上位モデル「XPG Core Reactor」との違いも含めて見る
750Wで7000円台のお手頃電源ユニット「XPG PYLON」の実力はしっかりしたものか?
「XPG PYLON」はADATAのゲーミングブランド「XPG」シリーズから登場したATX電源ユニットだ。80PLUS BRONZE対応の750W電源で7000円台で買えるコストパフォーマンスの高さが魅力と言える。
一方、XPGブランドには「XPG Core Reactor」という電源ユニットもある。こちらは80PLUS GOLD対応で同じ750Wでも実売価格1万5000円前後のハイエンドモデルだ。
XPG PYLONのような製品はハイエンドモデルと比べると当然異なる部分はある。それがどこなのか、どういう部分でコストダウンされているのか、ユーザーにとってはどうなのか、対比しながら見ていこう。
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奥行き140mmのコンパクトサイズ、出力仕様も共通
XPG PYLONとXPG Core Reactorの主なスペックは以下に表でまとめた。サイズは両者で共通。奥行き140mmのコンパクトサイズで、小さめのPCケースにも無理なく収まる。出力表の使用も共通。+12V系はシングルレールで750Wを+12V系だけで出力可能。このあたりは、近年の定番的な仕様を踏襲している。
XPG Core Reactor 750W | XPG PYLON 750W | |
---|---|---|
80PLUS | GOLD | BRONZE |
ファン | 120mm FDB | 120mm FDB |
ファン速度 | 660~2400rpm | 864~2000rpm |
ケーブル | フルモジュラー | 本体直付け |
コネクター | ATX 20+4ピン、ATX 12V 4+4ピン×2、 PCI-Express(6+2ピン)×6、SATA×12、 4ピンペリフェラル×4 |
ATX 20+4ピン、ATX 12V 4+4ピン、 PCI-Express(6+2ピン)×4、SATA×8、 4ピンペリフェラル |
保護回路 | OPP、OCP、OVP、UVP、SCP、 OTP、NLO、SIP |
OPP、OCP、OVP、UVP、SCP、 OTP、NLO、SIP |
コンデンサ | 100%日本製105度 | メイン日本製105度 |
保証期間 | 10年間 | 3年間 |
サイズ | 150×140×86mm | 150×140×86mm |
一方で大きく異なるのが、ケーブル構成だ。XPG Core Reactorは好きなケーブルだけを使えるフルモジュラーであるのに対し、XPG PYLONはボディーに固定されている。不要なケーブルをまとめる場所が必要になる。
またXPG PYLONは、コネクター/ケーブルの数も相対的に少ない。特にCPU用の8ピン(4+4ピン)コネクタが1つのみであることは確認しておきたい。Intel/AMDともにハイエンド以上のマザーでは、超メニーコアCPUの利用やオーバークロック向けにCPU用のコネクターを2基搭載する製品が少なくない。一般的な自作PCユーザーにはあまり関係ないが、こうした超ハイエンドシステムでの利用は基本的には想定されていないことがわかる。
80PLUS BRONZEとGOLDの差は5% これをどう判断するか
変換効率の指標である80PLUSのグレードは、XPG Core ReactorがGOLDであるのに対し、XPG PYLONはBRONZE。GOLDとBRONZEの認証を受ける基準の変換効率には5%の差がある。つまり、消費電力が同じシステムで利用した場合、XPG Core Reactorの方がXPG PYLONよりも5%だけ消費電力が低く、発熱が少ないと考えることができる。これは静音性にも影響してくる。実測値がどのくらい違うのかについては後ほど検証する。
電源の品質、寿命に直結するコンデンサについては、XPG Core Reactorは、100%日本製の105度品を採用している。一方。XPG PYLONは、メインコンデンサに日本製105度を利用しているという書き方になっている。実際に内部を見てみると、一次側にある整流用の大型コンデンサは日本ケミコン製、2次側は中国Eliteのコンデンサが多用されている。
また、XPG Core Reactorは、入力電流のノイズを除去するインレットフィルタの回路群や放熱用ヒートシンクなどを見ても明らかにコストがかかった丁寧な実装であることも確認できる。このあたりの差は保証期間の差にも反映されている。
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