最大60%の性能向上を実現した新型microSDカードの実力はいかに?
新発売のSamsung microSDカード「PRO Plus」と「EVO Plus」の高速性能を徹底検証
Samsungから、従来のデザインを一新したmicroSDカードの新型ラインアップ「PRO Plus」と「EVO Plus」が発売された。PRO Plusは128GBから512GBの3容量、EVO Plusは64GBから512GBの4容量でUHS-I U3のスピードクラス、V30のビデオクラス、A2のアプリケーションクラスに対応(64GB EVO PlusのみUHS-I U1、V10、A1)している。
どちらもUHSバススピードモードUHS-I DDR200をサポートしており、PRO Plusは最大160MB/sの読み出し速度と最大120MB/sの書き込み速度、EVO Plusは最大130MB/sの転送速度を実現している。従来モデルでは、読み出し速度が最大100MB/s、書き込み速度が最大90MB/sだったので、それぞれ最大で60%、33%の性能向上を果たしたことになる。
今回、この新ラインアップの転送速度が実測ではどのようになるかテストしてみた。計測したmicroSDカードは下記の3種類だ。
- PRO Plus 512GB(MB-MD512K)
- EVO Plus 256GB(MB-MC256K)
- EVO Plus 64GB(MB-MC64K)
計測に際し、先に注意すべき内容を整理しておこう。本来、UHS-I対応のSDカードはSDR104という規格に準拠しており、インターフェース速度上の上限は104MB/sとなる。一般的なSDカードの読み出し速度が100MB/s以下、書き込み速度が90MB/s以下なのは、これらが理論値からオーバーヘッドを加味した際の実効速度となるからだ。
今回、UHS-I対応のmicroSDカードでありながら、PRO Plusで最大160MB/s、EVO Plusで最大130MB/sという速度が実現できるのは、DDR200に対応したカードリーダーを使用した場合のみであり、DDR200非対応の環境(つまりは、一般的なカードリーダー)では、100MB/s程度の実効速度が上限となる。
上記を踏まえ、テストに使用したカードリーダーは下記の6種類。複数のスロットを装備するカードリーダーでは、microSDカードの計測を付属のSDカードアダプターを使って、SDカードスロットでも行なった。いずれのカードリーダーもUHS-I(DDR200)に対応している。
なおDDR200対応は、現状カードメーカーが独自に謳っているケースがほとんどであるため、カードとカードリーダーのメーカーが同一でないと速度が出ないことがある。そこで、異なるメーカーのカードリーダーを使用した場合の速度も計測し、相性問題の有無も調べることにした。
検証に使用したカードリーダー | ||||||||||
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メーカー | 製品 | スロット種別 | ||||||||
Samsung | SD PRO Plus専用カードリーダー※ | SD | ||||||||
Samsung | microSD PRO Plus専用カードリーダー※ | microSD | ||||||||
SanDisk | ImageMate PRO USB-C | SD、microSD、ほか | ||||||||
Lexar | LRW450U-BNNNJ | SD、microSD | ||||||||
Kingston | MobileLite Plus SD リーダー | SD | ||||||||
Delkin | DDREADER-55 | SD、microSD |
※現時点で日本での販売は未定
接続したPCはASUSの「ZenBook Pro Duo(UX581GV-9980)」。第9世代のCore i9-9980HKを搭載しており、USB 3.2 Gen2 Type-AとThunderbolt 3のType-Cを装備。SanDiskのImageMate PROのみ接続ケーブルの端子がType-Cのため、Thunderbolt 3ポートに接続して計測。それ以外はType-Aを使用した。
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