パワフルなCPU性能とビジネスユースには十分なGPU性能
試用機の主な構成 | |
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CPU | AMD「Ryzen 7 5700G」 (8コア/16スレッド、3.8~4.6GHz) |
PCケース | RAIJINTEK「METIS PLUS」 |
マザーボード | GIGABYTE「B550I AORUS PRO AX」 (B550、Mini-ITX) |
メモリー | Crucial DDR4-3200 16GB(8GB×2) |
ストレージ | Crucial CT500P2SSD8 500GB (PCI Express 3.0接続) |
電源ユニット | 650W 80PLUS Gold |
OS | Microsoft「Windows 10 Home(64ビット)」 |
サイズ | 190(W)×277(D)×254(H)mm |
価格 | 12万5750円 |
PG-RT5の標準構成ではCPUに6コア/12スレッドの「Ryzen 5 5600G」を搭載するが、今回お借りした試用機はBTOカスタマイズで8コア/16スレッドの「Ryzen 7 5700G」へ変更した状態(+1万4500円)のものになっている。それでは実際にベンチマークを実行し、最上位Ryzen APUの実力を検証していこう。
まずはCPUのマルチスレッド性能とシングルスレッド性能を測る「CINEBENCH R20」および「CINEBENCH R23」の結果から。CINEBENCH R20のスコアーはマルチが5437pts、シングルが579pts。CINEBENCH R23のスコアーはマルチが13635pts、シングルが1494ptsとなった。
PG-RT5に搭載されるRyzen 5000Gシリーズは、Zen 3世代のCPUコアを採用し、前世代モデルからIPC(命令実行効率)の向上を図ったモデルだ。参考までに、同じく8コア/16スレッドでZen 2世代のコアを搭載する前世代の「Ryzen 7 PRO 4750G」を搭載したPCでは、CINEBENCH R20のスコアーはマルチが4820pts、シングルが507ptsというものだった。マルチで約13%、シングルで約14%の伸びを記録しており、CPUコアの進化による性能向上を確認できる。
次にPC全体の性能を測る「PCMark 10」でのベンチマークを行なった。総合スコアーは6533で、その内訳は、アプリ起動速度、ビデオ会議、Webブラウジングの性能を測る「Essentials」が10375。表計算や文書作成のオフィスソフト性能を測る「Productivity」が10044。写真編集や動画編集などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が7262というものだった。
特にEssentialsとProductivityはスコアー10000を超えており、最上位Ryzen APUの面目躍如といったところだ。ビデオ会議を行なったまま様々な作業をこなすといったテレワーク用途にも十分に応えられるだろう。
一方で、GPU性能がスコアーに大きく寄与し、ビデオカード搭載PCであればスコアー10000を大きく超えることも珍しくないDCCのスコアーは7262と、さすがに少し見劣りする結果になっている。ただ、同じく8コア/16スレッドの「Core i7-10700K」の内蔵GPUではDCCスコアーが約4200程度だったので、内蔵GPUとして高いポテンシャルを持つことは確かだ。
Ryzen 7 5700Gの内蔵GPUのパフォーマンスをもう少し詳しく確認するために、3Dグラフィックス性能を測る定番ベンチマーク、「3DMark」でのパフォーマンス計測も行なった。
DirectX 11のテスト「Fire Strike」では、フルHD解像度(1920×1080ドット)のFire Strike無印が3926、4K解像度(3840×2160ドット)のFire Strike Ultraが931という結果になった。DirectX 12のテストを行なう「Time Spy」では、WQHD解像度(2560×1440ドット)のTime Spy無印が1585、4K解像度のTime Spy Extremeが756という結果だ。
こちらもあくまで参考値だが、Core i7-10700Kの内蔵GPUでの3DMarkスコアーはFire Strike無印が約1320、Time Spy無印が約520というものだったので、やはり比較すると内蔵GPUとしては十分高い性能であることは確かだ。
なお、前世代APUのRyzen 7 PRO 4750Gの3DMarkスコアーと比較してみたところ、ほぼ誤差の範囲で同じスコアーという結果だった。Ryzen 5000Gシリーズは内蔵GPU部分にほとんど手を加えていないとされており、それが確かめられた格好だ。
続いてストレージの速度を測る「CrystalDiskMark 8.0.4」で、搭載されているM.2 NVMe SSDの速度を測ってみた。試用機に搭載されていたM.2 NVMe SSDはCrucialのコストパフォーマンス重視モデル「CT500P2SSD8」。PCI Express 3.0接続のM.2 NVMe SSDで、容量は500GBとなっている。
テストの結果はシーケンシャルリードが2334MB/s、シーケンシャルライトが1837MB/sというもので、PCI Express 3.0のM.2 NVMe SSDとしては標準的な速度と言えるだろう。
なお、PG-RT5に搭載されているB550チップセットはPCI Express 4.0に対応しているものの、APU側のRyzen 5000GシリーズがPCI Express 3.0までしか対応しないので、PCI Express 4.0接続のM.2 NVMe SSDに買い換えても性能を発揮できないので注意したい。
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