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ポータブルSSDでM1搭載iPad ProとMac/PCの連携をさらに楽にする

2021年08月23日 08時00分更新

文● 加藤勝明(KTU)  編集●北村

 筆者はずっと原稿書きや画像・動画編集はPCの役目というスタンスを突き通してきた。しかしM1搭載iPad Proの登場で、そろそろ仕事用に取り入れても良いだろうということでM1搭載のiPad Pro 12.9インチモデルを購入した。

 10インチ級タブレットに慣れていた身にとっては重さ(寝そべっている時に顔面に直撃するとかなり痛い)に慣れるまで少し要したが、広くて美しいLiquid Retina XDRディスプレーは快適だし、M1はサクサクと処理ができる。とりあえずLightroomのRAW現像はiPadでやった方がキレイで快適(筆者の使い方だと凝った調整はしない)だ、ということはわかった。

 しかし筆者の作業フローだとiPad Proのカメラで撮影した写真をLightroomで編集するのではなく、デジカメで撮影した画像をインポートして使いたい。だが1回の撮影枚数が多いのでクラウド経由の転送やAirDropなんて使ってられない。

 幸いiPad ProにはUSB Type-Cがあるので、ポータブルSSDを使えば執筆仕事をしているMacやデータ取り用PCと好きなだけファイルのやりとりができる。予算の関係でiPad Proのストレージを256GBに絞らざるを得なかったが、作業中のファイルは最終的にMacに集め、作業後はNASやTimeMachineへというスタイルで仕事をしているため、iPad Proのストレージを大容量化してもあまりメリットはない。iPad Pro/Mac/PCの間で大きなデータを“効率よく確実に運ぶ”にはポータブルSSDが最高なのだ。

 いつもの筆者だとAmazonなどで手に入るポータブルSSDケースにM.2のSSDを組み合わせたDIY感あふれるソリューションに走るところだが、今回はSamsungの外付けSSD「Portable SSD X5(以降X5)」と「Portable SSD T7 Touch(以降T7 Touch)」を試してみることにした。

重視したいのはセキュリティー? それとも速度?

 X5もT7 TouchもexFATでフォーマット済みであるため、PC/Macに接続すれば一発でマウントされるし、iPad Proでも「ファイル」アプリを使えばexFATのファイルシステムにアクセスできるので運用は問題ない。

 X5はThunderbolt 3で接続するパフォーマンス重視タイプ、T7 Touchは厚さ8mmの小型軽量タイプだ。どちらを選ぶのが良いか……は悩ましい話だが、M1搭載iPad ProのType-CはUSB 4(Thunderbolt 4)で最大40Gbpsの通信が可能なので、スペック的にはX5の方に分がある。

 T7 Touchは10GbpsのUSB 3.2 Gen2接続なので外付けストレージとしては速い方ではあるが、最速というわけではない。PCで撮ったゲームのキャプチャー動画を編集することもあるので、大きなデータを扱うなら場合はX5の方が良さそうだ。容量は500GB/1TB/2TBの3種類だが、今回は1TBモデルで検証した。

リード2.8GB/秒、ライト2.3GB/秒(いずれも公称値)を誇る「Portable SSD X5」。NVMe SSDをThunderbolt 3経由で接続することでこのスペックを実現している。重さは150gで、寸法は119(W)×62(D)×19.7(H)mm

X5に同梱されているThunderbolt 3ケーブル。稲妻と「3」の表記があるので非常にわかりやすい

Thunderbolt 3接続だからといって特別な操作は必要ない。同梱のケーブルでiPad Proと接続すれば使える

厚さ8mm、外形はほぼ名刺サイズ(85×57mm)の外付けSSD「Portable SSD T7 Touch」。容量は500GB/1TB/2TBの3種類、本体カラーはシルバーとブラックが用意されている。重量が約58gと軽いのも特徴だ

iPad ProやPC/MacにUSB Type-Cケーブルで接続すると青く点灯する部分が指紋認証センサー。ここに指を乗せればロックが解除される

T7 TouchにはType-C→Type-Cケーブルのほかに、Type-A→Type-Cケーブルも同梱。どちらもUSB 3.2 Gen2(10Gbps)仕様だ

いかにも速そうな雰囲気のX5も良いが、落ち着いたT7 Touchの外観はiPad Proにとてもマッチしている

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