューマフェイシング(顧客/患者対応)などに資金が集まる傾向にあった。2020年後半または今年あたりからは病院の業務効率化といった医療インフラを効率化する領域に対する関心が高まってきている印象を受ける。

 また、患者さんが自分で自分のケアの形を選択するコンシューマフェイシングにも引き続き注目が集まっており、例えばプリマリケア分野でナスダックに上場したOne Medicalがある。テンセントが巨額の投資を行ったミャオショウ・ドクター(妙手医生)は処方箋から医師への相談まですべてをオンラインで購入できるプラットフォームを提供している。

 特に単なるオンライン診療プラットフォームではなく、リアルと(オンライン)サービスを一体化したモノとか、病院に対して業務効率化などの付加価値を提供するものが延びてきている。ただ、インフラの効率化が注目されている分、より専門知識が重要になってきており、医療インフラをビジネスとして成立させるためにはどうするのか、という課題感が顕著になってきている。

 これら以外では、フェムテックがトレンドワードになってきている感じがする。フェムテック領域は非常に注目を集めているが、まだ(フェムテック領域で)本当にしっかりと技術を深堀している企業が世界でもあまりないので、まだまだ拡大していく可能性のある領域だと思っている」(上田氏)

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