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裸眼で視聴できる小型のVRグラス「VIVE Flow」を体験!眼鏡を掛ける感覚に近い驚きの使い勝手をレポート

2021年11月12日 11時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

裸眼で使えて高解像度、軽量で手軽な使い心地

 実際に体験会でVIVE Flowを被ってみたが、まずはその軽さに驚いた。一体型のVRデバイスは、競合の「Oculus Quest 2」が571gで、VIVE Flowの重量はその半分以下。2本のヒンジで頭を挟むだけという構造だが、本体が軽いため特にズレ落ちる心配は感じず、装着感は非常に快適。

眼鏡と完全に同じくらいとは言えないが、従来のVRデバイスと異なり、ヘッドバンドを頭の上に掛けることも、ヘッドセットで耳を塞ぐこともない。そのため、髪型が乱れず、耳が蒸れることもなく快適にVRコンテンツが楽しめた

 また、前述したが左右0.01もない筆者の視力でも裸眼ではっきり視認できた。実際に利用できるVRコンテンツにどういったものがあるのかまだ分からないが、同社の「VIVE Focus 3」のように両手に持つコントローラーがある訳でもないので、ガンシューティングなど本格的なVRゲームなどの移植はし辛いだろう。

操作中の様子。スマホの上下左右のタッチ、スワイプにて操作する。VR空間の境界はVIVE Flowを中心に一定範囲内になっていて、場所を移動しても毎回設定する必要がないのも嬉しいところ

 後日ハンドトラッキングには対応するというので、そうした場合はガンシューティングやリズムゲームといったVRゲームも利用できるようになるかもしれないが、そうしたVRゲームを激しくプレイする訳でもなければ、VIVE Flowがズレ落ちる心配もなさそうだ。

 起動時は、VIVEシリーズでお馴染みの360度で描かれた、光のモニュメントが広がる夢のある美麗な映像が流れる。解像度的には、従来の「VIVE Pro」レベルの精細さで映像が楽しめる。

 チュートリアルでは、視差調整、スマホの接続とコントローラー操作が丁寧に映像付きで解説されるので、VRデバイス初心者の人でも安心だ。

 最初に体験したのは、VRで不思議の国のアリスの世界を体験できる「Curious Alice」。本コンテンツは、底の深い穴に落ちるところから始まるので、この冒頭はややVR慣れしていないと酔いを感じる。

 しかしながら、魔法の薬を飲み小さくなり、大きな扉からアリスの美しい世界を体験できるので、女性から子供まで楽しめるVRで味わえる非日常感が堪能できる。

 VIVE Flowで提案するメンタルフローに即するコンテンツとしてVR空間でモナリザを視聴する、または陶芸を楽しめる「Let's Create! Pottery」がプレイできたが、今回は「Let's Create! Pottery」を体験。スマホをスワイプして粘土の形を変え、満足のいく形ができたら竈に入れて焼き上げる。

 誰もいないVR空間で黙々と絵を描いたり、今回のように陶芸をしたりといった、何かを作るという行為は、日常で疲れた精神を癒すのに役立ちそうだ。ただ、このコンテンツで言えば、ハンドトラッキングでの方がより実在感があるので、ハンドトラッキングの対応が欲しいところだ。

 XRアーティストが作った空間を楽しめる「STYLY」では、いろんな非日常的なVR空間を楽しめる。こうしたVRコンテンツは、従来のPC用VRだとPCを起動してVRデバイスを被ってといったひと手間があり、あまり意欲的に使う気になれなかった人もいるだろう。

 しかしながら、VIVE Flowでは眼鏡すら必要ないので、それこそ就寝前にちょっと被って楽しむといった、新しいライフスタイルに組み込める手軽さを感じた。

 また、最後に接続したスマホの画面を表示し、視聴してみた。スマホの画面は、VR空間の目の前に大きなスクリーンで表示される。スクリーンのサイズや場所は変更でき、スマホのコンテンツが楽しめる。

 たとえば、新幹線など長距離移動中に誰もいないパーソナルな空間を仮想的に作り出し、Netflixなどの動画アプリや、ブラウザーでYouTubeを視聴できる。また、手元が見れないので慣れは必要だろうが、やろうと思えばスマホゲームも楽しめそうだった。リズムゲームのライブシーンを視聴するには向いてそうだ。

 また、白黒ではあるがパススルー機能も搭載。電源ボタンを2回タップすると、パススルーで前面カメラの映像が見れる。しかし、本機はグラス型と眼鏡に近い感覚で簡単に持ち上げて、一時的に肩に掛けたりできるので、外してしまった方が早いかもしれない。

前面のカメラでパススルーができ、VIVE Flowを掛けたまま外を白黒で確認できる。人の顔が分かるのどの解像度はあるが、直接見るのと変わらない、という訳ではないので、あくまで補助的な機能と考えるべきだろう

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