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ソフトバンクが2030年の6Gに向けた最新技術やHAPSの進捗を公開

2021年07月28日 10時00分更新

 ソフトバンクが7月14日に、「ギジュツノチカラ Beyond 5G/6G編」というイベントを開催しました。ソフトバンクの最新技術を紹介する「ギジュツノチカラ」の第3弾で、今回は、次世代通信「Beyond 5G」「6G」に向けた取り組みが紹介され、6G関係の新しい技術も披露。オンライン中継の後、メディア向けの見学会も実施されました。

ソフトバンクが6Gに向けて取り組む12の挑戦とは?

 オープニング講演には、ソフトバンク株式会社 先端技術開発本部 本部長の湧川隆次氏が登壇。ソフトバンクの次世代通信に向けた取り組みが紹介されました。

ソフトバンク 先端技術開発本部 本部長の湧川隆次氏。イベントは、コロナウイルス感染拡大防止の観点からイベントはオンラインで中継されたが、メディア向けの見学会にも登場し、取材陣からの質問に答えた

 通信方式は、ほぼ10年ごとに世代交代を続け、現在は4Gから5Gへの移行期にあります。5Gで使う周波数は4Gよりも大幅に拡張されましたが、2030年頃からの普及が見込まれる6Gでは、さらに拡張され、通信性能は5Gの10倍を超えるとのこと。これまで通信に使われていない「テラヘルツ波」の利用も想定されています。

通信方式は10年おきに進化を続けている

5Gで大きく拡張された周波数は、6Gでさらに拡張される

 現行の5Gも社会インフラとして、様々な分野での活用が見込まれていますが、6Gになると、あらゆる業種でデジタルの最新技術を使うことになりそうです。ソフトバンクは、来たるべき6Gの時代に向けて12の挑戦をしているとのこと。

2030年頃に始まる6Gでは、コンシューマーサービスだけでなく、あらゆる産業がネットワークにつながる

6G時代に入っても、4Gと5Gのネットワークは共存する

ソフトバンクがBeyond 5G、6Gに向けて取り組んでいる課題

 まず、アーキテクチャーの面では、安定して高品質なデータ通信ができる仕組みを作る研究が行なわれています。インターネットには、環境や利用状況によって通信品質が異なる「ベストエフォート」という概念がありますが、5Gではそれらが改善され、様々な産業のニーズに合ったネットワークを提供できるようになってきました。6Gでは、さらに細かいカスタマイズが可能になるとのこと。

自社網のネットワークを構築していることが、携帯電話事業者の強み

スライシングのカスタマイズにより、各産業に適した通信環境の提供が実現するという

AIによるネットワーク制御もさらなる進化が求められる

 技術面では、「エリアの拡張」と「周波数の拡張」を大きな課題として掲げています。エリアの拡張では、地上での基地局によるエリア形成だけでなく、空から電波を飛ばすことで、日本全域をカバーする挑戦が進められています。ソフトバンクは、2017年から“空を飛ぶ基地局”とも呼べるHPASの研究を開始し、昨年は実用化に向けた実証実験がアメリカで行なわれました。

ソフトバンクが取り込んでいるのは成層圏プラットフォーム(HAPS)

HAPSと衛星を用いる「LEO」との違い。HAPSは、一般ユーザーも恩恵を受けられる

 湧川氏いわく「当初、いろいろあった課題をクリアし、今は1個ずつ潰していける段階」にあるそう。国際的なアライアンスも設立され、標準化に向けた動きが加速していきそうです。

ソフトバンクのこれまでの取り組み

HAPSでは2つの周波数を利用する

標準化に向けた準備も進められている

HPSモバイル(ソフトバンク)とLOONが中心になって設立した「HAPSアライアンス」には、上記の企業が加盟している

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