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王道「濃厚カスタードシュー」や、絶対人気「スフレ・プリン」など

ファミリーマートのスイーツが絶賛進化中! 奇跡のヒット「バタービスケットサンド」などの開発秘話に迫る

2021年08月21日 11時00分更新

文● ASCII  編集●ナベコ
提供: ファミリーマート

 コンビニでふと買ったスイーツのおいしさに日々の疲れを忘れて幸せな気持ちになれた経験がある人は多いのではないでしょうか。お手頃価格で買えて日常生活に安らぎを与えてくれるコンビニスイーツ。その背景には並々ならない開発努力が隠れています。最近だと「バタービスケットサンド」が話題になったファミリーマートに、定番商品や近年のヒット商品の開発秘話をたずねてみました。

定番中の定番「濃厚カスタードシュー」にこめられた想い

 ファミリーマートのスイーツで定番中の定番は「クリームたっぷり!濃厚カスタードシュー」(130円)。2018年4月に発売されてから繰り返しリニューアルを重ねて味に磨きをかけています。前身となる「なめらかクリームシュー」時代よりファミリーマートの歴史とともに歩んできたなくてはならない商品。

「クリームたっぷり!濃厚カスタードシュー」(130円)

 こだわりの卵を使用した、卵のコクと風味が優れた濃厚なカスタードと、歯切れがよくさっくりとした食感のシュー生地が特徴。開発を担当した杉本さんによるとシュー生地が自慢のポイントのひとつ。

 「シュークリームというと当然中身のクリームの部分が主役と思われがちですが、最初にクリームの濃厚さを味わって、後味に残るのはシュー生地の皮の部分。濃厚カスタードシューでは、小麦の風味の良さを追求して、焙煎小麦粉を配合しています。皮だけで食べてもらっても、ふんわりと小麦の香ばしい香りを楽しんでもらえます」と、杉本さん。

濃厚なカスタードクリーム

 皮だけで食べてもおいしいと自慢のシュー生地だそうです。濃厚カスタードシューは今年1月にもシュー生地の配合を見直して、香ばしさと口どけを高めてブラッシュアップしています。凝りに凝っているようにも思えるほど、細部までこだわり抜いているわけですね。

シュー生地の皮は、皮だけで食べても小麦が香っておいしい

●実は一番おいしいのはでき立てではない

 焼き菓子というと、でき立て、焼き立てが一番おいしそうなイメージがありますが、実はファミリーマートの濃厚カスタードシューはでき立てが一番なわけではないんです。

 「工場から出荷して、店頭に並んで、お客さまに手に取ってもらうタイミングで一番おいしくなるように逆算しているため、実は工場でできたてのものを食べてもらってもイマイチと思われるかもしれません。濃厚カスタードシューの場合、クリームとシュー生地が配送の時間を経てしっかり馴染んでくれて、それで商品のおいしさにたどり着きます(杉本さん)」

 なんと、配送の時間を計算しているとのこと。もちろん開発段階においても、でき立てではなく数日おいてから試食するというのを繰り返しているそうです。試食ひとつとっても、作ってすぐに味見するわけではないので時間がかかっています。

●「王道」にこだわって実直に進化

 シュークリームは世に数ある中、ファミリーマートの濃厚カスタードシューが他とは違う点はなんでしょうか。率直に杉本さんへ聞いてみました。

 「濃厚カスタードシューを自分は“王道”と表現しているんですけど、逆にいうと、ものすごく個性があるとか、分かりやすい特徴があるとか、そうではないと思うんです。目指しているのは老若男女関係なく幅広い人に食べてもらって、受け入れてもらえるシュークリーム。ですので、定番感ある味のベースを変えず、いかにおいしさや食べやすさを引き出すかを追求しています」とのことでした。

男性、女性の両方から人気

 言っていることは簡単に聞こえますが、素朴ながらもおいしい、というのを実現するのは並大抵ではないこと。

 「実は、当たり前のことを当たり前にするって難しいんですよね。クリームひとつとっても卵を多く加えると硬くなってしまうので、じゃあ、なめらかにするためにはどうしようと工程を工夫したり、ひとつひとつを丁寧にやっています(杉本さん)」

「濃厚カスタードシュー」などを担当する杉本さん

 濃厚カスタードシューは、購買傾向の男女比がほぼ半々と性別分け隔てなく愛されている商品。その背景には、濃厚カスタードシューを家族の一員のように思いやりをもって丁寧に育ててきた開発担当者の気持ちがこもっています。「原点の味を大きく変えない」というのもこだわっているポイントだそうで、ファミリーマートのシュークリームが久しぶりという人も、あらためて食べると懐かしさを感じるでしょうし、初めて食べる人も、安心感のあるおいしさにホッとできるでしょう。

人の手によって作られる「スフレ・プリン」

 2018年に販売開始された「スフレ・プリン」(278円)は、シリーズ累計販売数5000万個を突破した、今やファミリーマートのスイーツの代名詞ともいえるほどの定番人気商品。チーズスフレを口どけのよいカスタードプリンにのせた一品で、なんといってもスフレ部分のふわっと柔らかで、しゅわっと溶ける“ふわしゅわ”食感が魅力。このスフレ・プリンは意外なほどに生産工程に“人の手”が加わっているんです。

「スフレ・プリン」(278円)

 担当の大塚さんによると「工場でメレンゲを混ぜる工程があるのですが、熟練の作業者が携わってくれていて、メレンゲの泡が壊れないように、攪拌や粘度を目視したり、実際に人の手で混ぜることで確認したりしながら作り上げています」とのこと。

 コンビニの商品は工場で完全自動化で作られている思われがちですが、実はそうでない部分も多いそうです。

 「作業の工程を完全に自動化すればコストは抑えられますが、品質の上でも特別感あるものを生み出せなかったり、他と差別化できなかったりするので、商品によっては手作業の工程を取り入れています。スフレ・プリンは仕上げのスフレをのせる工程も人の手で行なっています。ファミリーマートの商品の中でも、手作業の工程が多い商品といえます」と、大塚さん。

 熟練の人の手があるからこそ作り上げることができるスフレ・プリン。想像以上に「手作り感」のある商品であることに驚きました。スフレ・プリンに限らず、ファミリーマートでは期間限定商品も多く、日々目まぐるしくラインナップが変わるため、対応するためにも人の手による作業は欠くことはできないそうです。

ふわっと柔らかで、しゅわっと溶ける“ふわしゅわ”食感はオートメーションの工場作業のみだと生み出せない

●1ヵ月程度の期間限定品に半年以上費やすことも

 スフレ・プリンは人気シリーズであるだけに、これまでに「まっ白ミルクのスフレ・プリン」や「スフレ・プリン ストロベリー」など様々な期間限定のフレーバーが登場しています。さらにはキャラクターとのコラボや、地域限定品など多岐に展開しています。

 期間限定のフレーバーが店頭に並ぶ期間は、ものによりますが1ヵ月~2ヵ月程度。開発にかかる期間は3ヵ月、4ヵ月など販売期間より長期にわたるものがほとんど。ものによっては半年以上かけて開発されるものもあります。

 「期間限定のフレーバーでも開発には数ヵ月かかります。発売に至らないものも多く、課題を残したまま引き続き温めているものや、コンセプトはできているけれど原料や他の商品との兼ね合いで先延ばしになるものがあります。もちろん企画段階で没になった商品もたくさんありますし、棚に並んでいるものは苦労の上でようやく日の目を浴びることができたフレーバーです(大塚さん)」

期間限定フレーバーも続々と登場

 期間限定のフレーバーひとつとっても大変な開発努力が重ねられているわけです。

●定番商品と人気を二分する!?
 期間限定の「スフレ・プリン ティラミスカフェ」

8月から期間限定で販売されている期間限定フレーバーは「スフレ・プリン ティラミスカフェ」(278円)。2020年9月に販売され好評だったフレーバーがさらにおいしくなって復活したものです。

「スフレ・プリン ティラミスカフェ」(278円)

 エスプレッソ抽出したコーヒーパウダーを使用した口どけなめらかなコーヒープリンに北海道産マスカルポーネを使用した、ふわしゅわ食感のティラミススフレをのせて仕上げたという一品。今回、スフレ部分に使用している北海道産マスカルポーネの配合をアップさせて、より濃厚さやチーズ感をアップさせたとのこと。

 コーヒーのほのかな苦みとマスカルポーネのコクが絶妙で、さらにスフレ・プリンならではのふわしゅわ食感とボリューム感も楽しめ、一度食べるとクセになるという呼び声も高い商品。食べた人の中には「定番のスフレ・プリンよりティラミスカフェが好き」という声も見られます。定番のスフレ・プリンの人気の座が危うし!?

定番の「スフレ・プリン」と「スフレ・プリン ティラミスカフェ」どちらが好み!?

 ティラミスカフェは期間限定フレーバーでありながら、定番フレーバーと人気を分けるくらいに完成度が高い一品ですので、スフレ・プリンが好きな人はもちろん、スフレ・プリン自体が初めてという人も味わってみてはどうでしょうか。どちらも質が高いことは間違いありませんので、2つの味の食べ比べもオススメです。

「スフレ・プリン」「バタービスケットサンド」などを担当する大塚さん

型破りな商品が異例のヒット「バタービスケットサンド」

 「バタービスケットサンド」各種は(228円~)今年6月に登場して、そのおいしさはSNSでも拡散され、瞬く間に評判になりました。発酵バター香るビスケットで濃厚なクリームをサンドした専門店品質に近いバターチーズサンド。ほろほろ食感のビスケットと、口どけのよいクリームの極上のハーモニーを楽しめます。

「バタービスケットサンド チーズ」(228円)

 開発をスタートしたのは昨年の夏ごろから。開発期間一年近くと、他のスイーツ商品と比較しても長めの試行錯誤の時間を経ました。大塚さんによると、開発のきっかけはコロナ禍による巣籠り需要。

「コロナ禍で外出がしづらい事情もあり、コンビニのスイーツを手に取ってもらう機会も多くなりました。そこでコンビニで手軽に楽しんでもらって満足していただけるよう、専門店に負けない品質のスイーツを作りたいと、最近話題になっていたバターサンドに注目しました」と、担当の大塚さん。

ほろほろのビスケット生地と、口どけのよいクリームの絶妙なハーモニーが楽しめる

 しかしバターサンドは、バターのコクがまったりと強く出てしまいがちで、食べ終わった後にも気持ちいい余韻にひたれる味に仕上げるのはなかなか難しかったそうです。

「何度も何度も試作を重ねることで、発酵バターと、ミルクのまろやかな風味と豊かなコクが特徴の北海道産マスカルポーネチーズ、程よい塩味と酸味がありつつなめらかな口あたりのデンマーク産クリームチーズを混ぜ合わせることで、ようやく、濃厚な味わいでありながら、すっきりとした口どけの良いクリームを作り上げることができました(大塚さん)」

 クリームの口どけのよさや、ビスケットのほろっと食感など、バランスにこだわり、試作を重ねたという商品。なるほど、筆者も食べてみたところ、濃厚で上質感があるおいしさながらも、後味の余韻も心地いい絶妙な味わいにうっとりしました。小ぶりですが濃厚なのでこのサイズ感で満足。コーヒーのお供にいただきたい一品です。

●社内でも議論になったリッチな価格の商品

 バタービスケットサンドは直径6cmほど。パクパクと2、3くちで食べてしまえそうなくらいの小ぶりなサイズです。これで、価格は228円~。

コロンとした小さめサイズ

 もちろんパフェ商品などボリューム感のあるものだとさらに高価な商品もありますが、この小ささで200円超えてくるのはファミリーマートのスイーツとしては異例です。

 大塚さんによると「発売にあたって社内で何度も議論を重ねました。グラム単位の価格でいうとかなりリッチな商品になるので、本当に売れるのかと最初は心配されました(笑)」とのこと。

 確かに、しっかりボリュームがある「クリームたっぷり!濃厚カスタードシュー」が130円のところ、それより小さくて200円を超える「バタービスケットサンド」は贅沢な商品にも思えます。しかし、あえて価格は落とさなかったそう。

 「価格を落とすとどうしても原価が厳しくなるため目指していたクオリティに到達できなくなってしまいます。発売するまで、どういう反応をいただける不安でしたが、結果、好評をいただき、ボリューム感やお得感とは別の部分で、満足のいくものを作ればお客さまにも納得いただける時代になってきたことを実感しました(大塚さん)」

 この商品を皮切りに、ちょっと高価格帯のこだわりのスイーツがどんどん世に放たれることも期待できますので注目です。

●食べ比べも楽しい!

写真は左から、バタービスケットサンド チーズ、レモン、ラムレーズン

 バタービスケットサンドは今販売されている商品が「バタービスケットサンド チーズ」(228円)、「バタービスケットサンド ラムレーズン」(248円)、「バタービスケットサンド レモン」(228円)。どの味が好きかは人によってけっこう異なるようですよ。私はおやつに食べるならシンプルな“チーズ”が好みですが、ワインのお供にするなら“ラムレーズン”。あなたはどの味が好みか、食べ比べして試してみてはどうでしょうか。

ファミリーマートのこだわりのスイーツに注目

 コンビニのスイーツは日々進化中! ファミリーマートでは紹介したスイーツ以外でも、トレンドの「マリトッツォ」をアレンジしたクリームシフォンを出すなど、世の中が目まぐるしく変わる中でも、その時ごとにお客さまの要望に応えようと新規商品開発したり、定番品をブラッシュアップさせたりしています。

「クリームシフォンマリトッツオ風」(198円)
クリームたっぷりの話題のスイーツ「マリトッツォ」をアレンジして商品化

 ファミリーマートに並んだスイーツはあなたが手に取ってくれるのを待っています!

※記事中の価格は消費税込み(軽減税率適用8%)

■関連サイト

(提供:ファミリーマート)

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